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    Yu Namie

    Yu is passionate about how innovative ideas impact on the global society. Graduated from MA international studies at the University of San Francisco.

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  • Sep 12, 2017

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西海岸のデザイナーたちから学んだユーザー中心設計の意味【btrax voice #7 Kazumasa Ikoma】

btrax社員の生の声をお届けする「btrax voice」シリーズ。

今回インタビューしたのは、btraxのサンフランシスコオフィスにてオフィスマネジメントとコワーキングスペースであるD.Hausの運営を行ってきたKazuさんです。現在はクライアントのマーケティング支援の仕事を中心に活躍しています。

これまで、btrax及びD.Hausのオフィス環境の最適化のみならず、オフィスデザインを手掛けるクライアントの案件を通じて、ベイエリアにあるオフィス環境の訪問、業界人との対話を数多く繰り返してきた彼。それらの経験を通じて深めた「ユーザー中心設計」についての気づきをシェアしてもらいました。

Who is Kazu?
111Kazumasa Ikoma (Kazu)

役職:Marketing Associate / Office Management
所属:btrax, Inc.

2016年btrax入社。米国アイオワ州Coe College卒業。19歳まで日本で過ごしたあとフットボール留学のため渡米。Coe Collegeでは心理学を専攻。職場環境における従業員の心理に興味を持ち、人事を心理学とビジネス両方の観点から学ぶ。これまでbtraxが管理・運営を行うD.Hausとオフィス設備のマネジメントを行ってきた。現在btraxではクライアント様のマーケティング支援を担当。リサーチ業務のほか、オウンドメディアのコンテンツ改善やブログのライティングといったコンテンツマーケティングにも携わる。

btraxでの業務内容

— これまでにbtrax で行ってきた仕事について教えてください。

社内でオフィス設備のマネジメントをしながら、btraxの所有するコワーキングスペースD.Hausとそのコミュニティを運営してきました。そしてそのコワーキングサービスの市場調査からPR、サービス構築等の包括的な運営経験を活かし、市場調査を中心としたクライアント向けのリサーチ業務にも携わってきました。実際のところ、僕は若手なので、何事も経験と捉え、積極的に様々な分野の仕事を引き受けてきた印象です。

その中で最も印象深かったのが、東京に拠点を持つオフィスデザイン会社に米国でのネットワーク構築をサポートしたプロジェクトです。西海岸にあるオフィスデザイン会社を紹介し、彼らが実際にパートナーとなれるように、クライアントの強みやパートナシップの意義を伝え、ミーティングの設定をすることで、彼らのビジネスの橋渡しをすることが僕の役目でした。

また西海岸のオフィスや働き方を紹介する当社のメディア開設のディレクション・マネジメントを担当し、そのメディア内の記事の執筆も担当しています。でも正直、これまでオフィスデザインについてなんて何にも知りませんでした。このプロジェクトを通して、オフィスデザインのことはもちろんですが、西海岸のデザイナーたちがどのように仕事をしているのか、またユーザーを中心に考えるとはどういうことなのかなど、仕事における姿勢や考え方というものを沢山学びました。

デザイナーから学ぶ「すり合わせ」の重要性

ー日本のオフィスデザイン会社のネットワーク拡大のプロジェクトに携わったとのことでしたが、印象に残っているエピソードはありますか?

このプロジェクトの仕事を通して、有名なオフィスデザイン会社の方々と直接会って話を聞く機会が幾度となくありました。彼らから聞いた言葉はひとつひとつ強く印象に残っていますし、僕の仕事に対する考え方にも大きく影響しています。

例えば、Microsoft、Bandai Namco、Skypeなど多くの有名企業のオフィスデザインを手がけるDesign Blitzという会社がありますが、そこのクリエイティブディレクターの Seth Hanley氏の言葉は特に印象的でした。彼は「オフィスデザインにサプライズは厳禁だ」と話してくれたんです。

大切なのは、新しいデザインが導入される前に、しっかりと話し合いがなされており、どんなものが出来上がるのか使う側が完全に予期している必要がある、ということでした。結局、新たなデザインを導入したところで、すぐに使ってもらえなければ、いくら良いデザインでもポテンシャルが発揮されず意味がないと彼は話してくれました。

つまり、彼によれば、オフィスデザインをする際に重要なのは、作る側と使う側の意見の「すり合わせ」なのだそうです。今オフィスにある問題をどのように解決するか、その問題を理解し、使う側との話し合いを通して考えをすり合わせる、それがオフィスデザインのプロセスだと彼は言っていました。

関連記事:オフィスデザインの軸となる“企業文化への理解”とは

ーKazuさん自身、そこからどんなことを学びましたか?

まず、この「すり合わせ」のプロセスというのは、まさにbtraxも大切にするユーザー中心設計の考えそのものだと実感しました。そして、これはオフィスデザインやプロダクト・サービス設計だけでなく、クライアントと関わるあらゆる仕事においても言えるものだと感じました。

例えば最新テクノロジーに関するリサーチ業務では、クライアントにとって新たな気付きとなり、なおかつ価値のある情報を数多くの情報の中から絞り込む必要があるのですが、それこそクライアントがどのようなことを知りたいのか、それをどのように利用するのかを事前に知っておくことが不可欠です。まだクライアントが目にしたことがない情報を調べてプレゼンするわけなので、それこそ「すり合わせ」が大事になると思います。

ただただ新しい情報を集めただけでは、新たなオフィスデザインの導入同様、調べ上げた情報の「ポテンシャル」は活かしきれないはずです。ベイエリアのオフィスデザイナーたちとの出会いは、ユーザー中心設計の考えとはあらゆるプロジェクトを行うときに大切にするべきマインドセットであると、説得力を持って語れるようにしてくれたと感じています。

これもデザインの街サンフランシスコならではの学びの形なのかな・・・と思います。

DSC_1072

ユーザー中心設計の考えを自社オフィスで実践へ

ーではオフィスマネージャーとしては、ベイエリアのオフィスからどんな刺激を得てこられましたか?

これまでGoogleやPintarest、LinkedIn、Lyft、Netflix、Bloombergなどのオフィスを見学してきました。月並みな表現だとは思いますが、かっこいい、モチベーションが上がる、というのがやはりどのオフィスにも共通する第一印象でした。

というのも、どのオフィスのエントランスを通っても非常にポジティブな印象を受けるんです。Bloombergでは、ガラス張りのミーティングルームで活発に議論を行う人たちが見えましたし、 LinkedInだと1階にパブリックオープンのスペースがあって、訪れた人が社員と談笑している姿や、個人作業をしている人等が目に入りました。

こういう職場について最初の印象が良いものだと、社員もモチベーションが上がるでしょうし、来客にも良いイメージを与えますよね。ベイエリアのワークスペースには仕事に対して好印象を抱かせる細かな工夫が施されているんです。

ー今まで訪問したオフィスの中で一番印象的だったのはどこですか?

特によく印象に残っているのはPintarestのオフィスです。初めて訪れたのは2016年の夏だったのですが、当時できたばかりでサンフランシスコでも最新のオフィスだったんです。まず一番に目に入ってきたのが、明るい雰囲気の社員食堂でした。とても賑やかなイメージなんだなと思ったのですが、そのあとオフィスを進んでいくと、いちばん奥にシーンとしたサイレントルームが準備されていました。これにはかなりハッとさせられましたね。

働き方が多様化する中で静かな空間を提供するオフィスは増えてきていると思いますが、ただ静かな部屋を準備しようというだけではなく、人の導線を考えて設計されているんだなと思いました。誰も使いたがらないような場所に位置する部屋に、誰も通らない場所という特性を活かして、「静かで誰にも声をかけられない空間で集中して働くことができる場所」という役目をつけてあげるというのは、当たり前のように見えてとても有効的な空間利用だと思い感心しました。

関連記事:デザインの力で人々の行動を変える – ビヘイビアデザインの裏側

ーbtraxのオフィスマネジメントをするに当たり、他のオフィスで見たものから何か参考にしていることはありますか?

Pintarestのオフィスで学んだ空間活用のアイデアは実際にbtraxの空き部屋の活用方法に大きなインスピレーションを受けました。それを受け、僕たちのオフィスにもあまり誰にも使われないミーティングルームがあったので、その特徴を活かし、静かに仕事をする空間という位置付けを明確にし社員に浸透させました。

自分の提案が他の社員に受け入れられ、皆がそのように有効活用してくれるようになったのは、単純に嬉しかったですね!

ーその他に取り組んでいることがあれば教えてください。

また今年の4月から、オフィス環境の満足度を図るためのアンケート調査も導入しました。オフィスデザインを向上させるためには社員からのアンケートが大事だとは聞いたことはあったため、とりあえず始めてみた感じだったのですが、Googleで行われていたオフィスマネジメントに関するスピーカーセッションでのインサイトが、それを続けることの後押しをしてくれました。

そのイベントでは、スピーカーとして登壇していたファシリティ・マネージャーのDudy Bar-Tel氏も、社員全員からフィードバックをもらい、それらをオフィスに反映していくという作業はとても重要であると語っていたんです。しかし、多くの社員を抱えている彼らにとってそれは容易なことではなく、そこをどのように乗り越えるかが重要なポイントだと話していました。

彼らは結局社員食堂などで社員にランダムに話しかけて意見を集めるということをしたようですが、彼らのような大きな企業でも社員たちとの対話を通すことで、ユーザー中心設計の考え方を実践しているのだと気付きを得ました。

僕自身、社内のオフィスに関するアンケートは手探りで始めたため、このやり方で正しいのか不安な気持ちがありました。でも彼の話を聞いて、btraxのような小さな会社ならGoogleがしたくてもできないことをすることが可能なんだなとも思いましたね。この気付きはかなりモチベーションになりました。

僕は、アンケート調査をする際、選択制ばかりではなく、自由回答型の質問を多く取り入れることで、より多くの意見を集めることに気を配っています。また、その結果を社内ミーティングとしてシェアする時間を設けることにしたのですが、些細なことでも議論することができ、社内で共通の認識を生むための「すり合わせ」の機会になっています。

例えば、キッチンに新しい用具が欲しいという要望があったという話題から、使用方法について別の問題があったことがわかったり、空いた会議室の利用方法の話題から、どのように効率的な働き方ができるか意見をシェアする結果に繋がったりしたこともあります。ユーザーである彼らが抱える問題を洗い出して解決するだけでなく、彼らにもオフィス環境づくりに積極的に参加してもらうプロセスを提供できたことは、まさにデザイナーたちから得た学びの実践となりました。

関連記事:デザイン思考を組織イノベーションに活用する10の方法

ベイエリアに見るオフィスデザインや働き方のトレンド

ー今ではオフィス事情にも精通されていることと思いますが、Kazuさんが見てきたベイエリアのオフィスに共通するトレンドを教えてもらえますか?

そうですね、最近気になっているのは「ハドルルーム」の存在です。先に挙げた超有名スタートアップのオフィスに限らずその他企業のオフィスやコワーキングスペースにも共通して、必ずと行っていいほど導入されているように感じます。

「ハドルルーム」とは事前の予約を必要としない、4−6名程度で気軽にミーティングを行える小さな部屋のことで、チームが手早く集まって話せるスピード感を実現できます。僕は大学時代アメフトをやっていたのですが、この「ハドル」とは、試合中に行われるプレーの作戦会議の名から由来しているんです。ちょっとそこも親近感が湧いてしまうポイントですね(笑)。

最近まではオープンスペースがトレンドだったそうですが、実際のところ、必ずしも全てオープンであることがいいとは限らないのも事実だと思います。ベイエリアにおいて「ハドルルーム」はすでに5、6年ほど前から取り入れられており、btraxオフィスにもいくつかそのような役目を持った部屋はありますが、ちょっと込み合った話もすぐにできるのはやはり良いですよね。プライバシーの重要性が見直されているのもまたトレンドのように感じます。

上の写真はサンフランシスコにあるPinterestのハドルルーム
サンフランシスコにあるPinterestのハドルルーム

面接が行われている、Weeblyのサンフランシスコオフィス
面接が行われている、Weeblyのサンフランシスコオフィス

Airbnbのハドルルーム
Airbnbのハドルルーム
※以上3枚の写真はWorker’s Resort より引用

ーそれでは、働き方のトレンドなども感じることはありますか?

これまで挙げた多様な空間があるのに合わせて「ムードベースドワーキング」という働き方は新たなものになりつつあると聞いています。最近では、仕事の内容に合わせて働く場所を変える「アクティビティベースドワーキング」という言葉を少しずつ聞くようになりましたが、今では「どこで働きたいと思うか」「どこで今自分が一番集中できるのか」気分に合わせて場所を変え、仕事をするスタイルもまた増えているようです。カフェのように人が多くいる中で個人作業に没頭するのはまさに良い例ですね。

以前に世界的に有名なオフィスデザイン会社Studio O+Aのプリンシパル、Primo Orpilla氏にインタビューした際、彼は「これからのオフィスは大学のようになるべき」と話していました。大学というのは授業があって宿題がある、宿題をやるのは個人作業でそのやり方は個人が一番効率が良いと思う方法で進めていきますよね。その場所は静かな図書館かもしれないし、人が集うカフェかもしれない。その宿題をもって皆が集まる授業に参加し、週に決められた時間分だけ教授からレクチャーを受けクラスメートとディスカッションを行います。

関連記事:Nike、Uber、Ciscoのオフィスはこうして生まれた ー 世界的デザイナーPrimo Orpillaが語る、西海岸オフィススタイルの原点とは

僕はその教室が企業でいうミーティングルームであるように感じます。そしてその教室で教授と学生が集まる時のように「チームでいるときのパフォーマンスをいかに最大化できるか」がこれからのオフィスに求められているような気がします。また宿題をどれだけやってきたかで授業の質が変わるのと同様に、個人作業のための様々な空間提供も必要です。そして、社員ひとりひとりがそれを自由に選べるというのは重要なことだと思います。

働き方を改善するオフィスデザインにせよ、オフィスに導入できる最新テクノロジーにせよ、この街には人の生活の大きな一部である「働く」ことを豊かにするためのデザインやテクノロジーがどんどん生まれています。それらがいかに工夫して利用されているか、常に最新情報に目を配るようになりましたし、そういうものに対する興味はやはり尽きません。

ー最近は仕事のフィールドがマーケティングまで広がりましたが、これまで得た様々な学びを活かせそうですね。

上記に挙げたネットワーク構築のプロジェクトは今は終わっていますが、その後同じクライアントのオフィスデザインに関するオウンドメディアのプロジェクトにも引き続き関わっています。これまでの、オフィス担当者としての知見を活かして、サンフランシスコのオフィスのトレンドに関する記事を執筆しているほか、今ではプロジェクトマネージャーとして、メディア全体のディレクションやKPIモニタリング等も担当しています。

これまで積み上げたオフィスに関する専門性を活かすと同時に、ベイエリアのデザイナー達から学んだ仕事に対する姿勢やユーザー中心の考え方をまた新たなフィールドで活かすことができ、自分の幅がこのように広がっていくのがとても面白いです。

今はオフィスマネジメントの仕事からは離れてしまいましたが、今後いかなる仕事においてもユーザー中心のマインドセットを軸に、プロフェッショナリズムを磨いていきたいです。

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