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  • Ryo Gogami

    Ryo Gogami

    Jr. Designer

    Designer at btrax with a strong focus on branding - with deep knowledge of the fashion and retail industry.

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  • May 26, 2016

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消費者行動に革命を起こす3つのファッション系スタートアップ

Everything you need, nothing you don’t.
必要なものだけ。その他は何も要らない

まるでどこかのデザイン会社のスローガンのようだが、この考え方がファッション業界でも広がりを見せている。もっとも、ファストファッションによる消費主義が環境問題や労働搾取の問題に拍車をかけている現状のファッション業界においては取り入れられるべくして取り入れられた考え方だろう。

AirbnbやUberなどに代表されるシェアリングエコノミー系の勢いが象徴するように「モノを所有しないこと」はこの時代において一つのトレンドになっている。とは言っても「服を一着も持たない」なんてことにはなるはずがない。ではこの「所有しない」トレンドはどのようにファッション業界へ影響を与えているのだろうか。今回は3つのファッション系スタートアップをピックアップして検証したいと思う。

参考: 必要な時にだけ利用 -オンデマンド型サービス15選【Uber for X】

Poshmark

コンセプト: “すべての女性のクローゼットを洋服屋さんに”

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アメリカ版メルカリ

いま一番勢いのあるファッション系スタートアップと言えば、2011年に誕生したPoshmarkだろう。つい先月、2500万ドル(約27億円)を新たに調達したことを発表したことを見てもこの勢いはどんどん増していくことが予想されている。

まるでアメリカ版メルカリのようなこのアプリケーションは、売りたい人と買いたい人を繋げる、いわゆる”フリマアプリ”としてアメリカで大流行している。

PinterestにeBayを組み合わせたようなインターフェイス

生活用品全般を扱っているメルカリとは違い、女性の衣服に特化されているこのアプリは、よりおしゃれで洗練されたものに仕上がっている印象を受ける。まるでPinterestにeBayを組み合わせたようなアプリケーションだ。気に入った商品を”Like”することも出来るし、オシャレだと思う人がいればフォローすることで自分のタイムラインに流すことも出来る。

BUYボタンに加えてOFFERボタンも搭載されていることも一つの特徴だ。OFFERポタンとは値引き交渉をすることの出来るボタンで、「この金額まで値段が下がれば買うのに」という意思表示をすることが出来る。もし売り手がACCEPTしたらその値段で買うことが出来るし、「その値段では売れないけどここまでなら下げられれる」ということなら、Counter Offerという形で金額が売り手から再度提示される。

出品のし易さが成功の鍵

今やアメリカ女性の50人に1人が売り手としてPoshmarkを利用しているという。フリマアプリの成功の鍵となる売り手の数をここまで増やすことが出来た要因の一つとしてあげられるのが、出品のし易さだろう。

送料は基本的にすべて購入者が負担することになっている。それに加えて、商品が売れると出品者に専用の配送用ラベルが届くので、それを使うだけで簡単に発送することが出来る。フリマやオークションアプリの一つのネックとなっている配送の仕方がクリアになっているため、売り手は気軽に出品することが出来るのだ。またこのラベルを使ってPoshmarkはちゃんと実際に商品が届いているかどうかを管理しているので、購入者も安心だ。

近いうちにメンズやチルドレン、そして家具の売買も行えるようにすることを検討しているという。どんどん進化し続けるPoshmarkから今後も目が離せない。

CUYANA

コンセプト: “上質なものを少しだけ”

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きっかけは消費主義への違和感

“fewer, better thing (良いものを少しだけ)”をスローガンに掲げ、消費者に「意思のある買い物」を促すスタートアップがある。聖地サンフランシスコで生まれたファッションブランド、CUYANAだ。

スタンフォードのビジネススクールで出会ったエクアドル人とインド人の女性によるこのファッションブランドは、アメリカへ来た時に感じた消費主義への違和感をインスピレーションに誕生した。

品質と低価格でクローゼットを愛するものだけに

CUYANAとはケチュア語(主に南米で使われている言語)で”愛する”という意味。この名前にはクローゼットにあるすべての物を愛して欲しいという想いが込められている。

トレンドを追うのでは無く、長く使えて本当に好きだと思えるものだけをクローゼットに揃えて欲しいという思いから、CUYANAの商品は高品質でかつ誰にでも使いやすいデザインのものが多い。この高品質は徹底された素材と製法へのこだわりによって実現されているのだが、実際手に取ってみるとその質の高さに驚かされる。他のラグジュアリーブランドと遜色の無いくらいにクオリティーが高いのだ。

それだけでは無い。そんな高品質な商品をずっと低価格で商品を提供しているのだ。ベストセラーになっているレザートートバッグがどれも$200前後(22,000円前後)ということを考えると、他のラグジュアリーブランドのバッグの約10分の1ほどだろうか。もちろんバリエーションやブランドによる付加価値などもあるだろう。しかし、それを考慮しても破格だと言える。

同一国による現地生産にこだわる

しかも、CUYANAは「最初から最後までを一つの国で」を徹底している。つまり、原材料を生産している国で製造プロセスを完結させているのだ。例えばセーターに使われているアルパカの生地はペルー産が使われていると同時にMade In Peruなのである。運送が最低限の抑えられ環境に優しいだけではなく、現地の職人達を使うことで彼らの雇用とよりクオリティーの高い商品を製造することが可能になっている。

ファストブランドだけではなくラグジュアリーブランドの商品もMade In Chinaが増えてきていることを考えるとCUYANAの行っていることがいかに難しいことであるかがわかって頂けるだろうか。

成功の鍵はサプライチェーン

では、現地生産にこだわる彼らはどのようにしてこのコストパフォーマンスを実現しているのか。それは中間業者を挟むことなく、工場→CUYANA→カスタマーの流れを徹底させていることにある。また実店舗をサンフランシスコのショールーム以外には持たず、ほとんどの商品をオンライン上で販売していることも大きなコスト削減の要素となっている。最初の数年間を捧げたというサプライチェーンの構築こそがこのコストパフォマンスを可能にしているのだ。

目指すは無駄のないクローゼット

“Lean Closet” も彼らの試みの一つだ。”無駄のないクローゼット”という名前が付けられたこの試みは、CUYANAの商品を買うと専用の袋を貰うことが出来、その袋に自分の要らなくなった洋服を入れて送り返すと、次回購入の際にディスカウントが受けられるというもの。その衣類達はCUYANAと提携しているNGO団体によってその服を必要としている人達へ送られる。

“Less is More”

CUYANAの掲げる”Less is More”というアプローチはトレンドが移り変わることによって利益を得てきたファッションの世界では特に使う事を避けられてきた。しかし、彼らは敢えてこの言葉を企業理念として選ぶことで消費主義への疑問を投げかけている。

Material Wrld

コンセプト: “クローゼットの中身を入れ替えよう”

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日本人Co-Founderによるニューヨーク発のファッションスタートアップ

Material Wrldとはハーバードで出会った2人のアジア人女性によるニューヨーク発のファッション系スタートアップ。先日ZOZOTOWNを運営するスタートトゥディとニッセイ・キャピタルから総額900万ドル(約10億円)の出資を受けたことを発表し、Co-Founderである矢野莉恵さんは東京で行われた世界的スタートアップイベントSlush Asia 2016にスピーカーとして登壇するなど、彼らの勢いはこれからも増していくだろう。

btraxでは以前「伸び続けるアメリカファッションEコマース市場【注目の5つのトレンドを探る】」でPier to Pier オンラインショッピングプラットフォーム提供していることでピックアップしたが、2013年に現在の形へと方向転換している。

ハイブランド限定のトレードインサービス

今、彼らが提供しているサービスはラグジュアリーブランドに特化したトレードイン(下取り)サービス。買い取られた商品は彼らのサイト「The Wrld」で販売される。上述したPoshmarkへ出品される商品の平均価格が$20-$30に比べて、Material Wrldで扱う商品は$100を超えるものが多いことを見ても、ターゲットの違いを感じられるだろう。

Win-Win-Winの関係性がユーズド市場に革命を起こす

しかし、ユーズド市場はファッション業界、特にラグジュアリーブランドからは敬遠されることが少なくない。ユーズド市場で売られることによりブランドイメージが下がってしまうことを懸念するからだ。では、Material Wrldはどのようにして、彼らから受け入れられたのか。その秘密はユーザーとMaterial Wrldの間だけではなく、ブランドをも巻き込んでのWin-Win-Winの関係性だ。

服を“所有”することなくファッションを楽しむ

「服を売って得たお金は服を買うために使う。」こんなサイクルを生み出せたらブランドにとっても有益になり得る。そんな想いからMaterial Wrldは買い取り金額をオリジナルのデビットカードに入金するというシステムを採用した。このカードはNordstromのような高級デパートからSteven Alanのようなファッションブランドまで、提携する700以上ものショップで使うことが出来る。

このカードによって買い取り金額を新しい服を買うための資金にすることが出来るのだ。これにより「古い服を売って新しい服を買う」というMaterial Wrldとブランドにとって理想的な流れを生み出す事が出来た。実際このカードの導入によって、ユーザーは買取金額の約2.5倍もの金額を新たな服の買い物に使っているという。

ユーザーだけではなく、ブランドにとっても利益を生み出せるこのシステムこそがMaterial Wrldがここまで成長出来た大きな要因だと言えるだろう。

Material Wrldの誕生によって、私たちは服を所有することなくファッションを楽しめるようになったと言えるのかもしれない。

ファッション業界を成功に導くキーワード

「あなたのクローゼットの中はあなたの愛するものだけですか?」これら3つのスタートアップはそんな問いかけを通して、ファッション業界に「モノを所有しない」という考え方を提案している。

Everything you need, nothing you don’t.
そんな考え方が出来ればきっと私たちはもっと身軽に生きることが出来るだろう。

本当に愛する服だけに囲まれて居て欲しい。」これが今回取り上げた3つのスタートアップに共通する想いではないだろうか。

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イノベーションの本場サンフランシスコに本社を置くクリエティブ・エージェンシーbtraxは、デザインをメインにしたコーワーキングスペース、D.Hausを運営しています。

D.Hausはデザイン的視点から日本企業と地元のスタートアップがコラボレーションを行うことを目的に、2015年10月1日よりサンフランシスコに開設されているオフィススペースです。単なる作業スペースだけではなく、最新情報の提供やメンターシップ、イベントを通じ、ヒトと技術をデザインで繋ぐ事により、イノベーション創出の為のプラットフォームを実現します。

D.Hausのご利用により敷金、礼金、保証金無しでサンフランシスコにオフィスを持つ事が可能です。詳細、資料請求等は公式サイトまで。

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