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    Brandon K. Hill

    CEO of btrax, Inc

    CEO of btrax, Inc - Design Mentor to Startup Weekend - Contributor to TechCrunch Japan - Guest Speaker at UC Berkeley Asia Business Conference - Guest Speaker at Social Media Week Tokyo - Guest Speaker at 500Startups Japan Day

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  • Oct 16, 2013

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私がGoogle社を辞めた理由 – 自分らしい人生を歩む為に

以前に”日本のネット企業が束になってもGoogle先生にまったく歯が立たない件について“という記事が話題になったが、そんな世界一のインターネット企業 – Googleは現在アメリカで最も働きたい会社の一つでもある。入社すれば、高い給与水準、自由なワークスタイル、毎日提供される無料の食事、ビーチバレーやヨガなどの各種社内アクティビティなど、従業員にとっては夢のような日々が約束される。同時に、入社倍率も非常に高く、日々世界中から優秀な人材がGoogle社員になるべく、必死の就職活動を行っている。

これから紹介するのは、Google社員として何不自由無い日々を送りながらも、より自分らしい人生を歩む為にあえて同社を辞職したとある女性の体験談。周りの人々が大いに疑問を抱いた彼女の決断。本人しか知り得ないその本当の理由とは?

エリーがGoogleを辞めた

今からさかのぼる事約半年前、私はそれまでと異なる人生を歩む為に何一つ不満の無かったGoogle社での仕事を辞める事を決意しました。はっきりとした理由はありません。なぜか漠然と “このままではいけない” と思っていたのです。でも、具体的なアクションを起こせないままGoogle社員としての日々を過ごすうちに、何か本当の自分を失い始めている気がしてきました。そう、このまま働き続ければ、なに不自由のない生活を送り、結婚をし、子供をもうけ、マイホームも手に入れることが出来たかもしれません。でも、ふとした瞬間にそれは自分が本当の求める人生なのか。どうしてもそうは思えなかったのです。そう気づいた時には、数年感働いた職場を後にする事を決めていました。

誰もが羨むGoogleを辞めるのがどのような感じなのか、多くの人に聞かれました。しいて言うなら、まるで大学時代のボーイフレンドと別れた時の感覚に近いと思います。彼は頭が良くて、尊敬出来て、見た目もバツグン。誰からも愛される人でした。私も愛していました。でも何かが違ったのです。彼と別れるのは簡単ではありませんでした。愛する人に別れを切り出すのはとても胸がいたみましたし、時間もかかりました。でも今から考えるとそれは私の人生にとっての大きなターニングポイントとなったのです。私に新たな可能性をもたらしてくれたのですから。

同様にGoogleを辞める決断をするまでには時間がかかりました。はじめのうちは、それまでの給料、素晴らしい上司、そして本当の家族の様に接してくれた同僚との日々を失う事は想像すら出来ませんでした。でも、時間を掛けてゆっくり考えていくうちに分かったのです。自分が今の仕事を辞めたく無いと思う一番の理由は、周りの”目”であるという事を。恥ずかしながら、Google社員であるという事をいつの間にかステータスに感じ始めていたのです。

恐らく皆さんも感じた事があると思います。小学校の頃テストの点数が良くてクラスで表彰されるとか、運動会で一番を取るとか、ダンスコンテストに入賞するとか。他の人々が羨むことを達成する事で、認められる。そしてそれを一つのステータスとして感じる。Googleに入社したときの私もまさにそうでした。でもふと気づいたのです。この会社で働いている一番の理由は、周りからうらやましがられてるからだって。

そして社員時代に最後の昇進を受けた時についに気づいたのです。何かが違うと。大学を卒業してから新卒で入社した1年目は何もかもに対して必死でした。研修を受け、仕事を覚え、同僚とチームを組み、クライアントと会う。結果を出すのが精一杯の日々は大変ながらも非常に充実していました。Googleを本当に愛していましたし、同僚も大好きでした。でもその頃は自分の人生に対して真摯に向き合う時間は得られませんでした。そして仕事にも慣れ、会社に十分に貢献出来る様になった時、ふと思いました。この仕事は自分の人生にとって最も重要な事なのかと。Googleは世界で最も素晴らしい会社はずなのに、なぜかそうは思えない。もしそうだったとしたら、会社が提供してくれている10万ドル以上の年俸、無料の食事、無料のマッサージ等を平気な顔をして受けるのは間違っていると。でも、そんな事は誰にも言えませんでした。

自分の人生に対して大きな決断を下すのは自分しかいません。もし天の声が “エリー、この仕事は素晴らしいけど、そろそろ潮時ですよ。” と言ってくれたらどれほど楽だったでしょうか? でも現実は違うのです。私は自分自身に常に”そんな事を思っちゃダメ。皆が羨む仕事よ。文句なんか言ってないで、仕事に集中しなさい。” と言い聞かせていました。そして、気持ちを紛らわせる為に仕事に没頭しました。東京に3ヶ月出張に行ったときも、現地のチームと一緒にダイナミックな環境でSquare社の素晴らしいプロジェクトに参加する事が出来ました。Googleのおかげで私は成長する事が出来ました。でも心は確実に離れていったのです。

でも、すぐに辞める事は出来ませんでした。原因は自分です。両親ではありません。私の両親は、それがどんな内容であれ私の決断に対しては賛成してくれていました。私自身が自分に目に見えないプレッシャーを与えていたのです。失敗したらどうする?周りからどう見られてるだろう?など今から考えると、くだらないプライドにがんじがらめになっていたのです。

そして自分の今後についてじっくりと考える為に、2012年の始めに4週間のバケーションを取る事にしました。仕事から離れて、ゆっくりと時間を過ごす事で何かしらのヒントが得られると思ったからです。長期休暇を取ったのにヨーロッパに行くわけでもなく、サンフランシスコの自宅で過ごす事を知った同僚は皆びっくりしていました。でもそれでよかったのです。朝起きて、メールもチェックせずに、バレエのクラスに行き、スーパーで買い物をした後、Google社員には珍く料理もしました。そしてパンを焼き、本を読み、ジョギングをし、ギターも弾きました。そんな普通の日常を送る事で、今後の自分が見えてくるかと思ったのです。でも、これといったヒントは得られませんでした。こんな事ならヨーロッパに行っていればよかった…。

そしてバケーション最後の日、LAから来た友達グループと一緒に山奥にキャンプに行きました。彼らのほとんどはアーティストで、巨大なIT系企業で働いている自分は少し違和感を感じていました。真夜中すぎにキャンプファイヤーを囲み、くつろいでいた時にグループの1人が私の仕事について聞いてきたのです。かなりの年数をGoogleで働いている事を知った彼は、”じゃあ、君はその仕事が大好きなんだね。何がそんなに好きなの?どんな仕事内容なの?”など無邪気に質問してきました。私は”仕事仲間に恵まれてるから”など、当たり障りの無い答えを返した気がします。恐らく彼にとってみればたわいもない会話の一つだったのかもしれません。でもその時はっきりと気づいたのです。これは本当の自分の気持ちではない、と言う事を。彼らとは違い、仕事に魂を捧げる事が出来ていない自分が耐えられませんでした。

その会話の直後、私はキャンプファイヤーを離れ、しばらく夜空に輝く星を見つめていました。月が今までに無いぐらいに大きく見え、遠くからかすかに聞こえる音楽以外、自分を囲むものが全く何もない状態に本当の意味での自由を感じる事が出来たのです。その瞬間、自分の人生は自分で決めるべきだと気づいたのです。何をするにも自分次第。他の人にどう思われるかなんて気にする事は止めようと思いました。料理をしたければすれば良い。文章を書きたければ書けばよい。会社を始める事だって自由。何もしないのもアリ。大きく失敗する自由だってある。ふと誰かが私の肩を叩くまで、恐らくそれはほんの数分だったと思います。でも、永遠に感じられました。全く何も無い場所で、”無”と”静” の状態に自分を置く事で、本来の自分が見えてきたのです。そして今まで避けて通ってきた本来の自分を知る事が出来ました。

翌日職場に戻るとすぐに辞職願いを出しました。職場の皆は私が会社を辞める理由 (やりたいことを自由にやってみたい) に驚いていた様子です。でも応援はしてくれました。ちなみに、皮肉な事に職場復帰したその日に私の机の上には、”5年以内に自分の会社を始めそうな社員No.1″ の表彰状が置かれていたんです。

そして数ヶ月の日々が過ぎ、今でも頻繁に家族や友人、元同僚などから近況を聞かれます。自分らしい素敵な毎日を送っています,,,, なんて答えられれば良いけど、現実的には正直不安もあります。貯金も減っていくし、今後どうなるか分からないし。何も手に付かない日だってある。でも、それ以上に重要な事は、人生で初めて自分らしくいられているという実感。常に何かを成し遂げて他人に認められる日々が続いていた以前と比べると大きな違いです。今はゆっくり自分自身の正直な声に耳を傾ける事が可能になりました。

大人になり真の自分になるには勇気がいる。- e e カミングス

そして私は現在LA近郊のベニスビーチに住んでいます。時間に追われて好きな事がなかなか出来なかった今までの生活とはうって変わり、物価の安い地域で毎日ゆっくりと少しています。サンフランシスコでは毎日刺激が一杯で、夢の世界にいる感じだったけど、それは自分が求めるライフスタイルでは無かったの。こっちにきてからは、前からやりたかったパンを焼いたり、サンタモニカのビーチ沿いを歩いたり。シリコンバレーにいる同僚達に会えないのは少し淋しいけど、誰の目を気にする事も無く、初めて自分らしい生活をしている感じがします。

これを読んでいる皆さんの多くも、以前の私と同じく毎日仕事と時間に追われる日々過ごしているかと思います。でも、もし可能だったら私がキャンプに行った時の様に少し時間を掛けてじっくりと自分自身の声に耳を傾けてみて下さい。そして自分が人生で本当にやりたい事をみつけてみて下さい。周りからの評価は気にせずに。

自分が本当に求める人生を送るには自分自身がアクションを起こすしか無いのです。自分で考え後悔の無い決断を下す。それは、同僚も友達も、両親でさえも出来る事ではありません。全ては自分次第なのです。

筆者: Brandon K. Hill / CEO, btrax, Inc.

photo by Denis Cappellin

元記事

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btraxはサンフランシスコと東京に拠点に置くデザイン会社です。イノベーションデザインサービスを通して新たなユーザー体験を生み出すことで新たな事業の創出に貢献いたします。これまでに国内外合わせて300社以上の実績があり、自動車、メーカー、小売、食品、テクノロジーなど幅広い分野においてサービスを提供しています。

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