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  • Kazumasa Ikoma

    Kazumasa Ikoma

    Marketing Associate

    Through his experience of organizing events and conducting market researches, he touches on multiple topics from new technology trend including IoT, chatbot, AI to office design and culture development.

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  • Jan 24, 2018

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ブランド戦略 × オフィスデザイン ー 成功事例に見る企業ブランド構築手法

企業・組織の成長に欠かせないとされるブランディング。特にビジネスにおいては企業と顧客の接点を作る上で非常に重要になるものだが、そのブランディングをオフィスでも行う企業は増えている。なぜオフィスがブランディングの舞台となりうるのか。5つのアメリカ企業の例を紹介する。

関連記事:UNIQLOも導入!日本の働き方を変えるアメリカ西海岸のオフィスデザイン

なぜブランディングをオフィスで行うのか?

まず念頭に置いていただきたいのが、本記事で取り上げるブランドとは数あるブランドの中でも「企業ブランド」であること。企業ブランディングとは自社企業に対して顧客に持ってもらいたい感情やイメージを設計することであり、その結果生まれる「企業ブランド」が企業と顧客との感情的な接点となる。

特にオフィスは企業・顧客間の物理的な接点になる場所の1つであるのはもちろんだが、また社員と企業の重要な交流の場でもある。このように様々な接点を生むオフィスは企業のブランドやそのストーリーを伝えるのに最適な場所の1つなのである。

オフィスでブランドを表現する際、それは「ロゴや色だけで完結するもの」だと思いがちだ。しかしこれは大きな間違いで、企業の芯となるオフィスだからこそ、むしろ企業のカルチャーや社員の働き方を的確に表現する必要がある。ときには企業の経営戦略やビジネスにおける包括的なゴールを見据えながら、なりたいと思う将来の像を具現化することで、顧客や社員に魅力を与え続けるブランドを確立することが可能になる。

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↑Steelcaseによるレポート”Brand, culture and the workplace”より引用。やはりロゴを散りばめる等でブランドを表現している企業は70%と多くいるが、それで十分なブランディングができているとは言えない

オフィスにおいて企業のカルチャーとブランドは混同してしまいがちだが、カルチャーが社員のアイデンティティだとするならば、ブランドは企業のアイデンティティだと捉えられる。オフィスはこの両方をバランスよく表現するべきで、ブランドを通して企業がなりたいと思う理想と近しいカルチャーを構築できる人材を獲得し、そこでできたカルチャーでブランドをさらに強化していくという相互間の関係性が大切になる。

それではそのブランドを上手にオフィスに落とし込んでいる企業5つを紹介しよう。

ブランドを巧みに表現したオフィスを持つ企業5選

1. Airbnb: 暮らすように旅しよう

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話題の「民泊」サービスで世界を牽引するスタートアップ、Airbnb。サンフランシスコでも特に名の知れた企業であるが、その本社オフィスは彼らが提供するサービスとそれを実現する企業のビジョンを明確に表現している。

倉庫跡を利用した広々としたスペースのオフィス建物には大小いくつものミーティングスペースが用意されているが、その中で1つとして同じデザインのものはない。それぞれのミーティングルームは実際にAirbnbで掲載されているスペースを再現しているのである。

フロアやエリアごとに「ブエノスアイレス」「京都」「アムステルダム」といった世界の都市をテーマに掲げ、色のパターン、材質等でローカルの雰囲気を表現。社員はオフィスにいながら世界中に登録されている物件を味わうことができる。

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このようにAirbnbの本社オフィスは彼らが提供するグローバルスケールなサービスをデザインで表現している一方で、それを利用する社員の「ローカルとしての意見」にも気を配った。同社は今回デザインを決定する前段階で、社員に”Employee Design Exeperience”と呼ばれるプログラムを提供。世界にある実際のスペースを再現しながら、同時に本社にいる社員にデザインの最終的なタッチを手伝ってもらい、彼らのアイデンティティを落とし込んでいった。

「暮らすように旅しよう」という同社のステートメントにあるように、「現地の住民のような生活で得られるリアルな体験」と「ユーザーが持つ独特な視点」の調和で限りない体験価値を提供していくという彼らの姿勢が、オフィス全体で強く伝えたいメッセージとなっている。

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今回画像を用意することはできなかったが、社内には人を撮った写真がいくつも飾られており、その被写体は実際にスペースを貸し出しているユーザーだ。Airbnbは彼らあってのサービスであるため、「そのユーザーのためにサービス開発を行っていく」という思いを常に持ち続けるようにしているという。

誰のためにより良いサービスを求めていくのか、社員全員が常にその意識を持って仕事に取り組めるよう、オフィス環境からその風土を整えている。ユーザーとの接点を常に意識する姿勢を表現しているAirbnbオフィス。この場所は訪れる人すべてに、彼らがいかによりよいサービスを追求しているのかを強く伝えている。

2. Ancestry: 科学とテクノロジーで自己発見を

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Ancestryは戸籍制度のないアメリカにおいて、ユーザーに自分の先祖やルーツを調べることができるサービスを提供している。入国記録や移民記録、婚姻記録に兵役記録に至るまで様々なデータを活用し、家系を辿っていく。そうすることで「人のつながり」を見ていくことを可能にしている。

だからこそAncestryがこのオフィスを作る上で重視したのが、彼らが持つテクノロジーを通じていかに人間味を表現できるか、というところだった。その背景から、オフィスの壁には自社サービスを通じて社員自身が見つけた、まだ見ぬはるか遠い親戚の写真と社員自身の写真が2つ並んで掲示されている。

こうして写真を2枚並べることで、扱うものはテクノロジーだが、それを使って提供したいことは「人のつながり」を見つけ出しユーザーの感情に訴えかけるもの、という企業の想いが強く伝わるようになっている。

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またオフィス建物の入り口には複数の色、層で作られたグラフィック作品が展示してあり、異なる色が様々な人々のそれぞれの先祖を表現。色を重複して使うことで、世界の歴史は私たちが気づかぬところでも強いつながりを持って構築させていったものであることを表し、企業としてこのように大きなビジョンを持ってサービスを提供してきたことを伝えている。

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オフィスの機能面でも「人間のつながり」を意識しているため、休憩用の部屋やファミリールームといった場所は人が集まる場所としてオフィスの中心に存在し、そこで生まれる社員の交流をAncestryは何よりも大切にしている。

このように企業が人間のつながりというものに対しどのような視点で取り組んでいるのかが見えてくると、彼らが提供する価値の重みも自然と感じられるようになる。

3. Instacart: ユーザーの日々の生活改善を行う、人々にとって身近な企業に

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買い物代行プラットフォームのInstacartはサンフランシスコで急成長を遂げてきたスタートアップの1つ。スーパーやドラッグストアなど複数の小売店と提携し、ユーザーが買いたいものをオンラインで指定すると、ショッパーと呼ばれる個人がユーザーの代わりにそれらを買って即日配達するサービスを実現している。そのオフィスデザインは先日インタビューを行ったSeth Hanley氏によるものだ。

関連記事:
オフィスデザインの軸となる“企業文化への理解”とは

Instacartの本社は居心地の良いアットホームなデザインが特徴的。これは起業時のスタートが決して派手なものではなかったことと、「人々の生活を改善したい」という想いのもと顧客に寄り添うことを重点に置いた企業ミッションを反映している。

オフィスにあるカフェは同社創業者が起業当時に住んでいたアパート近くのお気に入りのお店から影響を受け、その小売店での体験をオフィス訪問者に与えたいという意志が表現されている。特に6階にあるカフェは受付の隣にあり、オフィスに訪れたその瞬間から創業者が一番伝えたいと考える温かいイメージを来る人すべてに与えるような設計が施されている。

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また、食料品配送ボックスで作られたオーダーメイドのスタンディングデスクや、野菜が一面に広がる壁で買い物の体験シーンを表現。企業が常にユーザーの一般的な生活と隣り合わせでサービスを提供していることを表している。実際に社内ではショッパー向けに食料品のレプリカを並べ、良い野菜や果物の見分け方をレクチャーする空間も用意されている。

ユーザーに寄り添うブランドをもつ企業にこそ参考にしてほしいオフィスだ。

4. adidas: スポーツを通じて人々の生活を変えていく

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誰もが知るスポーツブランドのadidasだが、ロシア・モスクワにあるこのオフィスは特徴的だ。全6階の建物のうちの3フロアはオフィス、2フロアはフィットネスセンターで、残る1フロアはプロトレーナーが最新トレーニングプログラムを提供する「adidas Academy」用の施設となっている。このように異なる機能と目的を同時にもつ複雑な作りになっており、だからこそここを訪れる人には分かりやすく、伝わりやすいメッセージが必要だった。

このオフィスでadidasは企業としてアクティブなライフスタイルに注目する姿勢とスポーツそのものへの愛情を表現。すべての階でキックボードでの移動を可能にするため専用のトラックと保管場所を用意している。

また天井の照明部分にはサッカーボールを彷彿とさせるデザインを施し、オフィスにあるほとんどの仕切りは透明で広がりを見せることでスポーツ競技場のような広々とした空間を演出。白一面の壁にはアスリートの写真とモチベーションを上げる言葉が書かれている。

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建物中央にある受付ホールは本物のスポーツスタジアムの見た目に近づけている。例えば、大きなメディアスクリーンにテキストが流れる電子掲示板やビデオ映像を流すスクリーンに2つの大きな照明塔がそうだ。受付デスクはこのホールの奥にあり、一般的なオフィスのように一目でわかる場所には置かれていない。

圧倒的な世界観を表現したadidasのモスクワオフィスは、人々がもつ同社へのイメージを一層強化するような仕組みが施されている。スポーツで人々の生活を変え、アスリートの不可能を可能にするという企業理念の実現は環境づくりから徹底して行われている。

5. Zynga: 皆がプレーできるゲームを通じて人をつなぎ、多くの人に愛される企業に

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ソーシャルゲームの最大手企業として有名なZyngaは、これまで農場管理を他のユーザーと一緒に行うFarmVilleやFacebook上で他のプレーヤーとポーカーが遊べるZynga Pokerといった、誰でも簡単に遊べて人と交流できるゲームの開発を行ってきたスタートアップ。そのゲームを通じて人をつなげることを企業理念に掲げている。創業者のMark Pincus氏はこれを元に創業間もない頃からブランディング戦略を重視していた。

彼が抱くブランドイメージを最も明確に体現したのが、企業名やそのロゴの由来ともなった彼の愛犬、Zingaである。遊ぶのが大好きでありながら忠誠心は強く、皆に愛され、何かをするときには常に中心的存在になりたがった性格が、企業が提供するゲームだけでなく、社員の行動規範としても大事な見本となった。オフィスには今も社員のペットが多く集まり、その光景は「誰にでも愛されながら人の交流を手助けする」環境づくりの大事な要素と一つとなっている。

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また彼はビジネス分野がソーシャルゲームということもあって社員の社交性を重要視しており、今では無料カフェテリアを置くところが多いスタートアップ業界内でも、特に早いうちから従業員に無料の食事プランの提供を始めた。現在でも昼だけでなく、朝食や夕食まで提供しているところはZynga以外になかなか見られない。また創業時のジムのメンバーシップ制度から始まり、後に社内でフィットネス設備を自前で設置するなど、社員には積極的に手厚いサポートを行ってきた。

「世界をゲームでつなげる」というミッションステートメントを掲げる以上は、まずは社員がつながっていなければいけない。ゲームの世界を表現したオフィスで社員が固まって活気あるミーティングを行う姿はユーザーにも他の社員にもポジティブな印象を与える。

ゲーム業界により多くの人を巻き込んで盛り上げていくZyngaの姿勢の裏には、こういった社内の環境作りがある。「人をつなげる」という理念をどこでも実現させていこうするその努力はブランドに説得力を持たせるのだ。

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本記事で掲載した写真はOffice snapshot、Office lovinよりダウンロード

*本記事はフロンティアコンサルティング様のブログ、Worker’s Resortより転載いたしました。

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