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デザインのローカライズの必要性とは?日本のウェブサイトの3つの特徴から考える
私たちbtraxは、デザインとマーケティングのローカライゼーションをサポートさせていただくことも多い。しかし、そもそもデザインのローカライゼーションはなぜ必要なのだろうか?今回の記事ではその背後にある理由を探っていく。
今回は、特にウェブデザインに焦点を当てて、日本のウェブデザインの特徴を解説し、ローカライゼーションが必要な理由を紐解いていきたい。
日本のウェブデザインの特徴サマリ:
- マキシマリスト
- キャラクターや2Dイラストの使用
- 淡い色使い
特徴1 : マキシマリスト
映画La La Landのポスターがよく例として使われるが、日本のデザインは他国のデザインよりも情報量を多く含む傾向にある。ウェブデザインも同様で、スターバックスやYahoo!、スマートニュースなどのウェブサイトがその特徴をよく示している。
考えられる要因のひとつは日本の文字文化の豊かさと、それに付随する国民の読解力の高さだ。
日本は文字文化がとても豊かで、チラシ、漫画、新聞、雑誌などからも見えるように1ページに多くの情報が詰め込まれていることが一般的だ。
こういった元々根付いているアナログデザインのマキシマリズムがウェブサイトなどのデジタルデザインにも反映され、好まれているではないかと思われる。
マキシマリストなアナログデザインを通して、日本人は知らないうちに重要な情報を的確に見逃さないよう鍛えられていたのかもしれない。
また、日本人ユーザーは情報量が多ければ多いほど安心感を感じる傾向にあるのではないか、と個人的に考えている。
日本人にとって情報が詳細であればあるほど信頼性は上がる傾向にある。そのため、日本のデザインは、主に「情報を伝えること」を目的としていて、「見せること」は二の次なのではないだろうか。
結果的に、「読めば全ての情報が伝わる」ことが重要視され、マキシマリストのメソッドが多々使用されているのではないかと考える。
なぜ日本のウェブサイトは他国とこうも違うのかについて説明しているこちらのブログで、著者のDavid Gilbert氏は、日本人は購入の決断を下す前に、長い説明文や技術仕様によって高度な保証を必要とするため、”Less is More”の概念はここでは当てはまらない、と述べている。
ちなみにアメリカのデザインは情報は少なく簡潔にまとめてあればあるほど良い、というマインドセットのもとに作られているので、シンプルなデザインが好まれやすい。
このミニマルなデザインを好む傾向は、アメリカ以外の国でも見られる。
事実、Goodfirmsが実施したリサーチによると、USA、ウクライナ、インドに拠点を置くウェブデザイナーの約85%が、ウェブデザインにおいてよくある誤り・失敗は「情報が詰め込まれた、込み入ったデザインにしてしまうこと」だと主張している。
ただし、デザインの好みやトレンドは時代とともに変化している。最近ではミニマルでシンプルなデザインや視覚的な要素を重視するデザインも増えてきているため、一概に日本のウェブデザイン=マキシマリストとは言えないのが現状だ。
特徴2 : キャラクターや2Dイラストの使用
日本のウェブデザインでは、かわいらしいキャラクターや2Dイラストがよく使われる。これは、親しみやすさやウェルカミングな雰囲気を引き出し、ブランドの独自性を協調するといった役割を果たしている。
日本には、アニメや漫画といったポップカルチャーが強く根付いている。このカルチャーをウェブサイトにも反映することで、ユーザーの共感を呼んだり、親近感を誘発しやすくしているのではないかと考えられる。
また、キャラクターやイラストは視覚的に印象に残りやすい。ウェブサイトを訪れたユーザーは、これらの要素を見た時に「あのサイトだ」と思い出しやすくなる。これによってブランドの識別やブランド認知が向上する。
さらに、キャラクターやイラストは感情を表現するのに効果的だ。キャラクターの表情やポーズなどを通じて、感情やメッセージを伝わりやすくできる。
特徴3 : 淡い色使い
日本のウェブデザインには、淡い色が好まれて使われることが多い。
この傾向は業者や商材を問わず幅広いものだが、特に飲食系のサービスや企業のデザインでよく見られる。これらは日本の文化や環境から影響を受けていると考えられる。
日本とアメリカで人気のグミのウェブサイトを比較してみた。どちらも同じキャンディー系商品、ほぼ同じ層をターゲットとしているお菓子であるにもかかわらず、色使いがここまで変わる。
日本のデザインは、その自然や四季の移り変わりからインスピレーションを受けた伝統的な美意識に基づいて、優しい色合いが好まれやすいのではないかと考える。
淡い色や薄いグレーなどは、清潔な印象や和やかな雰囲気を醸し出す効果がある。そのため、そうしたイメージを訴求したいサービスやプロダクトでは特に使用されることの多い色である。
まとめ
今回は、日本のウェブサイトの特徴を3つ取り上げてみた。
以上のように、日本人向けのウェブサイトには日本ならではの特徴や傾向があることがわかる。それゆえ、言語を翻訳するだけではウェブサイトを見てほしいターゲットに「良い」と感じてもらえないことが多々ある。
ターゲットとする国のデザインの特徴を理解し、それに基づいてリデザインやローカライゼーションを行うことで、ターゲット層により魅力を感じてもらいやすくすることができる。
日本のウェブサイトの特徴と他国との比較からわかる通り、デザインのローカライゼーションは国際的なビジネス展開において重要な要素となっているのだ。
btraxは、サンフランシスコと東京に拠点をおくデザイン会社として、日系企業の海外でのブランド認知拡大や、ブランドのローカライゼーション、ビジネスの海外展開を、過去19年に渡りサポートしている。
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