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米国有名スタートアップ8社がユーザー獲得の為に行ったグロースハック施策例
毎朝の通勤電車、サンフランシスコでも多くの人がスマートフォンやタブレットを片手に通勤時間を有効的に使っています。Facebookで週末の写真をアップしたり、YouTubeで人気の動画を見たり、Dropboxで商談資料を整理したり。今これらのサービスは私たちの毎日の生活には欠かせない世界中で当たり前のものになっています。
これらのサービスを作り出した企業は、どこも当初は小さなスタートアップ企業でした。しかしその後、他の企業とは違うターニングポイントを大きなきっかけとして、現在のユーザー数獲得とサービス拡大を成し遂げています。上記の様な現在人気のサービスは、いったいどのようなきっかけで多くのユーザーを拡大していったのでしょうか。
今回は、躍進を果たしたサービスが、どのような方法でユーザー数の増加を達成 (グロースハック)したのか、8つの米国の有名スタートアップ企業の戦略事例を紹介したいと思います。
有名スタートアップのグロースハック戦略
1. YouTube
ユーザー増加施策:外部サイトへの張り付け機能
YouTubeは、彼らのターゲットを獲得する為に、当初MySpaceで 動画サービスを展開する事にフォーカスするという選択をしました。2005年、MySpaceは2500万人近くのユーザーを確保し、当時最大のSNSで した。また、ユーザーの多くは音楽バンドメンバーやそのファンで占めていました。
音楽やミュージックビデオをSNS上で共有したいとのファンの要望があっ たのにも関わらず、MySpaceは動画をシェアする技術を持っていなかった為、YouTubeはそこにビジネスチャンスの可能性を見出だしたのです。
当時、YouTubeの競合にあたる他の動画サイトは、ブログ等の他サイトとの動画掲載の連携を避けていました。なぜなら自社のサイト内だけでユーザーを増 やし、維持をしたかったからです。その一方でYouTubeはユーザーのニーズに応える事とブランド認識拡大の為にコストをかける事を決め、他サイトとの 連携を積極的に行ったのです。この当初の決断が現在10億人を超えるユーザー獲得という今の成功につながっているのです。
2. Dropbox
ユーザー増加施策:紹介・口コミ戦略
Dropbox は当初、プロモーション手法のリサーチを進める中で、新規ユーザーを獲得する為には莫大なコストが必要であり、かつ利益に繋がるのには多くの時間がかかる という事に気づきました。ですので、今までにない他の手法を考え、ユーザーがオンラインストレージサービスを簡単に使用できるUI/UXを用いたプラット フォームと、サインアップをする前に利用できる500MBのストレージを用意したのです。
そしてサインアップ後に無料で利用できる1GBのストレージサービスは有料広告展開と比べても費用的に安いだけでなく、信頼のある紹介・口コミ効果(広告効果)を生んだのです。そして15ヶ月間で10万人のユーザーを400万人にも拡大をさせるという偉業を遂げたのです。
3. Facebook
ユーザー増加施策:クローズドなネットワーク
Facebook の成長は単にひとつの戦略から成し遂げられた訳ではありません。しかし、この最初のグロースハック戦略は彼らの躍進の起爆剤となったことは事実です。その 戦略とは、閉鎖的・排他的・会員制のネットワークというコンセプトです。誰でも無料で利用できる他社のSNSサービスと異なり、クローズドな Facebookはまず最初はアメリカのハーバード大学から、その後一部の大学へ、全米の大学へ、そして世界へとシェアを確実に拡大していったのです。
ときにクローズド(会員制)のネットワークは高級感や特別感を作り出し、ソーシャルでありたいという大学生の欲求を当時見事に捉えたのです。
4. Twitter
ユーザー増加施策:リコメンド機能
時に優れたグロースハック手法は振り返ってみると実にシンプルです。しかし、残念ながら多くの企業はそのチャンスを見逃してしまっているとも言えます。 Twitterは立ち上げ当初、リテンション(ユーザーの維持)に課題がありました。新規ユーザーを獲得しても、彼らはわずかなサービス利用に留まり、ア クティブユーザーに繋がっていなかったのです。
そこで、Twitterはプロモーションへの投資以上に、継続的にTwitterを利用してくれるユーザーとそうでないユーザーとの違いを見つける事に注力をしました。そのリサーチ結果から、少なくとも5人から10人のフォローをしているユー ザーが最もサービス利用率が高いことが分かり、Twitterはユーザーがよりフォローをしたいと思う仕組み(UI/UX)を再構築したのです。この成果が現在のサービスのリテンション効果に繋がっているのです。
5. Airbnb
ユーザー増加施策:多面的な投稿機能
Airbnbの戦略も実にシンプルですが理にかなった素晴らしい方法です。ユーザーは物件情報をAirbnbのプラットフォームを通じて一度投稿をすると、Craigslistへも同時に掲載することができます。ローカルな物件や求人などの情報が集まるCraigslistへの同時投稿は、数多くのユーザーをAirbnbに集めるだけでなく、物件契約成立の確率を高めることにも繋がりました。
同時多面的な2つのプラットフォームへの掲載によってAirbnbはユーザーメリットと ユーザー数を拡大したのです。
6. Pinterest
ユーザー増加施策:招待制による会員化
先 に述べましたFacebookのグロースハック戦略と同様に、Pinterestは当初招待制の仕組みを敷いていました。新規ユーザーは招待待ちをしなけ ればならない事を事前に承知の上で、会員になる為のリクエストをしていたのです。そして運良くサインアップが出来きたユーザーにある種の優越感を与える事 に成功しました。
同時に、そのようなユーザーは高い確率で自身がアカウントをゲットした事をソーシャルメディア等を通じ、友人に自慢する事でよりいっそうPinterestの知名度アップに一役買いました。サイト利用の特別感を引き立てるこの手法は当時注目を集め、特にアーリーユーザーの早くサービスに加 入したいという欲求を刺激しました。
7. Instagram
ユーザー増加施策:複数プラットフォームとの連携
InstagramはFacebookやTwitter・Tumblr・Foursquare等とのプラットフォームに同時写真を投稿できる手法を起用し、ユーザーへの価値を高めてきました。このグロースハック戦略はユーザーのメリットであることは確かであるのと同時に、Instagramへの大きなメリットも含んでいます。例えば、特徴的で面白い写真・画像が同時に多くのプラットフォームに投稿されシェアが行われることで、Instagram自身のコストが全くかからないプロモーションに繋がるのです。
8. PayPal
ユーザー増加施策:eBayと協業を通したドミナント戦略
1998年創業、決済サービスを提供するPayPalはオンライン上での支払いシステムを現在の親会社にあたるeBay(米国ナスダック上場、ECやオークションサイトを手掛ける企業)に提供し、Paypalだけで決済ができるeBayのEC・オークションサイトが出来ました。eBayの出品者はPayPalのシステムを活用することで、ユーザーの支払いの煩雑さやセキュリティの問題を軽減し、販売チャンスの拡大に繋げたのです。つまり、出品者と消費者共にメリットのある支払い方法を専属で提供したことで、PayPalの成長につなげたのです。
まとめ
今回取り上げた企業は既に大きな成功を遂げていて、彼らのグロースハック戦略は一見、真似をする、参考にする事が難しいマジックのように感じるかもしれません。ただしかし、大きな成功のカギは小さな戦略の選択の積み重ねと、絶え間ないトライ&エラーの繰り返しにあるのです。
どの有名スタートアップの事例を見ても、どんな企業でもできる戦略を取っていた事が分かります。ただその小さな違いやひねりが時価総額1億円と1,000億円の違いに繋がっているのです。またこれらのグロースハック戦略は永久的なものでは決してなく、日々新しいアイデア・戦略の考案が必要であることもぜひ忘れないで下さい。
photo by SalFalko
参考:9 iconic growth hacks tech companies used to boost their user bases
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