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  • Brandon K. Hill

    Brandon K. Hill

    CEO of btrax, Inc

    CEO of btrax, Inc - Design Mentor to Startup Weekend - Contributor to TechCrunch Japan - Guest Speaker at UC Berkeley Asia Business Conference - Guest Speaker at Social Media Week Tokyo - Guest Speaker at 500Startups Japan Day

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  • May 17, 2017

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スタートアップにもデザインが最重要になり始めたその理由とは

来週の24日に東京都内の会場でグローバル展開を目指すスタートアップによるピッチコンテスト、Runway to RISEが開催される。このイベントでは、事前に選出された8チームが英語でピッチを行う。これまでbtraxが8回開催してきたJapanNightのセットアップとかなり近い。違いは、今回トップ2チームが7月に香港で開催されるグローバルスタートアップイベント、RISEへの出場権が得られるという部分。

イベント公式ページ: DESIGN for Innovation 2017

そしてもう一つが、審査項目の中に「デザイン性」が含まれているという事。デザイン性の高さを評価することにより、今後グローバルで展開する際の可能性をはかることができる。というのも、日本語圏以外の多くのユーザーに利用してもらうには言葉で説明するよりも、使いやすさや楽しさなどのユーザーエクスペリエンス面の品質が非常に重要になってくるからである。

関連記事: 【IDEO x frog x Pivotal x btrax】西海岸を代表するデザイン会社による夢の共演が実現!DESIGN for Innovation 2017

テクノロジーオリエンテッドからデザインオリエンテッドへ

世界規模で見てみてもここ数年でデザイン性の高いプロダクトへの人気が急激に高まっている。一昔前は難しいテクノロジーを活用し、今までにできなかったことを提供するだけで話題になったが、技術が成熟してきたことにより、差別化ポイントがデザイン性の高さに移行してきたと言える。

テクノロジーの成熟に加え、オープンソースに代表されるようなライブラリやプラグインなどの技術的な要素がモジュール化されたことで、熟練のエンジニアだけでなく、より多くの人たちがプロダクトを作れるようになったこと。それによりプロダクトのコモディティー化が最終的な価格競争を生み出し初めている。

また、スマホやボイスコマンドなどに代表されるような複数のタッチポイントの出現により、一貫したユーザー体験の設計が求められている。そうなってくると差別化が非常に重要になってくるのだが、技術面での差別化が難しくなり、必然的にデザイン面での勝負が必要になる。

関連記事: DESIGN Shift: これからのビジネスはモノより体験が価値になる

プロダクトの差別化要因はデザイン性

すでに数年前からアメリカ西海岸ではテクノロジー競争に合わせてデザイン競争が進んでいる。例えばUberとLyftの違いは? AppleとSONYの違いは?という問いに対してのその答えの90%以上が技術力よりもユーザー体験にひもづくはずである。

全く同じコンセプト、技術を活用したプロダクトであったとしても、UIのクオリティやユーザビリティの差でユーザーから得られる評価が大幅に異なる。それによってそのプロダクトや会社が成功するかが大きく異なる。

デザイン競争は、それは「誰が先にユーザーの心を掴むか」の競争でもある。

関連記事: デザインがビジネスに与える影響 〜収益週200ドルのAirbnbが急成長した秘訣とは〜

世界のトップ企業もデザインを最優先

GAFAの脅威」という言葉を聞いたことはあるだろうか?世界的に最も注目されている企業、4社の頭文字をとった表現である。最近Google, Apple, Facebook, Amazonの4社はITに限らず様々な事業領域に対しての展開を始め、市場の期待力時価総額は右肩上がり、他社は大きな脅威を感じ始めている。

上記の4社は全て現在では上場している大企業であるが、事業戦略、展開スピードにおいてはまさに「スタートアップ」と言えるだろう。2017年に入り、その勢いはどんどん加速し、世界規模で様々な業界を飲み込み始めている。正直、客観的に見てみても、日本の企業が束になってかかっても彼らに勝てる見込みは非常に少ない。

関連記事: ベンチャー企業とスタートアップの違い

21世紀ビジネスに不可欠な三種の神器

では、無敵モードのこの4社の共通点とは何か。恐らく彼らは現代ビジネスにおける「三種の神器」を共通して持ち合わせているということであろう。その3つのアイテムとは:

1. ユーザー
2. ユーザーデータ
3. ユーザー体験

である。この3つに共通するのは「ユーザー」が中心になっているということ。技術やコンセプト、ビジネスモデルよりもまずはユーザーのメリットを最優先に考えることで膨大な数のユーザーを獲得し、そこから得られるデータを元にユーザー体験を改善する。まさにデザイン思考のプロセスをビジネスに活用することで急激な成長を維持している。

関連記事: 2017年からはユーザー体験こそがマーケティング戦略の主流になる ~UX for Marketing~

スタートアップ企業が爆速でデザイナーを採用中

もちろんAppleは創業当時からであるが、世界最高のテクノロジー会社のGoogleも、今となってはデザインを最重要視してる。それに伴い急激なスピードでデザイナーの採用やデザイン会社の買収を進めている。例えばFacebook, Google, Amazonは年間でデザイナーの数を65%増やしている

ちなみにここでいう「デザイナー」とは見た目を綺麗にするだけではなく、ユーザーニーズを見定め、それをプロダクトに反映できるタイプの新しいデザイナーであり、役職としてはUXデザイナーやサービスデザイナーを指す。逆に既存のグラフィックデザイナーのニーズは下がっている。

関連記事: 変わり始めたデザイナーの仕事内容と役職別の平均給与

プロトタイピングツールの普及によるデザイナーの活躍

デザイナーの重要性が高まっている背景にプロトタイピングツールの普及があるだろう。これまでプロトタイプを作る際にはある程度エンジニアが”ゴリゴリ”コーディングをする必要があったが、 様々な便利ツールの出現により、コーディングをあまりしなくてもそれなりに「動く」プロトが作れてしまう。言い換えると、ツールを使いこなせるデザイナーがいれば、コンセプトデモぐらいはサクッと作れる時代になった。

参考: 各種ツールの人気ランキングTop 3
プロトタイピング

  1. HTML/CSS
  2. InVision
  3. その他

 
インターフェイスデザイン

  1. Sketch
  2. Photoshop
  3. HTML/CSS

 
プロジェクト管理

  1. その他
  2. Slack
  3. Trello

 
バージョン管理

  1. Dropbox
  2. Github
  3. Google Drive

ちなみに上記のツールの多くがクラウドサービスであることから、デザイナーとエンジニアのコラボレーションがよりしやすくなっていることにも注目したい。デザイナーの仕事がエンジニアが作ったプロダクトの”見た目”の改善から、プロダクトの根幹部分の設計にまで携われるような環境が整いつつある。

関連記事: 時代の変化でこれから生まれる8のデザイナー職

デザイナー出身の創業者が大活躍

“スタートアップ”と聞くとその創業者はエンジニアであることがイメージされる。いまだにそのケースが一般的であるが、自分自身もそうだった様にこれからはデザイナーが起業するのが一般的になる。むしろデザイン系のバックグラウンドがあることがスタートアップを成功に導く一つの武器になるであろう。

なぜか?プロダクトづくりを行う前にユーザー理解を行うことが重要であるからである。とりあえず作ってとりあえずリリースしてそれを改善、といったリーン型アジャイル開発も悪くはないが、ユーザーのニーズを理解しないままで使いにくいプロダクトをいくらリリースしたところで良い結果は得られない。

逆にニッチでも良いのでユーザーニーズを的確に定め、最適なエクスペリエンスを提供できるタイプのプロダクトの方が人気が高まるだろう。TwitterだってSnapChatだってInstagramだって作るのはそんなに難しくない。重要なのはどのような体験をユーザーに届けるかである。そこにデザイナーがいるかいないかが勝負の分かれ目になってくる。

そんな時代背景もあり、最近ではデザインバックグラウンドを兼ね備えた創業者の会社が大きな活躍を見せている。ユーザーが「心地よい」と思うサービスの裏にはデザイナー創業者の存在があるだろう。

参考: 創業チームにデザイナーがいる代表的なスタートアップ

  • Airbnb
  • Square
  • Twitter
  • Pinterest
  • Alibaba
  • xiaomi
  • Tumblr
  • YouTube
  • Behance
  • InVision
  • Instagram
  • GitHub

関連記事: デザイン最優先のAirbnbがユーザー獲得のために行う3つのマインドセットと4つのコアプロセス

投資する側もスタートのデザイン性に注目している

そしてこのデザイン優先トレンドは投資側にも広がっている。投資する側も投資先のスタートアップのプロダクトのデザイン性や、チームメンバーにおけるデザインバックグランドを重視する傾向が見られる。近年投資を受けたスタートアップのうち1/3以上が創業チームにデザイナーが存在し、グローバルユニコーン企業の20%以上がデザイナー創業者のスタートアップである。

また、Designer Fundに代表されるように、著名デザイナーが投資家になったり、VCがデザイナーをパートナーとして招き入れたりなど、その動きは激しい。大きな理由として、スタートアップを評価する際に財務資料などに掲載されている数字では測れない価値を定めることができる能力が重要になってきているからである。

そもそもスタートアップはその企業の「未来」の価値に投資するわけで、未来を作る人 = デザイナー的観点から物事を見れる人が重要になるのは当然なのである。

Dave McClureが率いる500 Startupsなんかも「ユーザーにとってはテクノロジーよりもデザインの方がよっぽど重要だ」と公言している。

参考: スタートアップのデザイン性を重要視するVC

  • 500 Startups
  • Bloomberg Beta
  • Collaborative Fund
  • Cowboy Ventures
  • Designer Fund
  • Homebrew
  • Kapor Capital
  • KPCB Edge
  • Rivet Ventures
  • Slow Ventures
  • Y Combinator
  • Accel Partners
  • Bessemer Venture Partners
  • Google Ventures
  • Greylock Partners
  • Khosla Ventures
  • Kleiner Perkins Caufield & Byers
  • New Enterprise Associates
  • Sequoia Capital
  • True Ventures
  • Backstage Capital
  • Initialized Capital

出展: Design in Tech Report 2017

デザイナーのいないスタートアップは絶対失敗する

このように、デザインやデザイナーの重要性は大企業や広告業界だけではなく、新しく立ち上がるスタートアップにおいても拡大している。むしろスタートアップだからこそ、デザインを最優先したプロダクトづくりを行うことで既存のサービスとの差別化を生み出すことができると考えられる。

人もお金もリソースも足りない状況でも、デザインの力を武器にすれば巨大な権力にも立ち向かえる。そう信じてる。この辺に関しても来週開催されるDESIGN for Innovation 2017のセッションにてディスカッションしてみたいと思う。

関連記事: スタートアップにおけるデザインの重要性

 

筆者: Brandon K. Hill / CEO, btrax, Inc.

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