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ロックバンドとスタートアップ 15の共通点と成功法則
先日のTokyoOtakuModeのあたかはじめさんによるこちらのポスト「芸人の世界とスタートアップ、15の共通点と成功法則」にインスパイアされて、一つ書かせて頂きます。
前々から感じていたのですがサンフランシスコ界隈のスタートアップの動向を見ていると、の成り立ちや役割,成功失敗の経緯等がロックバンドの世界と酷似している事に気づきました。 元々ロックスターに憧れて、なり損なった自分自身の偏見もあるかもしれませんが、簡単にまとめるとこんな感じです。
1. ガレージでスタート
英語で「ガレージバンド」という表現がある様に、アマチュアロックバンドはスタジオを借りるコストを惜しみ、ガレージで練習を行う事が通例となっています。同じように、AppleやHPのように多くのスタートアップが自宅のガレージをオフィスに改造しスタートする。
2. リリースが大切
どちらも一番重要な時期はリリースです。曲もプロダクトもリリースのタイミングにフォーカスをして制作を行います。リリース後は市場の反応やその結果を見て、次のリリースの準備を行います。
3. パートの担当ごとに役割分担
ギター、ボーカル、ドラム、ベースの用にスタートアップでも役割分担が重要になります。ビジネスマンとエンジニアのB’zのようなデュオも良いが、やはり理想的なのは、CEO, CTO, CFO, CMO等を集めたバランスの良いハーモニーのあるチーム。余裕があればキーボード的存在のCreative Directorの追加をオススメします。
4. リーダーがとても重要
チームの中ではファウンダーにあたるリーダーの存在がとても大切です。会社やバンドの方向性を決めて、メンバーをまとめ突き進む。困難に直面した時には気合いで乗り切る。組織作りの基本は信頼して、任せて、そこんとこヨロシク。
5. 日々ステージでピッチ
サンフランシスコはスタートアップ系のイベントがとても多く、ほぼ毎晩どこかで複数のスタートアップピッチが行われています。それはまるでロックバンドがバーやクラブでの対バンライブさながら。
そしてその場数が多ければ多い程プレゼンが上手くなり、オーディエンスからのフィードバックを元にプロダクトが改善される。もちろんピッチを行っているチームの数が多ければ多い程、切磋琢磨されその中から世界に出てくるサービスが生まれます。
6. 型破りな考え方が必要
スタートアップに必要なのは、既存の概念を覆す、型破りな考え方。それはとてもロック的。今までの考え方や仕組みに一石を投じ、破壊から生みだされる創造が両方の共通点。
7. 腕前一つで成り上がれる
技術やアイディアがあれば、学歴なんて無くたって、裸一貫から成り上がる事が出来る。スタートアップの起業家における大きな醍醐味の一つです。それはまるでハイスクールを中退した不良少年がロックスターになるプロセスに近い。
8. ジャムセッション/コラボが活発
ロックの基本はジャムセッション。見知らぬミュージシャンが出会いその晩かぎりの即興演奏をしたり、意気投合してバンドを形成したり。
同じくスタートアップもイベントやCoworking等でアイディアや技術を出し合ったコラボプロジェクトが頻繁に行われます。キーワードはオープンであることと、ジャンルを超えた自由な発想。
9. 服装はTシャツとジーンズが基本
スタートアップの正装はTシャツとジーンズ。それも自社のロゴが入ったものであればよりベター。そして、その会社のファンが増えるとロゴ入りTシャツがノベルティとしての価値が生まれる。ロックバンドのロゴの入ったTシャツも人気アパレルのカテゴリーとして確立しています。
10. 数ある中で成功するのはほんの一握り
サンフランシスコやシリコンバレーは優れた起業家やスタートアップが沢山あるイメージかもしれませんが。実は鳴かず飛ばずの会社がその何十倍もあります。世の中に出て有名になって成功出来るのは全体のほんの一握りに過ぎず、多くの場合が日の目を見ずに消えてしまいます。
11. 一発屋多し
たとえ成功しても一時のブームで終わってしまう事も多い。今から考えると、そういえばなんなサービスあったな、と思う事も少なくありません。一時のみの大きな成功を収めたMySpaceしかり、鳴り物入りで話題になったColorしかり、スタートアップもロックバンドも、多くの場合が兵達が夢の後。
12. プロデューサー的存在
音楽の世界には敏腕プロデューサーが多くのヒット曲を手がけているように、成功しているスタートアップの裏には必ず優れたメンター役が存在する。最初は若者達の勢いだけで突っ走るが、継続的にヒットし続けるにはやはりメンター/プロデューサー的存在は欠かせません。
13. VCはレコード会社的存在
アマチュアロックバンドがレコード会社との契約を目標にしているように、多くのスタートアップにとって最初の目標は資金調達です。
しかし、メジャーデビュー/資金調達は一つのステップに過ぎず、そこからどれだけヒットを出せるかが勝負になります。
14. 契約内容が大切
たとえ大きなヒットを出したとしても、レコード会社や投資家との契約内容次第では本人達の取り分があり得ないぐらいに低いケースがあります。プロダクトを作る事ばかりに夢中にならずに、契約内容のご確認をオススメします。
15. やっぱり海外を目指したい
スタートアップもロックバンドも、夢は大きく、最終的には世界を舞台に活躍したい。国内の成功だけでは物足りない。やはり世界のXXXと呼ばれてこそ真の成功者です。
まとめ
成功したスタートアップをロックバンドに例えるとして、Googleがビートルズなら、Facebookはローリングストーンズ。ラリーペイジがジョンレノンなら、セルゲイ・ブリンはポール・マッカートニーで、さしずめマーク・ザッカーバーグはミックジャガーと言ったところでしょうか。
ちなみに某バンドの曲によると、サンフランシスコはロックで出来ているそうです。(We built the city on Rock n’ Roll). 恐らく今後もどんどん新しいスターが出てくるのが楽しみです。
筆者: Brandon K. Hill / CEO, btrax, Inc.
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