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-東京オリンピックを控え- インバウンド (訪日客) 旅行客に魅力的なサイト作成方法
海外から日本に旅行に来る旅行客による市場、いわゆるインバウンド市場は2011年以降拡大を続けており、日本政府観光局 (JNTO)によると2015年の訪日外国人客数(推計値)は前年より47%多い1973万人となり、過去最高を記録した。
これは4年連続の増加という事となり、観光庁の発表による15年の訪日客の旅行消費額も同7割増の3兆4771億円で過去最高となった。このインバウンド客はこれからも増加する見込みで、東京オリンピックが開催される2020年には2000万人を目標としている(下図参照)。今年は2015年に続き、今後より一層海外からの旅行客は増える見込みである。
それにともない、今後旅行客が増加するに従ってインバウンド客の向けのWebページを保有するかどうかが、旅行系の企業の業績に直結してくると考えられる。今回は旅行業界の人向けに、弊社btraxのCEOであるBrandon.K.Hillが外国人顧客の予約を獲得ためのWebページ作成テクニックを以前に説明したものをまとめて紹介する。
日本国内向けページと、海外向けページはまったく別物
海外からの集客を行うためにはページ全体を通して海外ユーザーの興味を引き、問い合わせ、予約に繋げなければならない。そのためには、単純にコンテンツの言語を英語にするだけではなくページ全体のデザイン、レイアウト、コンテンツの内容、写真、文字要素などを、総合的に作成する必要がある。そして、旅行施設の魅力を最大限に引き出すために全体的なブランディング要素も重要となる。
大手ホテル等は英語のページを用意していることもあるが、英語のページとして最適な内容をそろえているかというと、そうではないというケースも少なくない。
一言に「海外向けのページ」と言ってもその内容や見せ方を日本国内向けと差別化をしなければ集客力の低いページになってしまう可能性がある。これまで数々の日系企業の海外向けWebページを制作してきたbtraxのノウハウを通して、海外からのインバウンド集客に役立つテクニックをそれぞれのポイントを踏まえ、包括的にご紹介する。
3つの観点からみる日本と海外の違い
ユーザーにとって見やすく使いすいページをつくるという点は基本的に同じ。しかし、掲載されるコンテンツの量や見せ方等、大きく異なる点が多々ある。
① デザイン
コンテンツ量とその密度に気をつける日本国内向けのページは、どうしてもコンテンツ料が多く、濃くなりがち。そのままの量を海外向けページに翻訳してしまうと、海外ユーザーから見てかなり複雑でわかりにくいページになってしまう。まず最も重要なポイントを定め、コンテンツの分量と密度を減らすそう。日本人から見て、少し物足りないぐらいでも良い。
色を統一する
私たちは日々、色に心理的、生理的影響を与えられている。例えば、暖色と寒色の温度感。同じ温度でも赤、橙、黄などの暖色は、青や青緑などの寒色に比べて 人は暖かさを感じる。色彩で人は暖かさまでも違った判断をしている。さらに温度感だけではなく色はさまざまなところで人に色彩以外に情報を与えている。
そんな色であるが、実は日本国内のWebサイトは海外と比べて利用している色の数がかなり多い。一見カラフルで綺麗に見えるページでも、海外ユーザーからするとかなり忙しく、分かりにくい見た目に思われる事が多い。従って、海外向けのページを作成する際には、なるべく利用する色の数を抑え、サイト全体に統一した色味を心がけたい。
アイコンを活用する
海外のページでは、文字コンテンツに加えその内容を表現する際にアイコンを活用することが一般的になっている。これは、さまざまな国からのユーザーからでも、視覚的に情報を理解しやすくする効果がある。英語が母国語ではない国の人でも、英語ページをストレスなく利用することが可能だ。
② ページのレイアウト
次に、ページのレイアウト関連に関してのポイントを考えてみたい。まずはページの長さ。日本国内向けはかなり長いものが多く、実はこれは日本特有の長さである。海外ユーザー向けの場合はページの長さを国内向けの2/3程度以下に減らすのが良い。
ひとつのページに詰め込みすぎない
同じページ上にさまざまな内容のコンテンツを掲載するのではなく、ジャンルの異なるコンテンツは、違うページに飛ばそう。そうすることで、ユーザーにとって情報の場所がよりわかりやすくなる。
③ コンテンツ
キャッチコピーは重要
日本語ページを海外向けにする際に絶対にやってはいけないのが、キャッチコピーをそのまま翻訳してしまうこと。提供している内容の魅力を短い言葉で最大限に引き出すキャッチコピーはそれぞれの言語で特有の表現方法があり、単純に翻訳しただけでは伝わらない。コンテンツ本文を翻訳したとしても、メインとなるキャッチコピーはその言語のネイティブライターに依頼しよう。
アメリカ英語とイギリス英語は違う
文字コンテンツを英語にする場合にも気をつける必要がある。海外向けwebサイトに英語を使った場合の英語でも、アメリカ英語とイギリス語で表現の違うがある。例えば、イギリスではお問い合 わせのページに”enquiry”、メールには”email id”、電話も”telephone”など、比較的堅い言葉を使用する傾向にある。
それに対してアメリカは比較的カジュアルで、お問い合わせに は”contact us”、メールは”email”、電話は”phone”などを用いることが多い。また年月日を表記する際、イギリスでは”日/月/年”の順番なのに対し て、アメリカは”月/日/年”の順番で表記する。これらの違いは、ターゲットのマーケットに合わせて使い分けることが大事になってくる。
問い合わせフォームは必要最低限に
日本国内向けサイトの問い合わせフォームは海外と比べると実はかなり特徴的であり、入力する個人情報がとにかく多い。例えば、アメリカでは名前とメールアドレス、そしてお問い合わせ内容などの必要最低限の情報しか聞かれないため日本のようなお問い合わせフォームに抵抗を感じてしまう人も少なくないのかもしれない。お問い合わせページで は、性別や、年齢など余計なことは出来るだけ聞かない方が良いだろう。
日本の感覚で作成したフォームだと項目内容が多過ぎる:
項目が少ない海外の問い合わせフォーム::
文字要素のフォント、サイズ、スペース
文字のフォントの種類やサイズ、スペースを日本向けページのままのスタイルにしてしまうと、文字が小さく見え、文字間隔がつまっている見づらいページになってしまう。違和感を無くした見やすいページをつくるためには、文字、行間を大きく(場合によっては小さく)、そしてフォントを海外向けに変えよう。
日本語のフォントのままだと文字が小さく、読みにくい:
英語フォントにし、サイズとスペースを大きくする事で読みやすくなる:
検索ワードに合わせたURL
SEOやサイトへのユーザー獲得に関連したテクニックであるが、英語で検索したときに検索ワードとURLが一致しているとなお良い。例えば、海外向け webサイトの事業内容のページURLにjigyouというワードを入れている日本企業があるが、検索エンジンなどで検索する際に、jigyouと検索す る人はいないだろう。それよりもcompany/our-serviceとURLに入れた方が、検索の際にヒットしやすい。
弊社では上記のようなユーザーリサーチ, UI/UXリサーチや市場リサーチを含めた多角的なリサーチを行い、ユーザーの潜在ニーズや不透明だった課題の可視化をサポートしています。
サービスやブランドをグローバルに展開する際は、展開先の国に合わせてコンテクストを深く掘り下げより良いソリューションやサービスを提案しています。
弊社のサービスや事例にご興味をお持ちの方はぜひお気軽にお問い合わせください。
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