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    Brandon K. Hill

    CEO of btrax, Inc

    CEO of btrax, Inc - Design Mentor to Startup Weekend - Contributor to TechCrunch Japan - Guest Speaker at UC Berkeley Asia Business Conference - Guest Speaker at Social Media Week Tokyo - Guest Speaker at 500Startups Japan Day

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フリーランスWebデザイナーという職業も無くなる4つの理由

全ての事柄のデジタル化が進む中で、Webやインターネットの重要性が年々高まっている事は間違いないだろう。それに伴い、関連する業種や職業に対する需要が高まるのは必然と考えられる。例えばWebやアプリを製作する為のデザイナーやエンジニアは、紙媒体や組み込み型ソフトウェア向けのそれに比べても、必要性が格段に高いとされ、キャリアアップをする場合は新しい技術の習得が求められる。

その一方で、以前に「アメリカでWeb制作会社が存在出来ない5つの理由」で説明させて頂いたとおり、実はこちらサンフランシスコ、シリコンバレー地域では、”Web制作” をメインのビジネスとしている会社はかなり少ない。むしろ、数年前からビジネスのコアを変換させなければ生き残れない時代に入って来たと言っても間違いないだろう。

絶滅するフリーランスWebデザイナーという職業

それでは、フリーランスのWebデザイナーはどうだろうか?Webが普及し、Webデザイナーという職業が出現してから約20年程の今、実は彼らも絶滅の危機に瀕する日も遠くは無いと感じる。大きく分けてその理由は4つあると考えられる。

1. Webチームのインハウス化

1990年代からWebは、企業におけるマーケティングチャンネルの一つであったが、これからはその中心になる事は間違いない。それに伴い、これまでは外部のエキスパートに委託して来たWebに関する業務を社内で進める方針にした会社は少なく無い。特にアメリカではどのような業種の企業でも、Webの重要性を理解しており、社内にWebデザイナー職を設けるのが一般的となっている。

特に最近はWebを取り巻くデジタルマーケティングの複雑性が高まっているので、フリーランスのWebデザイナー1人ではこなす事が難しいエリア、例えばソーシャルメディア運用、オンライン広告運用、グロースハックユーザーエクスペリエンスなどの領域を包括的にカバー出来る専属チームの発足を進めている企業も少なくは無い。デジタルマーケティング全般の業務を社内でまかなう事で、社内ナレッジの蓄積にも繋げるのも大きな狙いとしているのだろう。

2. SaaSプラットフォームの充実化

それでは社内にWebチームを置く事が出来ない規模の小さな企業はどうなるだろうか?未だにフリーランサーに委託している所もあるだろうが、最近は専門知識が無くてもそれなりに簡単にWebサイトの作成と運用が可能なSaaSプラットフォームの充実が進んでいる。そしてその多くが、初期費用が無料かもしくは非常に安く、サイトの立ち上げも短時間で可能になっている。

シンプルなサイトであれば、Square SpaceWixなどのプラットフォームを使う事で、それなりに見た目の美しいサイトを作る事が出来る。カスタム性を高めたい場合はWordPressを、eコマースであればShopifyなどのSaaS型プラットフォームと、彼らが提供する高品質なテンプレートを利用すれば、技術に詳しく無くてもある程度まではサイトの構築が出来てしまう。

でも、これまでWebデザイナーをなりわいとしてきた人達からすると「そんな簡単に出来るものではありませんよ」と思うかもしれない。しかし、子供の頃からデジタルに触れて育って来た若い世代の中には、Photoshop, HTMLやCSSぐらいであれば、問題無く使える人も少なくは無い。彼らにとってはそれらは既に特殊技術ではない。

残念ながら、一昔前の大人が必死の思いで会得して来たWebに関する技術は、デジタルネイティブにとってみると読み書きと同じ感覚でしかない。そんな彼らからすると、SaaSプラットフォームがあればプレーンなサイトなんかは、涼しい顔でいとも簡単に作れてしまう時代なのである。加えて、OptimizelyKaizen Platformなどのサービスを利用する事で、気軽にA/Bテスティングを行う事も出来てしまう。

3. コーディングの自動化

Webサイトを作る際に、もっとも専門性が必要とされるのがコーディングであろう。HTML, CSS, JavaScriptなどを中心として、サイトを複数のブラウザーやデバイスで問題無く表示し、ストレス無く稼働させるにはかなりの専門的知識が必要とされる… はずだった。しかし、ここにも時代の変化は確実に訪れている。

以前よりWebオーサリングツールから自動的にページのコードを書き出す事は可能であったが、その多くは利用に耐えられないレベルであった。しかし最近では、MacawAdobe Reflowなどの自動コーディングツールが生成するクオリティが高まっており、手動にはかなわないものの、かなりのレベルのページ生成が可能になっている。

そもそも、今の時代ではコーディング、特にフロントエンドのコーディングに関して手間ひまを掛けて、じっくり作り込む必然性よりも、なにかしら手っ取り早く動くプロトタイプを生み出す、”リーン型”のページ生成が主流になりつつある。従って、コーディングの自動化が進む一方で、これまでの”職人的手作りサイト”の重要性は下がる一方である。

4. Webサイトの重要性の低下

意外と盲点なのがこれ。実はネットの普及が進めば進む程、実はビジネスにおけるサイト自体の重要性が下がって来ている。例えば外食をする際に、以前はレストランのサイトを見て行き先を決めていたが、最近ではYelp, 日本では、ぐるなびや食べログなどのポータルサイトで検索する。そうなるとレストラン自身がサイトを持つ必要性が無くなってしまう。

また、情報を集めたいときも、一般的な情報サイトよりもGoogle上に表示される情報, Wikipedia、そして最近ではSiriなどのアプリを利用すれば目的を達成する事が可能になる。むしろ統一したエクスペリエンスを提供してもらえるので、個々のサイトを利用するよりも、スムーズなプロセスになる。

これまでは情報の見せ方やレイアウトにかなりこだわりページをデザインしていたニュース/情報系サイトも,キュレーションアプリにコンテンツだけ提供する状況になり、Webページ自体の重要性が下がって来ている。

APIやクラウドプラットフォームの進化がどんどん進む中で、この流れはより一層加速するだろう。これまでパソコンの画面に表示されてたページの情報は、様々な事なるプラットフォームに出力され、ページのインターフェース自体はほとんどどうでも良くなってしまう。逆に考えると、モバイルウェアラブルなどの複数のデバイスに対しの状況提供において、最も最適な利用体験を与える事がデザイナーの仕事となるだろう。

僕たちは時代の変革期に立たされている

以前にも紹介した通り、サンフランシスコでは、Hot StudioAdaptive Pathなどのデジタルエージェンシーの相次ぐ買収が進んでいる。皮肉にも昨今のデザインやデザイナーの重要性が高まるにつれ、その特殊性が薄れる事で、フリーランサーとしての職業の終焉が近づいている可能性がある。

もしかしたら、近いうちに”Webデザイナー”という職業自体が消滅すれば、一つの役職が20年足らずで無くなる事になる。これは例えば、19世紀後半に発明されたタイプライターの出現により生み出された、タイピングを専門とする、”タイピスト”という職業が1910年頃から1980年頃までの間、70年ほど存在していた事から比べても、非常に短いライフスパンになってしまう可能性もある。

これからのデザイナーに必要とされる要素

時代の変革期とも言える最近は、これまでとは比べ物にならない程速いスピードで物事が変化し、それに伴ってプロダクト、ビジネス、企業、そして職業にも大きな変革が必要とされている。数年前までは高い需要を誇っていた仕事が急激にコモディティ化する事も珍しくは無い。

特にデザイナーに必要とされる技術はその時々に利用される媒体やデバイス、そして解決すべき問題によって変化する。そのため、デザイナーとして必要とされる能力としては、デザインの基本技術に加え、常に最先端の需要に対して最適な問題解決の提供であり、そこに必要とされる技術や考え方に対して臨機応変に対応していく必要があるだろう。

参考記事: デザイナーという人達の仕事

クリエイティブは全ての職業に必要な能力

そして実は、今後はデザイナーに限らず、どのような職業でも常に新しい技術と知識を身につける事で、いかなるときにも急激な変化に対応出来なければならない。特に今後はクリエイティブな考え方と、マーケティング的視点はどのような役職でも絶対に重要になる。それを踏まえ、優れたユーザーエクスペリエンスやブランドコミニュケーションを設計するのが、次世代のデザイナー、そしてビジネスに関わる全ての人々に求められる能力になるだろう。

変化には大きな痛みが伴うが、僕には必要な事だった。(it was an awful medicine to swallow, but i guess the patient needed.) – Steve Jobs

筆者: Brandon K. Hill / CEO, btrax, Inc.

photo by Jeremy Levine

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