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  • Kazumasa Ikoma

    Kazumasa Ikoma

    Marketing Associate

    Through his experience of organizing events and conducting market researches, he touches on multiple topics from new technology trend including IoT, chatbot, AI to office design and culture development.

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  • Oct 2, 2016

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2016年最新オフィスデザイン事情 – 4人のエキスパートが語るオフィスのデザイン手法とは

btraxが運営するコラボレーションスペース、D.Hausでは先月22日に”We Are All Designers Act II – Tips for Invigorating Design In the Workplace”と題してオフィスデザインをテーマとしたイベントを開催した。

イベント開催日:2016年9月22日
開催場所:btrax サンフランシスコオフィス / D.Haus

ゲストスピーカーには、サンフランシスコでFacebook、Microsoft、Uberのオフィスを始めとした数々のベイエリアのオフィスをデザインし、数多くの賞を受賞しているDenise Cherry、Twitterオフィスをデザインし現在はT3 Advidsorに所属するCaroline Quick、GitHubでファシリティ・オペレーション・マネージャーを務めるLara Owenに、今年8月に新しくコワーキングスペースを開いたJason Panが参加。

オフィスデザインや環境が最も重要視されるサンフランシスコで活躍するこの4人がオフィスのデザイン案の決定から、予算の立て方、オフィス建設の完了に至るまでのプロセスを徹底議論した。

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左からDenise Cherry (Assembly Design Studio)、Caroline Quick (T3 Advisors)、Lara Owen (GitHub)、Jason Pan (Covo)

デザイナーと従業員のコラボレーションが鉄則

オフィスデザインというのは、このイベントの題にもあるように、決して”オフィスデザイナー”と呼ばれる特定の人たちだけの問題ではない。オフィス環境や働くスペースを整えることは職種に関わらず、すべての人に影響を及ぼす共通の話題である。スピーカーの4人はイベントを通して、オフィスデザインにはオフィスを使う従業員全員が関わるべきであることを強調していた。

denise企業カルチャーをいかに上手にオフィスで表現するかを語るDenise

近年筆者のように、”デザイナー”という肩書きを持たない人がオフィスをデザインをすることも多くある。それはオフィスデザインというものが、見た目のデザインよりも何よりも、そこで働く人がいかに働きやすくなるか、に重点を置いているからである。常に”使う側”を想定してオフィスはデザインされなければいけない。

今回イベントで話し合われた内容を簡単ながらまとめてみた。この記事が少しでも多くの方にとって、オフィスデザインに興味を持つきっかけになってもらえれば幸いである。

オフィスデザインの5つのプロセス

スピーカーには、オフィスデザインの全行程を次の5つに分けてそれぞれの質問に答えてもらった。

Where do I start?

 

  • Visual: オフィスの見た目や外観をいかに工夫するか
  • UX/Use: 実際に使う従業員からの意見・フィードバックをどのようにもらうか
  • Budget/ROI: 予算内で上手にデザイン案を組み立てる方法や費用対効果を計る方法はあるか
  • Branding/Culture: 企業によって異なるブランドやカルチャーをいかに上手にデザインに取り入れられるか
  • Execution: どのようにデザインを実行に移せられるか

Visual

見た目を考えることはもちろんデザイナーとしての大事な仕事ではあるが、機能が第一に考えられるべきであることを忘れてはならない。つまり、いかに従業員が気持ちよく働ける環境を作れるかがオフィスデザイナーに求められる最重要項目だ。それを考慮した上でいかに内装の見た目に練り込んでいけるかが課題となる。

GitHubのLaraはデザインを考える段階で、従業員全員との話し合いを徹底的に行う。話し合いを通して会社の中核となるコア・バリューが見えるようになり、会社が何を一番大事にしているのかを理解することができる。それがデザインを始めるきっかけとなる。

例えば、社員に「子供心を忘れないイノベーティブな人間でいてほしい」と企業が思えば、ボードゲーム等が遊べる部屋を作ることになる。社員の多様性を尊重したいのなら、内向的な人用のクワイエットスペースを置いたり、外交的な人にはコラボレーティブスペースを用意することが必要になる。

しかし、まだビジネスの基盤が定着していないスモールカンパニーにはコア・バリューがはっきりと見えていないことも多々ある。そういったときこそ、社員との会話を通して会社の将来のビジョンをオフィスデザインを通して一緒に作っていくことができる。

いずれにせよ、機能を重視してオフィスを作ることは何よりも大事。例え小さな変化でも、スペースに機能や意味合いを見出せるようにすることでオフィスのあり方は大きく変化する。

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UX/Use

過去のインタビューでDeniseやPinterestのKatie Barcelonaが述べたように、オフィスのユーザー、つまりはそこで働く従業員からのフィードバックは絶対に見過ごしてはならない。彼らがデザインするオフィスがいかに従業員の働き方にフィットしているかを知るのに唯一の情報源となるからだ。

Laraがデザイン案を従業員と共同して作り上げるのも同じように、実際にデザイン案をオフィスに落とし込んだ後もフィードバック過程は続けられる。改装直後だけでなく、30日、60日、90日後のフィードバック回収も徹底して、オフィスが計画された通りに機能しているか常に目を光らさせておかなければならない。デザイナーの仕事はデザインして終わるものではないのである。

しかしながら、あまり多くの従業員がデザイン案作成に関わるのも逆に時間がかかってしまい問題になりやすい。スピーカーたちはフィードバックの重要性を語る反面、あまり聞き入りすぎるのはオフィスデザインのスピードを遅らせるpitfall(落とし穴)でもあると付け加えた。積極的にフィードバックに耳を傾けながらデザイン案をスムーズに決めていくのもデザイナーの手腕にかかっている。

jason

フィードバックや機能重視のデザインに今のオフィストレンドを上手に組み合わせるのもデザイナーの仕事の一つ。

これにはオフィススペースに多様性を持たせることが鍵となる。まさにbtraxがアイディエーションルームとしてGaramondをリノベーションしたように、それぞれのスペースにはそれぞれ異なる目的やテーマを持ってデザインしなければならない。

タスクによって仕事場を変えられるように”集中スペース”や”リラックスできるカフェスペース”といった多様なスペースを確保できるといいだろう。

ここで重要なのが”大多数のためだけのデザイン”を避けるということ。従業員全員のためのデザインは多数派や平均的な部屋作りとは異なることを覚えておかなくてはならない。多様性を認めるオフィスとは少数派の意見や限られた場面での使用も想定されて作られるべきなのだ。

もちろん社長や役員の意見だけを反映させたデザインというのも避けるべきである。

Don’t design for majority or average. Design for everyone.

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Budget/ROI

費用を考える上で大事なのは透明性を持たせること。何にいくらかかっているかしっかり把握することである。予算との戦いはデザイナーが避けては通れない道。彼らは私たちの想像以上に中古のものを買って揃えるということもかなりやっているようだ。

興味深かったのが、スピーカーたちがDIYには否定的であったところ。Covoを運営するJasonも予算の都合上、DIYに頼らざるを得ない状況であったらしいが、やはり安っぽく見てしまいがちな点をかなり不安視していたらしい。結局のところ、DIYは費用を抑えられても、時間や手間がかかってしまうため、スピーカー達はあまりオススメしなかった。

covoJasonが立ち上げたコワーキングスペースCovo

プラン外の出費がかかってしまう時はどうしたらよいだろうか。「悪いことが起こる可能性があればそれは必ず起こる」「落としたトーストがバターを塗った面を下にして着地する確率は、カーペットの値段に比例する」といったマーフィの法則にもあるように、予想外の出費は悪いかたちで必ず起こるようだ。デザイナーにはそれをあらかじめ想定しておくことが求められる。

費用対効果に関しては、Jason以外の3人が口を揃えて「把握することは難しい」と答えた。というのも、訪れる客の人数が把握できるコワーキングスペースと違って、企業のオフィスは数値を持ってそれを測ることができないからである。しかしここで押さえておくべきなのは、良い人材を獲得するには整ったオフィスが必須であるということ。優秀な人材が魅力的なオフィスに惹かれて働く企業を決めることは現実的に多い。それを考えると、オフィスデザインの大切さをあらためて感じさせられる。

Branding/Culture

企業ブランドや文化をオフィスに反映するのは、単に企業の色やロゴをオフィスのいたるところにばらまく、ということではない。オフィスは、色やロゴ以上に、企業が何を大事にしているかを表すキャンバスなのである。

CarolineのTwitterオフィスの例をあげれば、彼女がデザインするにあたって、あの有名な水色の鳥のロゴをただ散りばめたわけではないのが一目でわかる。Twitterが大事にしているのは企業の透明性。会社が社員を信頼し、社員も自信を持って自らの働く姿勢を見せられるようにすべてのミーティングルームの壁はガラスになっている。CEOがガラス越しに熱くミーティングをしている姿が見えれば、社員のモチベーションにもなるだろう。
Twitter-officeTwitterオフィス(Office Lovin’より転載)

Execution

デザイン案を実際に実行に落とし込む上で、騒音問題等の従業員への影響は避けて通れない。従業員へのストレスを和らげるために次の3つがオススメのようだ。

  • 従業員とのコミュニケーションを十分にとっておくこと

    先ほども述べたように、オフィスデザインは社員全体を巻き込んで行うもの。実際の改装計画も含めて社員と共有できることが望ましい。改装後のイメージなども事前に共有すれば社員のモチベーションを上げつつ、彼らのストレスを軽減できる。

  • 計画案に柔軟性を持っておくこと

    ここでもまたマーフィの法則の話だが、計画案が予定通りに進まないこともよくあること。注文していたテーブルが予定通り来ない、といったプランの遅れは視野に入れた上で柔軟な対応をしなければならない。Laraは実際の改装完了予定日よりも2週間遅らせてたものをあえて従業員に伝えている。それでも予定がさらに押すことがあるので、改装中も従業員の声も聞き入れて、改装がよりスムーズに行えるようにすることが大切だと語る。

    多少の出費を覚悟で工事期間をできるだけ早く済ませるか、それともある程度長い工事期間を我慢するか。ここも予算との戦いである。

    Cost more or take longer

  • 建設チームを知っておくこと

    デザイナーが考えた案を実行に移すのがこの建設チーム。自分が思い描いたプランを思い描いたように実行に移すためには彼らを知っておくのは鉄則と言えるだろう。相互間のスムーズなやり取りは工事期間中の問題を少なくしてくれるはずだ。

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まとめ

ワークスタイルの見直しが今日行われていく中で、オフィスデザインはより自由な働き方をサポートするために複雑化してきている。だからこそ、オフィスに関する意見をシェアできる機会を会社、従業員、デザイナーがそれぞれ持てるようにすれば、より理想に近いオフィスのビジョンが明確化されるはずだ。オフィスデザインが企業内全員の共通問題として認識されることが今一番重要なことに思われる。

今や誰もがオフィスデザイナーになれる世界。オフィスデザインが”デザイナー”のものだけにならないよう、全員で協力していく姿勢が求められている。

btraxではアメリカ西海岸を中心としたオフィス環境作りや社内カルチャーに関するコンサルティングの提供もしていますので、ご興味のある方はtokyo@btrax.comまでご連絡ください。

 

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イノベーションの本場サンフランシスコに本社を置くクリエティブ・エージェンシーbtraxは、デザインをメインにしたコーワーキングスペース、D.Hausを運営しています。

D.Hausはデザイン的視点から日本企業と地元のスタートアップがコラボレーションを行うことを目的に、2015年10月1日よりサンフランシスコに開設されているオフィススペースです。単なる作業スペースだけではなく、最新情報の提供やメンターシップ、イベントを通じ、ヒトと技術をデザインで繋ぐ事により、イノベーション創出の為のプラットフォームを実現します。

D.Hausのご利用により敷金、礼金、保証金無しでサンフランシスコにオフィスを持つ事が可能です。詳細、資料請求等は公式サイトまで。

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