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    Yu Namie

    Yu is passionate about how innovative idea affects the global society. Graduated from MA international studies at the University of San Francisco.

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  • Apr 20, 2017

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なぜサンフランシスコでは未来的なサービスが続々と生まれるのか?

Uber, Airbnb, Twitter, Instagram, Pinterest, GitHub, Square. これらに共通することは何であろうか?全てサンフランシスコという街で生み出されたサービスである。最近ではこの街はAIやフィンテック, 自動運転やヘルスケアテクノロジーなど、”未来”を予想させるプロダクトの開発が世界のどこの地域よりも先駆けて行われている。

なぜ人口100万人にも満たないこんな小さな街で次から次へとイノベーションが起こっているのか。そこには歴史的、そして文化的背景が隠されている事を知っている人は意外と少ない。

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少し先の未来を見ているサンフランシスコのサービス

それではなぜ、サンフランシスコでは”少し先の未来”を見ることができるのか?これからも、サンフランシスコは未来都市であり続けるのか?その秘密に迫ってみる。

ソーシャルメディア発祥の地

若者が作り出したソーシャル系サービスのその多くも元々はサンフランシスコが発祥の地である。当時は”ソーシャルメディア”という概念そのものが世の中に浸透していなかった時代であったが、”面白そう”という理由だけでTwitterが作られ、ユーザーが集まった。そしてその数年後にInstagramも生まれた。そしてFacebookのザッカーバーグが”面白そう”という理由でInstagramを買収した。

関連記事: Instagram (インスタグラム) 最新トレンド【Twitterの120倍のエンゲージメント率】

進む自動運転の実用化

自動運転カーの実現に向けて、がんがん動いているのもサンフランシスコ。街を歩いていれば、Uber社の自動運転試走車を時折見かけるし、2016年に世界初完全自動運転に成功した自動運転トラックのOTTO社の車庫も市内SOMA地区で見つけることができる。

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これから当たり前になる?同性愛もマリファナもここから

一歩未来が見えるのは、テクノロジーの分野だけではない。今となっては、あまり驚くこともなくなってきた同性愛を認める風潮もサンフランシスコは早かった。1977年、アメリカで初めて、同性愛をカミングアウトをして当選した政治家はハーヴィ・ミルク氏だが、彼はサンフランシスコで当選している。

また現在、マリファナの医療目的使用に関する議論は日本含む、世界各地で聞くことが増えたが、サンフランシスコではマリファナの一般使用が合法になって間も無く1年を迎えようとしている。

関連記事:未来都市サンフランシスコで使える最新サービス6選

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サンフランシスコがこれからも未来都市であり続ける理由とは?

それでは、話を戻そう。なぜ、サンフランシスコがこれからも未来を一歩先に進んだ街であり続けるのだろうか。

1. 島国気質とゴールドラッシュ時代からの社会背景

サンフランシスコは島だったか?と首を傾げているそこのあなた、あなたは間違ってはいない。サンフランシスコは大陸と陸続きの半島である。しかし、東西北の3方向を海に囲まれ南もサンブルーノ山脈によって区切られている。これによって、サンフランシスコ市はたった75㎢ほどの島のような環境になっているのである。それゆえ、サンフランシスコでは意外にも内向きの問題や機会を優先することが多かった。

また、サンフランシスコはゴールドラッシュのころ、最終地点となっていた土地だ。一攫千金を狙いやってきた野心的な人々が古くから集まってきていると言える。さらに、初期の頃からスペインからの宣教師や中国系の移民がやってきており、多様性のある地域だった。

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このような、多様性を小さな”島国”で調和を取るには、お互いがお互いの価値観と共存することが自然と求められてきたのである。つまり、ここにいる人たちは、決して保守的ではなく、異質なものを受け入れることに慣れているということができる。

そんなことから、サンフランシスコは新しいものをポジティヴに受け入れる速度が速い。例えばNielsenの調査によると、2013年時点で全米でのスマートフォン保有率は65%だったのに対し、サンフランシスコでは約1割高い74%だった。

このような背景から、誰もが「こうだったらいいのに」と思うが、実際にやってこなかったようなクールで思い切ったアイディアがサンフランシスコでは実践されてきたのだ。性に対するオープンな考え方や、奇抜なロック音楽のバンド(Grateful Deadなど)、家や車を出会ったこともない人に貸してしまうシェアリングエコノミーの仕組みはその代表格である。

関連記事: 聖地サンフランシスコでハッカソンに参加して感じた“スタートアップを育む土壌”とは

2. スタートアップエコシステムのクオリティは圧倒的1位

Global Genome LLC. (Global Entrepreneurship Networkとの提携関係)のレポートによれば、サンフランシスコのすぐそばシリコンバレーは、スタートアップ企業にとって世界1の環境が整っているようだ。最近はシンガポールやテル・アビブもかなり熱いと聞いたぞ?というあなた、その通り。それでも、サンフランシスコ・ベイエリアは圧倒の1位である。

ちなみに、ここでいうパフォーマンスとはそれぞれの地域のスタートアップエコシステムで成功しているアーリーステージ企業が多さや関係者からのの評価が高さなどを示している。そしてそれに伴い、未上場で評価額の高いスタートアップのランキングで見てもサンフランシスコはダントツである。

関連記事: 未上場で評価額10億ドル以上のユニコーンTop10

シリコンバレー地域を含めると投資額平均もぶっちぎり1位

また、アーリーステージのスタートアップが受けられる投資額の平均額もサンフランシスコ・シリコンバレー地域は他を圧倒的に超えている。世界平均が$252Kであるところ、テルアビブ$509K、ストックホルム$395Kと他のスタートアップ新興国たちも高めであるが、意外にもシンガポールは$276Kであまり世界平均と変わらない。そして、肝心のシリコンバレーは$762Kである。

つまり、ネットワークとビジネス成功のチャンスがすぐそばにあるのだ。それゆえ、多くの起業家たちが新たなアイディアをどんどん実践に移す。その結果、サンフランシスコ・ベイエリアは未来的なサービスの登場が後を絶たないのである。

(これらのデータは関係者1万人以上からのアンケートや22カ国からの約280人のエキスパートとのインタビューを含むデータを元に算出されており、信ぴょう性もかなり高い。さらに詳しいデータや調査方法等の確認をしたい方は以下の参考資料から確認していただきたい。)

参考資料:Global Startup Ecosystem Report 2017

成長し続ける特許数

また実際に、サンフランシスコベイエリアは特許出願数が1970年代半ばから増え続けており、2008年の段階でアメリカ国内1位の16%を占めた。逆に1970代に最も特許出願数が多かったニューヨークはその数が年々減少傾向にあり、その他ロサンゼルス、デトロイトなどの大都市でも特許数の成長は横ばいだ。新たなイノベーションの誕生数が圧倒的に成長し続けているということはここからも明らかである。

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3. 新しいものを取り入れることに前のめりなサンフランシスコ市

ここで、Google創業者のラリー・ページの言葉を紹介したい。

“世の中には、私たちに実現可能な範囲でも面白くて重要なことがたくさん、たくさん存在している。でも、できないんだ。なぜなら、それらは違法とされているか制度上、まだ許されていないから。

技術者として、僕らはそういった新しいことを試し、それがどんな風に人々や社会に影響を与えるのか、普通の世界に展開することなく把握できる安全地帯を持つ必要がある。そういうことが好きな人たちが実際に行って実験できる場所だ。”

これは、2013年5月にサンフランシスコで行われたソフトウェアディベロッパーらに向けたカンファレンスの際に彼が行ったスピーチからの抜粋である。

そして筆者は、サンフランシスコこそ、ラリー・ページが理想とする”実験用安全地帯”なのではないかと考える。

サンフランシスコの市政府は、市民生活をよりよくするためにスタートアップや新しいテクノロジーを取り入れることに積極的だ。そして、上の項でも述べた通り、新しいものにポジティブな人々が集まっているのがこの街である。

市とスタートアップのパートナーシップ

例えば、サンフランシスコには”Getaround”というカーシェアリングプラットフォームが存在する。Uber/Lyftと異なり、街に駐車されている他人の車をアプリで開けて借り、サービスユーザー自身が運転する。人口の急激な増加による駐車場の問題はとても深刻であり、それを解決する手段として、サンフランシスコ市はカーシェアリングに着目。2014年からGetaroundとパートナーシップを結び、約900の駐車スペースを提供した。

関連記事: シリコンバレーが自動車業界に与える3つのインパクト

制度上の問題で全米でも使用できるのはサンフランシスコと隣のイーストベイぐらいではあるが、地元では交通手段の一つとして当たり前の選択肢になっている。

一方日本で、Airbnbが民泊法との兼ね合いで存続が危ぶまれたり、Uberの普及がうまくいかなかったりといったニュースがあったのとは対照的である。

新しいテクノロジーを取り入れるために制度を変える

またサンフランシスコ市では今年2017年2月からThe Vision Zero P4 Acceleratorというプロジェクトを始動した。このプロジェクトは、交通事故死をなくすために、自動運転をバスや電車など公共交通に取り入れることを前向きに検討し、制度上の問題もふくめてどのように変えていくべきか議論し進めている。

これはSuper Publicという、政府、民間企業、学術分野がコラボレーションして街の問題をどのようにクリアしていくかを探る”イノベーションラボ”の取り組みの一つ。

関連記事:スタートアップ育成のためにサンフランシスコ市が行っていること

民間企業にヘルプを要請、テクノロジーで問題を解決

もう一つ紹介したい市の取り組みがCivic Bridgeである。これは、民間企業がプロボノ活動として街の問題を解決するためのソリューションを提供するプログラム。各企業から協力者が集まり、16週間の期間をかけて、市から与えられた問題に取り組む。

例えば、通常レスキュー隊を呼ぶ番号は911だが、Twitterの技術を応用する事で、公共交通機関やその他公道で起こったトラブルをSFMTA (サンフランシスコ公共交通機関) に直接連絡できるという仕組みなど。ここから、SF311というアプリケーションサービスが誕生した。

2016年度に参加した企業はGoogle, Twitter, Adobeなど。

まとめ: 世界のイノベーションを牽引するサンフランシスコ

このように、この街を取り巻く環境、歴史、気風、法規、エコシステム、文化などの全ての構成要素がイノベーションを生みだすための土壌を作り出している。ある意味で日本とは全く逆といっても良いサンフランシスコは、その歴史的・地理的条件から新しいことに対してポジティブに受け止める人々が集まっている。

そして、その上に存在するイノベーションを促進する世界最高のスタートアップエコシステムは、これからも新しいものを一番に生み出しつづける土台であり続けると言って良い。さらに、新しいものを世の中に浸透させる際に、ハードルになるのが既存の制度や法律だが、そういったものを変えることも厭わないのがサンフランシスコ市だ。この街が未来を作り続ける速度が衰えることを心配する必要は、まだまだなさそうだ。サンフランシスコは技術者たちの理想郷なのである。

関連記事: サンフランシスコのバブルは崩壊するのか ~ドットコムバブルとの違い~

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関連記事: コーポレートイノベーション 〜日本企業のサンフランシスコでの挑戦〜

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