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クラウドファンディングでキャンペーンをバズらせる3つの方法
クラウドファンディングは名前の通り、群衆(crowd)から調達(funding)を行うものだ。海外クラウドファンディングで成功するために押さえるべき5つのポイントでポイントの1つに出資者をあらかじめ探しておくべきだと述べたが、資金のほとんどは自身のネットワーク以外から集めてこなければならない。キャンペーンページまで来て貰えれば魅力が伝わるというキャンペーンも多い中、如何にしてキャンペーンページ以外でPRするかが鍵となる。今回はキャンペーンページ以外でPRする方法を3つ紹介したい。
①メディア
メディアにキャンペーンを掲載してもらうことができれば訪問者が増え、出資者が増え、再度メディアに取り上げられるという好循環が生まれる。メディアに掲載してもらうためにはどうすればいいのだろうか。
キャンペーンではなく、ストーリーを語る
多くのジャーナリストは出展者のキャンペーンをPRしたいわけではなく、キャンペーンのストーリーを読者に伝えたい。そのため、キャンペーン出展に至った経緯や困難をどう乗り越えたかを語るといい。
最初は地元紙に取り上げてもらう
まずはローカル紙に取り上げてもらうことが大きなメディアの掲載に繋がる。もし日本からINDIEGOGOのような海外クラウドファンディングに出展するならば、最初からアメリカのメディアにいくのではなく、日本のメディアに取り上げて貰ってからの方が良い。
コンタクトをとるジャーナリストをあらかじめ決めておく
多くのジャーナリストに手当たり次第コンタクトを取るのは良い策ではない。キャンペーンの種類や魅せ方を考慮して適切なメディアを選択したほうが良い。コンタクトを取る方法の中の一つにTwitterでのダイレクトメッセージがあると、Holly Moore of USA Todayのジャーナリストがオススメしている。ANewsTipを使って関連のあるツイートをしているジャーナリストを探す手もある。
一定の調達額を達成するたびにコンタクトをとる
INDIEGOGOによれば、目標金額の25%、50%、100%を達成するたびにジャーナリストにコンタクトをとったほうがいいそうだ。靴下のクラウドファンディングを行ったBOMBASによれば、2万ドルを達成した時にジャーナリストにコンタクトを取ったが返事は返ってこなかったが10万ドルを達成したときにはコンタクトを取ることができたと言っている。
実際の例
Foot Flops
サンダルのクラウドファンディングをKICKSTARTERで行ったFoot Flopsは4万ドルの目標金額で出展した。キャンペーン開始直後に地元紙に取り上げられ、1週間で目標金額を達成した。その後、PR会社を使って大型メディアに売り込み、EsquireやThe New York Timesに取り上げれられた。その効果によって目標金額の4倍以上の18万ドルの調達に成功した。
②時期
キャンペーンを出展させる時期は非常に重要である。通常、クラウドファンディングのキャンペーン期間は最大で2ヶ月、さらに海外クラウドファンディングで成功するために押さえるべき5つのポイント 〜これからクラウドファンディングの時代が来るPart 5〜でも述べたように最初で勝負をかける必要もある。勝負所とキャンペーンの旬を合わせて出展することができれば、相乗効果を生み出すことだできる。
Coolest Cooler
クラウドファンディングの記事でお馴染みになっているKICKSTARTERで約1300万ドル集めたCoolest Coolerは、実は2度目の挑戦で調達に成功している。1度目の挑戦では目標金額である12万ドルを集めることができずにKICKSTARTERで失敗している。
出展者であるRyan Grepperは1度目の失敗の原因は、11月に出展したことだと述べている。当初クリスマス商戦を狙って11月に出展したが、Coolest Coolerを使用するのは夏であり、出資者は寒い冬に冷蔵庫を欲しいとは思わない。Ryan Grepperとしては年末にキャンペーンを達成し、夏に製品を出荷する予定だったのだろう。
しかし、出資者の反応が悪かった。そこで2度目の挑戦を翌年の6月に行うと大きな成功を収めることができた。製品自体は1度目と2度目では大きな変化はなかったので、Ryan Grepperは出展する時期は非常に重要だと力説している。
③イベント
クラウドファンディング関連のイベントやミートアップに参加することもキャンペーンをPRできる方法の一つだ。特に、プロダクト系のキャンペーンは動画では伝わりにくい魅力を伝えることができる。
INDIEGOGO HARDWARE EVENT
INDIEGOGOはサンフランシスコ本社で月に1回ピッチイベントを開催している。予約すれば誰でも登壇することができるので、このようなイベントに出るのも良い方法である。
テストマーケティングに使える
クラウドファンディングの魅力の一つに会社名を出さずに製品をPRできるという点がある。言い換えれば、失敗しても企業のブランドに泥を塗ることなく製品のテストマーケティングを行える。リスクを冒したくない大企業にとって、世に出せずに埋もれている製品をクラウドファンディングに出展し、どれくらいの出資をうけることができるのか探ることができる。
GEがINDIEGOGOでテストマーケティングしている例
以下で紹介している2つのキャンペーンはFirstBuildというGEが創ったスタートアップからINDIEGOGOに出展されている。FirstBuildはGEがユーザーとの共創を目指して設立しており、海外クラウドファンディング入門編 〜これからクラウドファンディングの時代が来る Part 1〜で5つ目の魅力として紹介した「ユーザーとの共創を通じたテストマーケティングが可能」に通ずる。
大企業であるGEが自社の名前を汚さずにクラウドファンディングを使って、ユーザーとの共創を試みた良い例である。さらにキャンペーンが2つとも大成功しているため、大企業のテストマーケティングとしてクラウドファンディングは今後どんどん利用されるだろう。
Opal Nugget Ice Maker
2億8千万円を集めた製氷機
調達額:2,771,569ドル(約2億8千万円)
達成率:1,700%
支援者数:6,453人
Paragon Induction Cooktop
料理がモニターできるハイテク調理器
調達額:358,763ドル(約4千万円)
達成率:599%
支援者数:2,141人