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  • Brandon K. Hill

    Brandon K. Hill

    CEO of btrax, Inc

    CEO of btrax, Inc - Design Mentor to Startup Weekend - Contributor to TechCrunch Japan - Guest Speaker at UC Berkeley Asia Business Conference - Guest Speaker at Social Media Week Tokyo - Guest Speaker at 500Startups Japan Day

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  • Aug 29, 2016

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お前がどんなに頑張ってもカバー出来るのは世界の2%

最近日本のスタートアップの海外展開が目覚ましい。というか最初から海外マーケットを視野に入れたプロダクト作りやチーム編成を行なっているケースが増えている。これは至極真っ当な事で、特に国境の無いインターネットを活用したビジネスモデルであれば、日本国内向け”だけ”に展開する方がもったいない。

メルカリCEOの一言

以前より親しくさせてもらっている山田進太郎氏は現在日本初のユニコーン企業であるメルカリのCEOである。いつも気さくで冷静、会うたびに何かを学ばせてもらえる貴重な存在。メルカリはサンフランシスコに米国オフィスを構えている事で、一緒に食事に行く機会も少なくない。

そんなおりに以前彼に

”メルカリってアジア地域でもいけそうだね。展開しないの?”

と聞いてみた。彼の答えは

”うん。多分かなりいけると思うんだよね。でも今はまだやらない。まずはアメリカを中心に展開したい。”

かなり意外であった。

まずは日本国内。そして次にアジアに。と展開する日本企業が多い中で、メルカリの場合は始めからあえて難易度の高いアメリカを海外展開のメインとして考えているという。

もちろん気になるのはその理由。彼によると、もしアジア地域で展開してそれなりの成功を収めても、そのうちアメリカから似たようなサービスが出現し、それが世界のスタンダードになる。であれば最初っから本丸であるアメリカを攻め、獲得すれば、世界制覇ができるという理論。世界各地で類似サービスがあった中でFacebookが世界一のSNSになった事を考えれば納得である。

それも、米国本社の拠点をスタートアップの中心地であるサンフランシスコに置く事により、世界レベルの人材が獲得出来るし、会社としてもサービスとしても大きなブランド力が付く。確かにこの街でビジネスを展開するのは容易ではないが、そこには大きなメリットもある。

メルカリは最初から世界一を目指している。日本企業で初めて未上場で評価額10億ドルを突破したユニコーン企業になったのもうなずける。その昔、HONDAの創始者、本田宗一郎が”日本一になる為に世界一になる”と語っていた事にも通じる考えである。

参考: 日本の企業が海外進出するべき3つの理由

HONDAが米国を目指した理由

この件に関して進太郎にもう少し話しを聞いてみたところ,実は以前のメディアインタビューでも同じ事を彼は語っていた事を教えてくれた。

“ホンダの話が好きなんですよね。ホンダで海外進出するときに、多くの役員が東南アジアに行こうって言う話になったとき、本田宗一郎のパートナーだった藤沢武夫だけが、いやダメだと言ったというんですね。ほかの役員はみんな東南アジアだと言ったのに、「資本主義の牙城、世界経済の中心であるアメリカで成功すれば、これは世界に広がる。逆にアメリカで成功しないような商品では、国際商品になりえない。やっぱりアメリカをやろう」と言ったんですね。

それで2代目の副社長になる川島という方に、お前アメリカ行ってこいっていうんですよ。成功するまで帰ってくるなって感じで送り込んで、成功した。それで世界ブランドになったので結果的にアジアでもうまくいくことになった。

参考: 1000万DL突破で躍進中! メルカリ創業者、山田進太郎がピュア”C2C”にこだわる理由

どんなにそれが困難だとしても、その後の可能性を考えればアメリカを攻める理由は多いにある。

ユニコーン企業は世界を目指す

そして現代。サンフランシスコに数多く存在するユニコーン企業 (未上場で評価額10億ドル以上) に共通している点は、最初からグローバル市場を念頭においてビジネスを展開しているという点。

同じプロダクトを作る場合でも対象が国内市場だけか、グローバル化でその後の展開の可能性が大きく異なる。もちろんグローバルに展開出来る可能性が方が期待値も評価額も上がりやすい。

参考: 未上場で評価額10億ドル以上のユニコーンTop10

日本市場だけで甘んじる危険性

日本国内だけでもそれなりに儲かる。しかしそれだけだと上場した後のスケールに限界が訪れる。まずは日本市場を狙い、次に世界市場、の順番だとプロダクトが国内ユーザー向け最適化されてしまい、二度手間になるしスピードも遅くなる。そのように語ってくれたのは、メルカリと同じくサンフランシスコに米国本社を置くKaizen Platformの須藤憲司氏.

福岡で開催されたグローバル起業家育成プログラムの関連イベントに共に登壇した彼は敢えて競争の激しいサンフランシスコから世界向けにサービスを展開するその理由をそう説明する。

参考: 近い将来テクノロジーが葬る10の産業

2%のジレンマを超える為に

世界で日本語を話す人々は日本の人口+α程度しか居ない。具体的な数字にしてみると2016年現在で1億3千万人弱。世界人口が約70億程度だから、割合にしてみると1.7%程度。これに外国人で日本語を話す人が多少居たとしても、世界人口の2%以下しか居ない。

これは極単純なロジックなのだが、日本国内向けのサービスはどんなに頑張ったところで、自ずとその世界人口で2%のシェアしか獲得する事が出来ない。例え日本国内の人々全員に使ってもらったところで世界の2%しかカバー出来ない。

もちろん国や地域によって経済的な規模が異なるため、一概に2%とは言い切れないだろう。それでも、日本の経済規模は世界GDPの5%ちょっとしかない。同じく、どんなに頑張ったところで世界の5%しか獲れない。世界規模で見ると残りの95%を自動的に失っていることになる。これはかなりもったいない。

グローバル展開における明確なビジネスメリット

ビジネスの収益モデルを作成する場合には下記の方程式で行なう

見込みマーケット規模 x 市場シェア率 = 見込み収益

これが世界規模で展開するビジネスか日本国内向けでとどまるかで、= の右側の数字が大きく異なる。例えばB2Cのサービスを前提に人口ベースでの市場規模を考えると日本国内だけのサービスの場合の計算式は:

70億人 (世界人口) x 獲得市場シェア x 2% (世界の日本語人口率)

になる。これを世界展開を前提に考えれば

70億人 (世界人口) x 獲得市場シェア

となり、2%の縛りから解き放たれる。

逆に日本国内市場に限定してしまうと、どんなに頑張って獲得市場シェアを上げたとしても、常に2%の縛りが付いて回る。

例えばものすごく人気のサービスでカバーしている人口の市場シェアが80%まで到達したとしても、それが日本国内だけの場合は、下記のような数字になる。

日本で80%のシェアを獲得した場合のユーザー数

70億人 x 80% x 2% = 1.11億人

これを最初から世界市場を目指して展開すれば、たとえ獲得市場シェアが5%だったとしても下記のような数字になる可能性を秘めている。

世界で5%のシェアを獲得した場合のユーザー数

70億人 x 5% = 3.5億人

もちろん経済規模での計算式や、中国などカバーするのが容易ではない市場の事を考えればこんな単純な事ではない。しかし、国内市場だけと世界市場を視野に入れるとではビジネスの可能性に大きな違いが出る。

せっかくプロダクトを作るのであればグローバル市場を視野にいれ、2%縛りを外したが方が絶対的に有利になる。

Twitterの市場シェアは10%以下

日本を含め世界で人気のサービスの一つ、Twitterのマーケットシェアはどのくらいか知っているだろうか?2016年7月時点での最新のTwitterのユーザー数は約3.1億ユーザー。これに対して世界のインターネットユーザー数は約34億人。単純に計算するとTwitterの市場シェアは9%となり10%に届かない。

もしこれが日本国内のみ向けのサービスで、シェアが9%程度だった場合、上場が難しいどころか、まともなビジネスにすらなりにくいだろう。最初からグローバル展開を視野に入れたからこそ成り立ったユニークなサービスである。

縮小する日本市場にどう立ち向かうか

そして大変残念な事にご存知の通り日本の人口は縮小する見込みで、2050年には日本語を話す人達は世界の1%になる見込み。このデータを元に考えれば、国内向けだけのサービスを作るという事はある意味自殺行為でしかない。どんなにあがいても、シェア率xポテンシャル市場規模のかけ算をすればその可能性の低さを理解する事が出来る。

このジレンマを超える為には最初から世界市場向けのプロダクトを作成し、グローバルに展開する。それも最初はアメリカ市場をメインに攻めて行くしか方法は無い。

日本の復活を本気で考える時期

数週間前にMistletoe, Inc.の代表取締役社長 兼 CEOである孫 泰蔵さんが、下記のグラフを自身のFacebookに掲載されていた。

1960年から2013年まで約50年間の各国のGDP(国内総生産)の推移(世界銀行調べ)
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ここ50年間の世界各国のGDPの推移を表す表であるが、アメリカや中国がしっかりと伸びているのに対し、日本はカクカクしながらも結局横ばい状態である。泰蔵さんは:

若い子たち、見てろ。俺は有言実行でやるから。
かっけえって心から思えた時には、ついといで。
そんときゃ一緒にやろう。

「このままだとまずい、だから本気で取り組ま無ければならないという」意気込みを上記のコメントで表現していた。とても感動したし頭が下がる思いである。そして自分にも何か出来ないか、日本に対して本気で取り組む事が出来ないかという思いにかられた。

孫さんには現在当社ビートラックスが協力させて頂いている福岡のグローバル起業家育成プログラム『Global Challenge! STARTUP TEAM FUKUOKA』にも賛同頂き、サポーターとして支援頂いている。孫さんに加え、他にも日本の復活に対してご協力、参加頂ける同士の方々がいて大変感謝している。

今後はグローバル展開とイノベーションを対として考える必要があるだろう。

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– 矢沢永吉

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