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クリエイティブエージェンシーの独自性:コンサルティングファームとの違い
「ユーザー中心デザインって、私たちが日々やっていることと同じじゃない?単に見せ方が違うだけでしょう?」
私はbtrax Inc.のビジネスプロデューサー/アカウントマネージャーです。
この仕事につく前は東京の大手外資コンサルファームで「人・組織」のコンサルタントとして働いていました。
現在、シリコンバレーで定期的に日本企業さまの社員に対してデザイン思考のワークショップを実施しています。
あるクライアントさんとは毎年2回サンフランシスコで10週間に渡り開催していますが、そのワークショップで必ず1回はこのような質問が出ます:
「デザイン思考って、私たちが日々の業務で当たり前に行っていることと何が違うの?私達も日々顧客にヒアリングを行いニーズを理解し、解決策を提供するけれども?」
確かに表面的な類似点は否定できません。
しかし、私たちクリエイティブエージェンシーとの違いにはより深いレイヤーがあり、それを求めて我々の顧客とお仕事させていただいています。
特にコンサルタントの仕事を経験している私から言える違いをこの記事で紹介できればと思います。
核心的な違い:柔軟性と創造性
クリエイティブエイジェンシーと他のビジネスアドバイザリーを行う会社との核心的な違いとは何でしょう。
我々は固定されたサービス提供を持つ企業とは異なり、私たちのようなクリエイティブエージェンシーは自由でオリジナルな発想が可能です。
特定の製品に縛られることなく、高度な創造力をうまく活用して問題に寄り添うことができ、ユーザーのニーズに合わせて本当に革新的な解決策を提供します。
では、クリエイティブエージェンシーの考え方や文化とは具体的にはどのようなものでしょうか?
ここでは3つの重要な要素を紹介します:
1. 深い共感と感情的洞察
従来のビジネスが単に問題解決に焦点を当てるのに対し、クリエイティブエージェンシーは共感と感情の共鳴を重視しています。
解決策を出す前に、問題を細かく分析し、その感情的な核心を探求し、ユーザーの根本的なニーズを理解します。
例えば、btraxのクライアントには日本の大手飲料メーカーやアメリカの健康サプリメントメーカー等がいます。
このようなクライアントと実施するプロジェクトでは、製品の機能的側面だけでなく、消費者に喚起される感情的なつながりを理解することが目標とします。感情の機微を理解することは、ターゲットオーディエンスと本当に共感する戦略を開発するのに役立ちます。
私は、コンサルティング業界では主に人事コンサルティングの領域に従事していました。
具体的には、クライアント組織のカルチャー改革を目的とした戦略案件に携わっていました。
通常、これらのプロジェクトでは、わずか3人程度のコンサルタントが割り当てられ、数千人規模のクライアント組織について、限られた情報に基づき戦略が提案されていました。
熟練したコンサルタントが考案した戦略は論理的には優れていましたが、実際の組織文化や従業員の声を反映できず、教科書のような形になることがしばしばでした。
2年半にわたるコンサルタントとしての経験で、現場の人々と直接話す機会がほとんどない立場にいることに大きな違和感を覚えました。
すべてのコンサルタントがこのように働いているわけではありませんが、私が所属していた大手コンサルティング会社では、クライアントの従業員と協力して何かを共同で作るよりも、解決策を提供することが重視されていました。
その反面、btraxは、ユーザーを中心に据えたクリエイティブエージェンシーとして、クライアントとの契約段階でユーザーリサーチを前提としたアプローチを定めます。
クライアントが契約時にすでにユーザー理解の難しさとその重要性を理解していることが多いため、我々も時間とエネルギーをリサーチに充てることができます。
リサーチは主にインタビュー形式で行われますが、場合によっては実際に参加者が日常生活を送っている場所を訪れ、エスノグラフィー調査も行うことがあります。
その後、リサーチから得られたインサイトを熟考し、次の段階であるブランド戦略やマーケティング戦略の構築に取り掛かります。
リサーチによって、純粋な論理では気づけない人々の感情やその時々の状況の影響など、貴重な情報を得ることができます。
これにより、高品質で豊かな情報をもとに、ユニークで他に類を見ない戦略を構築することが可能となります。
2. 失敗をチャンスと捉える
日本企業は他の世界の企業と比較して、失敗を恐れる文化が根強いです。
しかし、どれだけ入念に準備しても、一度試してみたら全然違う結果が出たことはありませんか。
リスクを回避して保守的になりがちな一般的な企業とは異なり、btraxのようなクリエイティブエージェンシーは、失敗や試行錯誤を革新の一部として受け入れます。
積極的にフィードバックを求め、アイデアを改善し、必要に応じて軌道修正を行い、真にユーザーのニーズに合う解決策を提供します。
このアプローチは、完璧を追求することに慣れているクライアントにとって初めは衝撃的かもしれませんが、最終的には継続的な改善と革新のカルチャーを理解し、btraxと共に一緒に実現します。
また、btraxの案件の進め方やbtraxを選んでいただくクライアントには、コンサルティング会社で実施する案件の場合とは大きく違う特徴があります。
大手コンサルティングファームの案件では、クライアントとコンサルタントが共同で作業するというよりも、クライアントが自社の内部で不足している部分をコンサルティング会社に委託するという形式が一般的でした。
クライアントは日常業務に忙殺されている間にコンサルタントが最終的な完成品を提供してくれることを期待していました。このような関係性では、コンサルタント側から提案する失敗や挑戦のための余裕があまりありませんでした。
一方、btraxでは、クライアントとの共創を前提にし、また、積極的にユーザーテスト実施を提案します。
例えば、あるプロジェクトでは、ユーザーリサーチからサービスのプロトタイプを作成し、さらに、サービス構築後、ユーザーテストまでサポートしました。
どのビジネスでも仮説検証は当たり前ですが、btraxの強みは、社内のUI・UXデザイナーが簡単にプロトタイプを作成できることです。
この簡易的なプロトタイプを使って迅速にテストを行うことで、クライアントやサービス提供者が予想していなかった結果を早い段階で把握し、最終的なサービスや製品に反映させることができるのです。
3. 画期的な思考
クリエイティブエージェンシーは特定の製品に拘束されることなく幅広い可能性を探求する自由があります。私たちは従来の枠組みを超えたところにフォーカスを定め、斬新な戦略を追求します。
視野を広げ、多様な視点を取り入れることで、従来のビジネスモデルでは見過ごされていたアプローチを導き出し、ユーザーの真のニーズをもとにソリューションを定義します。
さらに、その実現のために社内外の幅広いネットワークから最高のチームを作り上げます。そうすることで、ユーザーのニーズにあったソルーションを最高のクオリティで提供することができます。
コンサルティング業界では、仕事が忙しく、1分1秒も無駄にすることができませんでした。
また、コンサルタントの文化として、ロジカルに話すことが重視され、必要ない余談をゆっくりすることは難しい環境でした。
このような仕事形態では、「余白の時間」を取ることが難しく、自分の知識の限界を感じました。
一方、クリエイティブエージェンシーで働く人々は、この「余白の時間」を心から信じています。
我々はアジェンダのない1on1やチームビルディングなど、日常的に業務以外の趣味を共有する機会を作っています。
例えば、CEOのBrandonはTechnology DirectorのTakaとお酒を飲みながら、1−2時間未来を妄想する時間を毎週のように設けています。
また、現在支援させていただいているヤンマー社とのアニメ制作の少しぶっ飛んだアイデアも、机に向かって黙々と仕事しているだけでは実現しなかったでしょう。
日々の情報交換や会話によって、このような奇抜なアイデアが実現しています。
まとめ
クリエイティブエージェンシーは共感、柔軟性、創造性をブレンドさせ、従来のコンサルティングファームとの違いを際立たせています。
ユーザーのニーズに深く立ち入り、試行錯誤を受け入れ、制限ない思考をはぐくませることで、問題を解決するだけでなく、ターゲットオーディエンスとの深いつながりを築き上げます。
今後もし、複雑な課題に対する革新的な解決策を求める際は、我々のようなクリエイティブエージェンシーとの協業をぜひ検討してみてください。
我々と一緒に顧客が心を深く響かせる体験を創造しましょう。
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