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一級建築士からUXデザイナーへ。業界・国境を超えて挑戦を続けるNondo Sikazwe氏から見た日本のデザイン市場とは?【インタビュー前編】
近年パンデミックによる影響で観光客は激減したものの、2014年以降、東京では外国人の割合が増加し国際化が急速に進んだ。
デザイン業界でも、グローバルに活躍しつつ、東京を拠点としている外国籍のデザイナーの割合は増加してきている。
今回は、アフリカ大陸南部のザンビア出身のNondo Sikazwe氏へのインタビュー記事をお送りする。
Nondo氏は、南アフリカ共和国にて一級建築士として活躍した後、スタンフォード大学でデザインシンキングを学び、現在は東京のデザインコンサルティングファームでUXデザイナーとして活躍している。
2本立ての前編となるこちらの記事では、Sikazwe氏の異色の経歴やグローバルな視点から見た日本のデザイン市場について話を伺った。
続く後半では、Nondo氏にとってのデザインの定義や、各国の忘れられないプロダクト、今後のデザイナーとしての目標などについてお伝えする。
目次:
- 一級建築家としてのキャリアを捨て、UXデザイナーへ転身
- スタンフォードでの学び
- 日本に来たきっかけ
- 日本のデザイン業界の現在地
Nondo-Jacob Sikazwe
ザンビア出身。 南アフリカのウィッツ大学で建築を学び、建築士としてアフリカ各国で複数のプロジェクトへ従事した後、隈研吾建築事務所でのインターンを通じて来日。
その後、千葉大学にて工学の修士号を取得。専門はテクノロジーを活用したサービスデザイン。
修士課程に在学中、スタンフォード大学へ留学。現在は、都内のデザイン会社にてUXデザイナーとして勤務する傍ら、非営利団体での活動や、大学などの講演など、幅広く活動している。
Akiko Sakamoto
btrax UXリサーチャー。東京都出身。国際基督教大学に在学中、オランダのマーストリヒト大学へ交換留学を経験。帰国後、外資系企業にて人事、コミュニティマネジメント、カスタマーサポートなど幅広い職種を経験した後、UXデザイナー/リサーチャーへ転身。
一級建築家としてのキャリアを捨て、UXデザイナーへ転身
Akiko:
まず、Nondoさんの経歴について伺いたいのですが、元々は一級建築士として活躍されていたと伺いました。なぜ順風満帆だった建築士としてのキャリアを捨ててまで、UXデザイナーになる道を選んだのですか?
Nondo:
私はザンビアで生まれ、南アフリカで教育を受けて育ちました。
いつしか建築に夢中になり、修士号を取得し、ザンビア、エチオピア、南アフリカなどアフリカのいくつかの国で様々なプロジェクトに従事しました。
日本でも隈研吾さんの事務所に勤務していた時期があります。建築は、僕のデザイナーとしての出発点となっていて、空間とそれを使う人々(=ユーザー)について考えることを学び実践していましたが、そこにはデジタルの領域に関わることがすっぽり抜け落ちていました。
南アフリカにいた頃、公共住宅をデザインするプロジェクトを担当していたのですが、そこではただ単に建物の設計をするだけでは十分でなく、そこへ住む市民のための新しい街全体をデザインする必要がありました。
僕は、住民に提供するべきなのは、ただの家ではなくてコミュニティであると考えていたのですが、テクノロジーを駆使することでそのチャンスがぐっと広がると感じました。
この時に、僕たちが提供する建築サービスにおいてテクノロジーの重要性とインパクトに気づきました。
建築業界とテック業界の隔たり
Nondo:
これがきっかけとなり、建築だけをやっていても自分の作りたいものは生み出せないと感じ、エンジニアリングを学ぶ決意をして、エンジニアリングデザインの修士号を取得しました。
所謂スマートシティのようなICTを活用した包括的な都市設計は、テクノロジーへの理解なしには設計し得ないためです。
ここでのテクノロジーは、例えばWebエンジニアリングのような限定的なものではなくて、広義のテクノロジーを指しています。
というのも、都市空間をデザインする際には、必ずしも全ての住民が同じデバイスやソフトウェアへアクセスできるとは限らないので、より包括的なソリューションが必要となるためです。
テクノロジーへの理解をベースにユーザーの体験をデザインしているので、現在はUXアドバイザー兼デザイナーという肩書きで働いていますが、将来的に私がやりたいことはより包括的なサービスデザインです。
Akiko:
慣れ親しんだ建築業会から、全く未経験のテック業界へ飛び込むことは怖くなかったのですか?
非常に大変でしたね。自分は奨学金をもらってエンジニアリングデザインの修士を得ることができたので、恵まれていたとは思っていますが、それでも簡単な道のりではなかったです。
建築業界では、MBAを取得するか、プロジェクトマネジメントの道へ進む人が大半で、僕の様にエンジニアリングデザインの領域へ飛び込む人はほぼいませんでした。
よくテック系のデザイナーも建築設計士も似たようなものだという人がいますが、業界としてはかなり大きな隔たりがあります。
建築業界では、プロジェクトをやるときに一般的に7段階くらいの決まったプロセスがあるのですが、その中でデザインにあたる部分は全体の10%くらいに過ぎません。
もし10人のチームでプロジェクトに臨むとすると、コンセプトを作り込むパートに携われるのはせいぜい2人で、それは常に一番上のポジションにいる人たちです。
それ以外の人たちは、建築法を守るためのチェック、図面の製作など、残りの業務を担当します。
また、建築士として設計をするためには、国家資格が必要になります。
イギリスをはじめとしたコモンウェルスの国々では、7年間の建築を学び最終試験に通らなければ一級建築士になることができません。私もその道を通ってきましたが、これはテック業界でデザイナーになる道とは全く異なるプロセスです。
ですので、建築士からテック系のデザイナーへ転身することは、デザイナーがシェフへ転身するのと同じくらい大きな変化なんです。
シェフという仕事も、建築士やデザイナーと同じようにクリエイティブな仕事ですよね?でも扱うものや必要な知識は全く異なります。
ですので、テック業界へ飛び込むことは、私にとってゼロから全てを学び直すことであり大きな決断でした。
私は建築家として、とても恵まれたキャリアを歩んでいたので、今も母国へ帰ると、「あれは自分が設計に携わった建物なんだ」と言えるビルがたくさんあります。
建築を学んでも、実際の建築に携わるところまで行かずに離脱してしまう人たちもいるので、そういう経験を積めたことはとても良い経験でした。
そういうバックグラウンドを持つ自分だからこそ、テック業界と建築業界を繋いでできることがあると思っています。テクノロジーを駆使したスマートシティへのニーズはどんどん高まってきていますからね。
簡単な選択ではなかったですが、スタンフォード大学で学びを深めるうちに、自分の決断は正しかったと確信が持てるようになりました。
Akiko:
建築を突き詰めていった結果、これからの時代に求められる建築にはテクノロジーとの融合が不可欠だと気づいたということですね。
確かに、テック業界のデザイナーも、建築士も一般的には同じ「設計」を担当する職として、比較的近い職業のように思えますが、実際には業界のしきたりや設計のプロセス、チームでの働き方や、キャリアパスまでかなり違いがありますね。
これはどちらの業界にも精通しているNondoさんならではの視点のようにも思います。お話を伺っていて、新たな領域へ飛び込んでも、根底にある「人々の生活する場所・コミュニティを設計したい」というNondoさんの思いは変わっていないのだろうな、というふうにも感じました。
スタンフォードでの学び
Akiko:
スタンフォード大学で学ぶことになった経緯を教えていただけますか?
Nondo:
エンジニアリングデザインの修士を取得しようと決めた後、まず奨学金をいただき日本の千葉大学の大学院に入りました。
私の研究は、テクノロジーを活用したサービスデザインにフォーカスしていたので、サービスデザインへの理解を深めたいという思いから、さらに別の奨学金を取得し、スタンフォード大学で短期のプログラムへ参加することになりました。
スタンフォードでは主にデザインシンキングとメディカルイノベーションについて学んだのですが、改めてデザインとは何か、そしてなぜデザインは面白い分野なのかということを学び、自分のデザインへ対する情熱を育むことができました。
プログラム終了後も、スタンフォードで出会った人たちとのコラボレーションは続いています。
スタンフォードへ行って、自分にとって何よりも重要だったことは、さまざまなバックグラウンド持つ学生たちと出会えたことです。
教師をやっていた人もいれば、生物学を学んでからデザインを学びにきた人たちもいて、自分が建築科の出身であることはそこでは全く珍しがられることがありませんでした。
日本の大学で修士課程に入ったばかりの頃は「なぜわざわざ建築をやめてテクノロジーやデザインを学ぶの?」と疑問に思われたり、自分の考えを理解してもらえないことが多かったのですが、スタンフォードでは自分以上にデザインとは全く異なる領域からやってきた人がたくさんいて、私の視野を広げてくれました。
また、スタンフォードの教授や、バークレーなどの他のカリフォルニアの大学の教授たちも、建築科出身の自分をおもしろがってくれて、応援してくれる人たちがたくさんいました。
これは自分にとって非常に大きいことで、彼らとの出会いが「自分の選んだ道は正しい」と私に確信させてくれました。
Akiko:
周りの人とは異なるバックグラウンドがスタンフォードではNondoさんの強みでありオリジナリティとして評価されたということですね。
Nondo:
仲の良い日本の友人が以前に僕に教えてくれました。「日本で本当にクールなことがしたいなら、一度世界へ出て、逆輸入されるようにしなければダメなんだ」と。スタンフォードへ行ってみてその意味がわかったような気がしました。
カリフォルニアでたくさんの人に自分を認めてもらったおかげで、日本へ帰ってきてからも自分のやっていることに自信を持って取り組めるようになったと思います。
Akiko:
日本での経験と比較して、スタンフォード大学で印象に残っている経験はありますか?
Nondo:
日本の建築事務所で働いていた時に、オフィスでいわゆる「偉い」人たちと関わる機会はたくさんありました。
でも、彼らと自分の違いを考えてみたときに、特別な才能の違いというよりは、経験の年数や知識量など、建築士としてある程度の年数を重ねていけば、誰もが得られそうなものが多いなと感じていました。
これに対して、スタンフォードで出会った人たちは、自分とは全く違うバックグラウンド、能力、考え方や強みを持っていて、彼らとコラボレーションすることからは学ぶことが多く非常に刺激的でした。
またスタンフォードで驚いたのは、大学がビジネス界と一丸となって、学生を育てているところです。
日本だけではなく、私の母国のアフリカと比較しても、ビジネス界の人たちが非常に深く学生にコミットしていて、これはかなり稀有なことだと思いました。
おそらく他の大学では、例えば経営学を教えている教授のプライドが高い場合、外からエキスパートを呼ぶことは簡単ではないのだと思います。
学部一年生の時点で、教室にスタートアップの経営者がやってきて、講義をしたり、アイディアへフィードバックをくれたり、さまざまなサポートしてくれます。入学してすぐのスタート地点で、どんなプロジェクトもビジネスになる可能性があり、さらには自分の会社やNGO、NPOになりうるんだというマインドセットを教わります。
これは、良い意味でスタンフォードで中退者が多い理由にもなっているのではないかと思うのですが、学べば学ぶほど、学生たちの考えはどんどんオープンマインドになり、大学の卒業証書はただの「通過点」に過ぎないんだということにかなり早い段階で気づくのだと思います。
オープンマインド、情熱、推進力、大学の外部とのコネクションがスタンフォードの教育を特徴づけていると思います。
Akiko:
挑戦を歓迎する風土が根付いているアメリカの大学らしいエピソードだなと思いました。日本では、正確に仕事をこなしたり、淡々と努力を重ねることが賞賛される一方で、失敗をすることや、リスクを取ることはネガティブに捉えられやすい傾向があると思います。
また領域横断的なキャリア形成についても、日本では大学入学時から理系と文系に分かれて、そこからさらに専門分野だけを深めていく形式が主流なので、全く異なる領域へ関心を持ったり、大胆なキャリアシフトをするという考え方がすぐには受け入れられない人が多いのかもしれません。
Akiko:
大学入学時から実社会と強いコネクションを持って、学びを深めていける環境は非常に魅力的ですね。Nondoさんがご自身の決断に自信を持って日本に戻ってきてくださり、こうして経験を多くの人にシェアしてくださることがとても嬉しいです。
日本に来たきっかけ
Akiko:
日本の建築事務所で働いたり、千葉大学でエンジニアリングデザインの修士号を取得したりと、日本とも縁が深いNondoさんですが、日本へやってきた理由はどんなものだったのでしょうか?
日本の漫画に憧れ、谷崎潤一郎の作品に衝撃を受けた
Nondo:
実は私の子供の頃の夢は漫画家だったんです。少年ジャンプなどの日本の漫画を読んで、このストーリーがアフリカで起こるとしたらどんなふうになるんだろう?主人公は象と戦ったりするのかな?と空想していました。
でも、だんだんと漫画家として生きてくのは厳しそうだなということに気づき始めて、漫画家になる夢は諦めてしまいましたが…。
漫画をきっかけに日本に興味を持っていた当時の僕に、学校の先生が薦めてくれた本があって、それは谷崎潤一郎の「陰翳礼讃」でした。この小説は僕に日本文化への深い理解をもたらしてくれました。
彼の文学は、いかに歴史や文化が近現代の日本社会へ影響を与えているのかを見事に描写していて、この本をきっかけに、もっと日本のことが知りたくて日本へ行く決意をしました。
近代国家となりつつも、独自の文化を守っている日本は私にとって非常に魅力的でした。
シドニーやニューヨークなど、世界の主要な都市へ行くと、中心部はどこも似たような雰囲気で「前に行った都市と同じようだな」と思いますが、東京はいつも「私は東京にいるんだ」と強く思わせてくれて、非常にユニークです。
Akiko:
日本のユニークな部分とは具体的にどんなところだと思いますか?
日本は島国で、良くも悪くも他の国々から物理的に孤立した状態にあると思います。外の国から来た身としては、何もかもが真新しく、完璧に見えて、もっといろんなことを知りたいと思わされます。
それと同時に、日本には、海外へ出たことがない人もたくさんいます。
外国の人とあまり交流を持ったことがない人たちと関わる中で、自分がアフリカ出身であるということを強く意識させられ、自分は母国のザンビアを代表しているように感じられることもあります。
そもそもザンビアという国を知らない人もいるので、自分と話すことで、彼らが新しい国について知ったり、違う文化や考え方に触れるきっかけになることができることは喜ばしいことだと感じます。
自分のバックグラウンドについて語る中で、自分の母国や自分自身に前よりも自信を持てるようにもなって、これは日本へ来たおかげだと思います。
Akiko:
私たちの世代、いわゆるミレニアルズ以降の世代は、Nondoさんだけではなく、世界的に日本の漫画やアニメを見て育った人たちが多いですよね。
全く違う国や文化圏で育っていも、子供時代に同じ作品を見ていて、それらを通して日本について知ってくれている同世代が多いことにいつも驚きと嬉しさを覚えます。
ただ、アニメや漫画が日本の文化を全て反映しているわけではなくて、イメージか偏っていることも多いので、Nondoさんのようにそこを入り口にして、さらに文学の世界から理解を深めたり、実際に日本に住んでみたりという行動力はすごいと思います!
また、日本に来て改めてご自身のアイデンティティについて自覚的になったというのも、非常に興味深いなと思いました。
自分の母国があまり知られていないという現状についてもポジティブに捉えて、アンバサダー的にどんどんザンビアのことを紹介していく姿勢も素晴らしいなと思いました。
日本のデザイン市場の現在地
Akiko:
現在は東京を拠点に働かれていますが、日本のデザイン市場の印象はNondoさんから見るとどのような感じでしょうか?
Nondo:
2年前に、修士課程を終えて日本で仕事を探していた際に、私はサービスデザイナーとしての仕事を希望していたのですが、そもそも日本ではまだサービスデザインという概念があまり知られていないのだということに気がつきました。
欧米の会社にはサービスデザイナーというポジションが存在するのですが、日本ではUI・UXデザイナーのポジションはあってもサービスデザイナーというポジションがほぼ存在していませんでした。
サービスデザインの知名度が低く、DXやビジネスデザインへの関心が集中している点は、現在の日本のマーケットの一つの特徴と言えるかもしれません。
ただ、10年前には日本で認知されていなかったUXデザインの概念が現在はかなり浸透してきているので、サービスデザインも今後知名度が上がってくるのではないでしょうか。
日本と欧米で異なるクライアントのニーズとデザインへのアプローチ
Nondo:
もう一つ、日本のマーケットで感じることが、クライアントへデザインを共有する際に求められることが欧米での場合と大きく異なるということです。
日本では、定量的なデータとファクトが非常に重視されていると思います。
西洋では、この商品を提供することでカスタマーがどんな気持ちになるか、感情やストーリーをうまく伝えることが評価されるのですが、日本では、アイデアを裏付ける定量的なデータや根拠となる事実がなければ話が始まらないというケースがほとんどだと思います。
アメリカでは、視覚的なイメージを多用して、感情を引き起こすようなプレゼンテーションが効果的なのですが、日本では違うと感じますね。
ユーザーが「何を感じるか」を重視してコンセプトを決めてから詳細を詰めていく西洋的なアプローチに対して、日本では「何mlの液体をどんな素材の容器に入れるか」などの詳細から話が始まるような場合が多いように感じます。
どちらが良い悪いと言いたいわけではないのですが、単純にアプローチや評価されるものが大きく異なると感じます。
また仕事における価値観についてなのですが、現在私が勤めている職場では、多くのデザイナーが「なぜ自分達はデザインをするのか?そもそもこの問題にデザイン的なアプローチは必要なのか?」など、熱心に議論が行われ、複雑なチャートが緻密に作成され、いつも同僚の熱意と技量に感銘を受けるし、刺激をもらっています。
デザインを価値にしよう、ブランドにしようという姿勢がとても強く感じられます。
一方で、私にとってはデザインの価値それ自体よりも、他者とのコラボレーションを通して何かを考えたり生み出したりすることの方に重要性を感じたりするので、その辺りも違いがあるなと感じています。
Akiko:
なるほど。クライアントのニーズについては、おっしゃる通り日本ではまだ「ユーザー視点で考える」ことの重要性を本当の意味で認知していない企業が多いのかもしれないですね。クライアントが重視しているデータのタイプにもよると思うのですが、機械的な統計データを鵜呑みにしてビジネスの合理性だけを起点に判断を進めていくと、ユーザーの感情が置いてけぼりになってしまうケースが少なくないのではないでしょうか。
一見抽象的で、非合理的に思われがちな「感情」という側面ですが、長期的な視点で見ると、ロイヤリティ獲得や他社との差別化という観点からも非常に重要なファクターになりうると考えます。
ですので、定量的なデータや事実を参考にしつつも、「誰のために作るのか」という視点をデザイナーだけではなくクライアント側も理解することが長く愛されるプロダクトやサービスを作る上では重要なのではないかと思いました。
仕事に対する姿勢についても、スタンフォードでのNondoさんのお話にも繋がりますが、近い業種やバックグラウンドの人たちだけで考え方を突き止めていくだけではなく、どんどん新たな視点も取り入れて、コラボレーションを通して視野を広げていけると、より包括的なソリューションへ繋がっていきそうだなと感じました。
まとめ
業界や文化圏の壁を軽やかに飛び越えていくNondo Sikazwe氏へのインタビュー、前編となる本記事では、建築業界からテック業界へのキャリアシフトや、日本へやってきた経緯、グローバルな視点からみた日本のデザイン市場などについて話を伺った。
日本へきて自分の母国について全く知らない人々に出会ったり、建築業界とテック業界には大きな隔たりがあり最初は周りからの理解を得られなかったり、簡単な道ではなかったと語るが、一貫して物事をポジティブに捉える彼の姿勢が非常に印象的だった。
10年前に日本ではまだ認知度が低かったUXデザインが、現在では当たり前のようにビジネスシーンで語れるようになったように、日本市場はまだまだ浸透していないサービスデザインの概念も世界的なトレンドに従って、今後より重要性が増してくるのではないだろうか。
本記事に続く後編では、Sikazwe氏にとってのデザインの定義や、各国の忘れられないプロダクト、今後のデザイナーとしての目標などについてさらに深掘りしたインタビューをお届けする。
弊社は、2004年米サンフランシスコでの設立以降、2000社を超える様々な企業へデザインを軸としたサービス提供を行ってきました。
日米にオフィスを構え、アメリカ市場への展開を目指す日本企業様に対し、最適な体験からコミュニケーションまでを一貫してデザインし、顧客エンゲージメントの向上とファンの増加をサポートします。
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