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CES 2025で注目したい日本企業による6つのプロダクト
1月7日よりラスベガスで開催される世界最大級のテクノロジーイベント、CES 2025。
今年もテクノロジー業界の最前線をリードする企業やスタートアップが集結し、世界中から注目を集める場である。このイベントでは、AI、IoT、ロボティクス、自動車技術、ヘルスケア、スマートホームなど、多岐にわたる分野の最先端技術やプロダクトが披露される。
CESでは、出展された数多くのイノベーティブなプロダクトの中から、特に優れたものに「イノベーションアワード」と呼ばれる賞を授与する。
この賞は、デザイン、機能性、技術的進歩、社会的影響など、さまざまな観点から評価されるものであり、業界内外で大きな注目を集める指標である。
世界で高く評価される日本のプロダクト
今年も多くのプロダクトが事前選出される中、日本企業が手掛けた技術やデザインが特に目立っている。日本の精密技術や独創的なデザイン力、そしてユニークな発想は、毎年高い評価を得ている。日本企業の創造性と技術力がいかに世界で評価されているかがわかるだろう。
今回は、事前選出されたプロダクトを中心に、テクノロジー、デザイン、イノベーションのそれぞれの項目を解説しながら、注目すべき日本企業による6つのプロダクトを紹介する。
マイクロ e-モビリティ コンセプト by Suzuki
Suzukiの多用途型マイクロeモビリティプラットフォームは、長年培ってきた電動車椅子の技術を活用し、さまざまなロボットの足回りを提供するコンセプト。
自動運転やAIなどの技術と組み合わせることで、パートナー企業と共に多様な分野の課題をロボットで解決することを目指している。
テクノロジー
自動運転やAI技術を統合することで、精密で柔軟な動作を実現し、多様な環境での適応性を高めている。
デザイン
コンパクトで堅牢なデザインが特徴的。黄色と黒のコントラストを活用したモダンな外観は、視認性を高めるだけでなく、機能性とスタイリッシュさを両立している。
イノベーション
パートナー企業との協業により、物流、農業、災害対応など、多岐にわたる分野の課題をロボットで解決する可能性を提案。単なる移動手段に留まらず、多用途で持続可能な社会の実現を目指すプラットフォームとして、新たなロボティクスの標準を示している。
Mixed Reality Makeup – 0 min try-on studio by Kose
コスメブランドのKoseが提供するMixed Reality Makeupは、高速プロジェクションマッピング技術に基づき、全く新しいメイク試着体験を提供するシステム。
リアルなメイクを直接顔に投影し、顔の動きにも追随する。顧客は現実の3D空間で無数のメイクデザインを試すことができるため、従来の試着方法やARメイクフィルターと比べて、より迅速に、確信を持って、そして楽しく製品を選ぶことが可能になる。
テクノロジー
高速プロジェクションマッピング技術を採用。リアルタイムで顔にメイクを直接投影し、顔の動きに応じて精密に追随することで、臨場感あふれる体験を提供。
デザイン
スタイリッシュで直感的なインターフェースにより、簡単かつ楽しく操作できる設計。幅広い顧客層に対応するために、色鮮やかなビジュアルとモダンなデザインを融合。
イノベーション
現実世界の3D空間で無数のメイクデザインを試せる仕組みを提供。従来の試着方法やARメイクフィルターを超え、迅速かつ楽しい意思決定を可能にする新しい標準を確立。
Bio Leg
日本初のスタートアップ、Bio Legが提供するのは、切断によって失われた脚の力を補う電動式の義足膝。電動アシストを活用することでユーザーの身体的負担を軽減し、よりスムーズな歩行体験を提供する。
さらに、バイオニックマッスル技術により、異なる姿勢や地形間での移行を容易にする設計となっている。また、自然なシルエットを持つことでバランスを促進し、視覚的な調和も実現している。
テクノロジー
電動モーターと複数のセンサーを統合し、動作をサポートするとともに、不快感を軽減し、移動性を向上させる技術。
デザイン
ふくらはぎの筋肉の膨らみを活かし、黒いカーボン素材を使用することで自然な外見を強調し、人間の膝に似たデザインを実現。自己表現をサポートする。
イノベーション
人間の膝の動きの特徴を模倣し、柔軟性と力強さを提供。単なる補助器具としてではなく、自信とスタイルの象徴へと変貌させている。
Sony XR Head-Mounted Display SRH-S1
MetaやAppleも参入するVR/XR領域に対して、SONYが提供する「高品質な片目4K対応XRヘッドマウントディスプレイと3Dオブジェクト操作専用コントローラー」はかなり期待できる内容。主な特徴としては
- 多様な空間コンテンツのニーズに応えるXRヘッドマウントディスプレイ
- 4KマイクロOLEDパネルにより鮮やかでリアルな映像を実現
- ビデオシースルー機能でミックスドリアリティの作成を可能に
- Qualcommの最新XRプロセッサ「Snapdragon® XR2+ Gen 2 Platform」を搭載
- 最適な重量配分と素材により、長時間使用時の快適さと安定性を提供
- フリップアップ機構により、物理空間と仮想空間の簡単な切り替えが可能
テクノロジー
片目4K解像度を提供するXRヘッドセットと、3Dオブジェクトとのインタラクションに最適化された専用コントローラーにより、超高精細で没入感のある体験を実現。
デザイン
快適性を追求した人間工学に基づく設計とモダンな外観で、ユーザーの利便性を最大化。
イノベーション
新しいXRインターフェースを採用し、3Dオブジェクトとの正確な操作を可能にすることで、拡張現実技術の新しい基準を提示。
Qolo Rehabilitation
つくば市の産学リエゾン共同研究センター初のハードウェアスタートアップ、Qoloが開発したリハビリテーション用デバイス、Qolo Rehabilitationは、下肢障害を持つ患者向けの世界初・業界初の立位補助装置であり、リハビリテーションの現場を革新するプロダクト。
このシステムは、セラピストの介入を最小限に抑えながら、転倒防止と定量的な治療データの提供を実現する。支援デバイス、内蔵センサー、データ可視化用のタブレットを含む構成で、特に重度障害患者の早期トレーニングに不可欠な動的立位運動をサポートする。また、ユニークな無動力メカニズムを採用し、リアルタイムのデータ収集と傾向分析が可能である。
コンパクトかつ持ち運びやすい設計により、リハビリ室や患者の居室、ラウンジなど、さまざまな環境での利用が容易である。
テクノロジー
内蔵センサーとデータ可視化用タブレットにより、転倒防止を実現するとともに、治療の進捗を定量的に把握できるシステムを提供。無動力メカニズムを採用し、リアルタイムでデータを収集・分析することで、治療の効率化を可能にする。
デザイン
コンパクトで持ち運びが容易な設計は、リハビリ室だけでなく、患者の居室やラウンジなど、多様な環境での利用を想定。シンプルながら機能性を重視したデザインが、患者と医療従事者の双方にとって使いやすいプロダクトを実現している。
イノベーション
下肢障害患者向けの世界初・業界初の立位補助装置として、セラピストの介入を最小限に抑えながら、動的立位運動のサポートを提供。リハビリテーションの早期段階から利用可能で、患者の回復プロセスを加速させるだけでなく、治療の質を向上させる新しい標準を確立している。
Romi by Mixi
ミクシーが提供するRomiは、手のひらサイズの感情支援AIロボット。複雑なリアルタイム会話が可能な次世代モデルを実装している。このロボットは発話の順番を待つ必要がなく、ユーザーが話している最中にも素早く介入し、聞こえた内容や会話履歴、さらにはその場で「見た」情報に基づいてコメントを生成する。
この機能を実現するため、深層学習モデルを開発し、日本国内で多くの人々が不安や孤独を和らげるために使用しているオリジナルのRomiロボットをさらに「人間らしく」進化させた。
また、クラウドシステムにより、Romiの音声、物理的動作(揺れや回転)、視覚的表現(LCDディスプレイによる「表情」)を統合的にコントロールし、対面での会話体験を最適にシミュレーションすることを可能にしている。
テクノロジー
会話中に聞こえた内容や履歴、視覚的な情報を即座に処理して適切なコメントを生成する。クラウドシステムによる音声、動作、表情の統合制御が、対面での自然なコミュニケーションを実現。
デザイン
手のひらサイズのコンパクトなデザインに、親しみやすい丸みを帯びたフォルムを採用。LCDディスプレイによるかわいらしい「表情」が、ユーザーとの感情的なつながりを強化。現代的で洗練された外観は、家庭や職場など、どのような環境にも調和する。
イノベーション
孤独感や不安を軽減するための感情支援デバイスとして、日本国内で多くのユーザーに愛用されている。これまでのモデルから進化し、さらに人間らしい応答性と感情表現を提供。会話を通じてユーザーの心の健康を支える新しい形のAIロボットとして、日常生活における新しい価値を創出している。
2025年に期待したい日本発のイノベーション
失われた30年なんて言われ方をしたりもするが、CES 2025においては、これら6つの日本のイノベーションは、創造性と最先端技術の融合を象徴しており、技術革新における日本の世界的リーダーとしての地位を改めて期待したいと思う。
CES 2025の革新を振り返りませんか?
1月11日(土)、btrax SFオフィスで「CES 2025 報告会: After CES Party」を開催します!当日は、CEOのBrandonとゲストスピーカーが CES 2025 で見つけた注目トピックスや最新トレンドを共有します。ネットワーキングや意見交換の場としても最適です!