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アメリカで最もデザイナー率が高い都市ランキング
ここ数年で様々な産業に対するデザインの重要性が叫ばれる中、アメリカ国内のそれぞれの主要都市におけるデザインの盛んさを示す、”デザイン指数”が発表された。この結果はlabor market data and research firm EMSIのデータを元に、CityLabが発表したもの。
この統計結果では、ファッション、建築、空間、インテリア、工業、グラフィック、ウェブ、ディスプレイ等の異なるデザインフィールドにおける従業員及びフリーランスデザイナーの数を総合的に収集し、それを元に地域別のデータを集計。
恐らく多くの方々は、“デザインの盛んな都市”と聞いて、真っ先にニューヨークやロスアンゼルスをイメージするかも知れないが、実はこの2つの都市は2位と3位にランキング。1位はテクノロジーとデザインが融合し大きなビジネスを生み出している”あの”都市となった。
米国におけるデザイナーに関する主な統計:
- 全米の職業デザイナー数は2013年の時点で、おおよそ62.5万人。この数字は2009年から比べると約1.5万人減少している
- 全職業デザイナー人口のうち、約70%が企業に勤め、約30%がフリーランス。2009年から比べると、それぞれ6%と1%の減少
- 企業に勤めるデザイナーの平均時給は$24.55で、他の職業の平均を大きく上回る。その一方で、フリーランスデザイナーの時給は$18.79で若干低い。
- 各種デザイナーのうち、グラフィックデザイナー人口が一番多く、2013年の統計で、従業員が約20万人、フリーランスが約7.5万人
- 2番目に多いのが建築デザイナーで、約8.5万人が会社に勤め、約2.3万人がフリーランス
- インテリアデザイナーの数は約4万人で、従業員、フリーランスの率は50%/50%
- 空間デザイナーの数は約2.1万人で、おおよそ1/4がフリーランス
全米地域別: 全デザイナー率
今回の統計では、全米で合計51の都市エリアを調査し、人口に対するデザイナー率を算出。全国平均の指数を1とし、デザイナー率が多ければ1より数字が大きくなり、少なければ小さくなる。例えば単純にデザイナー率が全国平均の倍の場合は、デザイナー率指数が2となる。
1位: サンフランシスコ
2位: ニューヨーク
3位: ロスアンゼルス
メディアやファンション関連のデザイナーが多いニューヨークと、エンタメ産業が盛んなロスアンゼルスを抑え、全米で最も人口に対するデザイナーの率が高いのは、サンフランシスコ。
最近はデザインを重要視するプロダクトを提供するテクノロジー系スタートアップ企業の隆盛もあり、全米ランキングで見てもサンフランシスコは”デザインの街”となっている。
また、以外にも中等部のミネアポリスも、グラフィックデザイナーを中心にデザイナー人口が高い。ちなみに、上記の都心部では2009年から2013年間でのデザイナー率は少なからずアップしている。
全米地域別: フリーランスデザイナー率
統計をフリーランスデザイナー率にフォーカスしてみてもランキングは変わらず、サンフランシスコにおけるフリーランスデザイナー指数は2となり、市内の他の職業の倍のデザイナー率を誇る。
1位: サンフランシスコ
2位: ニューヨーク
3位: ロスアンゼルス
全米地域別: グラフィックデザイナー率
指数統計をグラフィックデザイナーのみに限定してみると、ミネアポリスが一番デザイナー率が高い事が分かった。これは、主要なマーケティングや広告エージェンシーが同都市に本社を置いていることが理由と考えられる。
故に、ミネアポリスは従業員としてのグラフィックデザイナー率が高い。
1位: ミネアポリス
2位: サンフランシスコ
3位: ニューヨーク
全米地域別: 建築デザイナー率
高い教育が必要とされる建築関連のデザイナーになると、シアトルがトップにランクイン。なお、建築会社に勤めるデザイナーの平均時給は$35.30で、これがフリーランサーになると、$22.90まで下がる。
1位: シアトル
2位: サンフランシスコ
3位: デンバー
全米地域別: 商業・工業デザイナー率
統計を商業および工業デザインに限定すると、驚くべき事に他のデザイナー指数とは全く異なる結果となった。
アメリカでは、車やおもちゃ等の物理的商品の製造業は極端にデトロイトを代表とされる中東部の都市に集中しており、多くの商業・工業デザイナー人口も同じ地域に集まっている。
そして、驚くべき事に2009年から2013年の間だけでもデトロイトのデザイナー数は29%もアップしている。他の統計で上位にランクインしたサンフランシスコやロスアンゼルスはそれぞれ、9位と7位にとどまっている。
1位: デトロイト
2位: シンシナティ
3位: プロビデンス
全米地域別: ファッションデザイナー率
ファッション・アパレル関係のデザイナー率は、やはりニューヨークとロスアンゼルスが高い。特にニューヨークの指数は6.8と同都市におけるファッションデザイナー率の高さを理解する事が出来る。
3位にランクインしたオハイオ州コロンバス市には、ビクトリアシークレットやアバクロ等のファッションブランドの本社が存在する。
1位: ニューヨーク
2位: ロスアンゼルス
3位: コロンバス
まとめ
広い国土を有するアメリカではデザイナー人口が都心部に極端に集まっている。その中でも、それぞれの業界タイプごとでのデザイナー率は大きく異なる。
それに伴い、例えば元々シリコンバレーにあった会社がサンフランシスコにオフィスを移す事が多い事からも分かる通り、企業が必要とするデザイナーの種類に合わせてオフィスの場所を設定しているケースも少なくはない。
以前に紹介したファッション系スタートアップのBonobosも、立ち上げ後しばらくしてから本拠地をサンフランシスコからニューヨークに移している。
筆者: Brandon K. Hill / CEO, btrax, Inc.
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