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    Mariko Higuchi

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  • Sep 13, 2016

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データサイエンティストが語るビッグデータの現状と今後 【インタビュー】日本IBM 石井旬氏 守谷昌久氏

日本IBMで日々ビッグデータの分析やお客様への啓蒙やご支援にご活躍のシステムズ&テクノロジー・エバンジェリスト石井旬氏とデータサイエンティスト守谷昌久氏のお二人をお迎えし、ビッグデータの現状と今後、また日本IBMのビッグデータに対する取り組みについて、 弊社btraxの佐藤英丸がお話を伺った。(以下、敬称略)

データサイエンティストってどんなお仕事?

佐藤:​今やバズワードとは言えないほど新聞や雑誌で頻繁に使われるビッグデータ。本日はビッグデータの概念や現状について、読者の皆さんにわかりやすいようにお話いただきたいと思います。

石井:​私は日本IBMでアーキテクトという職種を担当しており、最近はデータ分析が主な職務です。また、ビッグデータ分野のエバンジェリストという立場でもあり、多くの講演活動や執筆なども行っています。企業においてビッグデータをどのように活用していくかを日々お客様と考え、手を動かして分析しそれをビジネスの成果に結びつける仕事をしています。

今日ここでご一緒させていただいている守谷もそうなのでが、企業の皆様がご自分の企業の中に持っている顧客や取引のデータ以外にも、企業の外にある様々なデータ、例えばソーシャルメディアやオープンデータなども含めて、お客様にどのように活用いただくかを常に考えて、お客様と一緒に実践しています。

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佐藤:​ データサイエンティストという職種がクローズアップされていますが、守谷さんはデータサイエンティストという職種ですね。「データサイエンティスト」とデータを分析する職種「データアナリスト」の違いはどこにあるのですか。

守谷:​ 私はデータサイエンティスト協会の会員でもあるのですが、元々はシンクタンク系の会社でデータ分析を行っていました。私自身はあまりビッグデータという言葉は使っていません。ビッグデータという言葉が流行る10年以上前からデータ分析を行ってきました。

その頃から考えるとビッグデータという言葉がクローズアップされたことで、お客様が種々のデータと向き合うきっかけにはなったと思います。

このきっかけで、お客様も今まで捨てていたようなデータにも取り組むようになり、様々なデータを科学的に分析してより有効なデータとしてお仕事に利用できるように助けるということから「データサイエンティスト」という職種が出てきたのではないでしょうか。

私も石井と同様にお客様のところへ足を運び、お客様の課題を理解して、扱いに困っているデータからどんな価値を出せるかを分析します。もうひとつは、お客様には今まで見えていなかった洞察を既存のデータから導き出すサポートなどを行います。

佐藤眠っているデータのリアクティベート​ですね。

守谷:​ その通りです。お客様はすべてのデータを活用できているわけではありません。私や石井がスタートするビッグデータ分析は、まずはお客様の手元にあるデータから分析を始めて、価値のあるデータを導き出すということです。

佐藤:​ エンタープライズで貯まっているデータは、例えば顧客情報ですね。

守谷:​ おっしゃる通りです。今まではいわゆる集計データ、例えばどんな顧客がどんなものをどこの店舗で買っているかなどの分析でした。最近では、顧客の購買履歴や購買行動などを細かく分析することによってデータが生きてきます。

「いつ買ったか?」という日時も、その周りにどんなイベントがあったか、どんなライフスタイルの人がイベントに来ているか、だからこの商品を購入したのではないかがわかってきます。​単なる集計データに様々なデータを組み込むことにより、今までぼんやりとしていた 顧客がくっきりと見えてきます。

ビッグデータの4つのVって?

佐藤:​ ありがとうございました。データを生かすか殺すかはデータサイエンティストの腕にかかっているということですね。そこで、石井さんにお聞きしたいのですが、その特性が従来のデータとは異なっていると言われている、ビッグデータの特徴である4つのVについて教えてください。

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石井:​ビッグデータの4つのVと言われているのは、​ Volume(量)​ 、 ​ Variety(多様性)​ 、 Velocity(速度)​ 、 ​ Veracity(確実性)​ のそれぞれ4つのVです。 まずは、VolumeのV、これはデータ量ですね、ビッグと言われる所以ですのでご理解いた だけると思います。

次がVarietyのV、これはデータの種類の多様性です。従来の売り上げなどの数値データに加えて、日報の文章、設計や写真などの画像データ、コールセンターの音声データなど様々な種類のデー タが分析の対象になります。

その次はVelocityのV、なんらかのデータが入ってきたときに即時にその場で検知し、即時に処理や分析を行い、例えばリコメンデーションなどのビジネス上の付加価値を産む処理をするといった対応を行う性質のものです。

最後のVはVeracityのVです。このVeracityは若干わかりにくいのですが、ビッグデータは様々な不確実性を持っているという意味です。

例えばソーシャルメディアのデータは利用者が気ままに投稿したつぶやきに過ぎないという特性を持っており、音声も途切れたり聞こえづらかったり、企業が内部に持っている顧客や取引のデータでさえ、企業のデータ管理者がいつも気にするのがデータ品質であったりして、ビッグデータは多くの不確実性を持っているということです。

佐藤:​勉強になります。ビッグデータの特性を理解するためには、この4つのVを知っておくことは重要ですね。

石井​つまり​企業はいままで数値データを見ていれば良かったのですが、このような4つのVをもつデータが急激に増えてきて、これらの4つのVの特性を持つデータを分析していかないと他社との差別化ができ なくなってきている​ のが現状です。この4つのVを取り扱い、分析し、ビジネスの価値に転換できる能力を企業が持たなければな らないという時代になってきたと感じています。

佐藤:​ 今こそ、ビッグデータの分析ができる「データサイエンティスト」の出番ですね。

日本IBMさんは多くのエンタープライズのお客様をお持ちだと思いますが、お2人は日夜お客様のところへ行って、お客様が持っていらっしゃるビッグデータを分析して、せっかくのビッグデータが無駄にならないように有効に活用できるようにサポートをしていらっしゃるわけですね。様々な分野のエンタープライズのお客様にとって、心強い味方ですね。

石井:​ お客様の社内にビッグデータを専門に分析できる人や部署がまだまだ少ないのが実情ですので、お客様に出向いてデータを一緒に分析して、どのような分析がお客様のビジネスに有効なのかを一緒に進めていくというサポートをしています。

人とコンピューターの共生が重要

佐藤:​ ビッグデータについて書かれている本などを読みますと、ビッグデータの輝かしい面ばかりが強調されているように思うのですが、ビッグデータにも負の面があるのではないかと思っています。​ビッグデータ負の面​について教えていただけませんか。

石井:​ そうですね、​ビッグデータの負の面という捉え方だけではなく、より広い視点で、ビッグデータ分析や様々な データを利用するIoTをはじめとする企業におけるデジタル変革の負の面​が話題になっていると認識しています。

例えば、企業における今までの経営資源、つまりヒト・モノ・カネだけでなく、データそのものやデータ分析力、ロボットなどが差別化のための新たな経営資源​になってきています。これらの新たな経営資源は、これまでに経営者の方々が取り扱ってこられなかった分野や内容も多く含まれ、経営者の頭を悩ますことになります。

また、デジタル変革により経済や企業が発展しても、雇用や所得は伸びず労働者の豊かさは増えないという​ グレート・デカップリング​という現象が起きているとも言われます。

また、人の雇用がコンピューターやロボットに取って代わられるという予見なども話題になっています。これを解決するためには、企業が人材の視座を引き上げるという努力と、そのための​人とコンピュータの共生​が今後は重要になってくるのではないかと思っています。

IBMのWatsonも、人にとってかわるのではなく、人間のプロフェッショナルを支援する新たなコンピューティングという意味で、人とコンピューターの共生を実現するテクノロジーのひとつと言えます。

佐藤:​ 人とコンピューターの共生をどう考えていくか、今後は様々な企業が直面する課題になりそうですね。ところで、ビッグデータは今後どのようになって行くのでしょうか。
守谷:ビッグデータが益々膨大になっていくことにより、例えば、これまでの人間主導のプ ログラミングロボットから、自身で行動を予測できるようなロボットが存在する時代​になってくると思います。ガンダムのようなロボットが、人間に歯向かうことが適なことだと判断してしまうような結果が生まれることは有り得ない話ではないですね。

佐藤:​ そんなことにならないように、人間がビッグデータを理解して、人間のためになるように有効利用するということが重要になってきますね。
石井:​ ビッグデータを有効活用することにより、例えばソーシャルデータを分析してコンバージョン率を割り出したり、多額の受注につながるつぶやきを集めるなどのことも可能かもしれません。現に審査や査定などの業務で人間が時間をかけて行うルーティン作業を データ分析で簡単にやってしまうなどができる時代になっています。

参考記事

人間とAIが共存する世界に向けて、あるべき日本企業の姿とは 【対談】金島弘樹×Brandon

人工知能 (AI) ができる3つのこと – 消える職業と生まれる職業 –

【AIをWebサービスに活用】Airbnbはどのように人工知能を活用しているのか?

人工知能 (AI) はどこまで進歩しているのか – 4つの知能レベルと実商品例 –

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Do or Die よりSpeed or Die

佐藤:​ こうやってお話を聞いていると、ロボットや人工知能なども、その背後にあるビッグデータのどの部分をどうやって利用するかによって様々なことが可能になりそうですね。今後は益々データサイエンティストの役割が重要になってきますね。ビッグデータが巨大化していく時代を迎えて行くわけですが、これから先、どのようなことを勉強しておけば将来役に立つと思われますか。

石井どんなに技術が進んでも、手を動かすということが大切​だと思います。そして、先を見てかつスピード感を持って、その新しいテクノロジーをビジネスの価値に転換することを実現できる人になる勉強ですね。

最近は、机上のプレゼンテーションではなく、実際のデータ分析の結果から導かれた洞察の提示や、動くモバイルアプリケーションで見せることを望む経営層も増えてきているといわれます。

しかも時間をかけずにまず動く実物を見せることが重要だと思います。こう言っている私自身が日々新たなテクノロジーを自分の手で動かすことがやっと(笑)でいつも先を見ているわけではないのですが、​シリコンバレーでよく言われているという”Do or Die”は、最近は”Speed or Die”という感じでしょうか。“生か死か”ではなく“やるか死ぬか”から、“スピードを持って実装することが命”という時代に入ってきていると言えます。

守谷新しい物を感知するデザイン力や感性を磨くのが重要​じゃないでしょうか。コンピュータはこれまでになかった物を作るのが苦手です。新しい物を創りだす力、例えば、判断力やコミュニケーション力、デザイン思考力などを積極的に勉強して培っていくのはとて も重要だと思います。

佐藤:​ 今の若い人たちやビジネスマン、技術者の皆さんに対して、とても参考になるメッセージだと思います。読者の皆さんの中から、将来データサイエンティストを目指す人が出 てくるかも知れませんね。

参考:​ 人工知能 (AI)や機械に絶対奪われない3つのスキル

データサイエンティストの休日

ところで、大変お忙しく頭脳を酷使しているお仕事に携わっておられるお2人にお聞きしたいのですが、プライベートな時間は、どんなことで頭をリフレッシュされていますか。

石井:​ 自然に触れることが好きで、海岸から3kmのところに住んでいることもあり、休日はサーフィンに没頭しています。ロッククライミングも好きで趣味が高じて、自宅にボルダリングの壁を作りました。

守谷:​ 私はけっこうストイックなことが好きですね。休日は山登りとマラソンを楽しんでいます。日常の仕事の影響なのか、マラソンのタイムなどをデータ化して(笑)、密かに分析したりしています。

佐藤:​ お2人とも普段からお仕事で膨大なビッグデータと睨めっこされている。疲れた頭脳 にとって自然と触れ合うことは頭の切り替えに効果がありそうですね。

本日はお忙しいところ、お時間をお取りいただき大変ありがとうございました。ビッグデータの定義や今後、日本IBMでの取り組み、そしてこれからビッグデータに向き合っていくかもしれない読者の皆さんへのメッセージ。ビッグデータという得体の知れないものが少し鮮 明になってきたような気がしました。 また、このような機会がありましたら、いろいろと教えていただきたいと思っています。本日はどうもありがとうございました。

石井:​ こちらこそありがとうございました。
守谷:​ありがとうございました。データサイエンティストという仕事に少しでも興味を持っていただけたら大変嬉しいです。

marusan
<インタビュー後記>
お2人ともに、普段はお客様へ出向いてビッグデータと睨めっこの毎日。お忙しいお時間の間を縫って、学会や講演会などでビッグデータの啓蒙活動にも積極的に携わっておられます。お話もすごく面白くわかりやすく、さすがにお2人ともこの分野の第一人者だと思いました。またこのようなお話を聞く機会がありましたら、人工知能やロボット、そして話題の IBM Watsonのお話なども聞いてみたいと思っています。

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