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ソーシャルメディアにおける10の効果測定方法
ソーシャルメディアを企業のビジネス展開向けに活用する場合、その戦略に加えクリアなゴールと効果測定が不可欠となる。しかしながら、ソーシャルメディアマーケティングひとつとってみても、その効果を具体的にトラックする方法はまだまだ未発達である。
しかし、具体的な効果測定ができないうちは企業に対するソーシャルメディアの価値は限定的に感じられ、予算やリソースの確保が困難になるのが現状。
その一方で、ソーシャルメディア先進国とも言えるアメリカでは、その効果に対しての測定方法が確立されつつあり、その重要性が多くの企業で認識されている。
1. 効果測定方法の基本はSMARTメソッド
ソーシャルメディアに関わらず、全ての事柄に対してのKPI設定は、効果測定を行う際は、SMARTと呼ばれるメソッドを利用する。マーケティングの父、ピーター・ドラッカーが1954出版の著書にて提唱したこの方法は、現代でも最も効果的な方法として知られている。
1. Specific – 具体的な内容であること
具体的な目標を定める。例えば、”ブランド認知度の向上”のような曖昧な目標ではなく、”ソーシャルメディアマーケティングを活用して、6ヶ月以内にブランド認知度を10%アップさせる”などの、よりクリアな目標を設定する
2. Measurable – 測定可能であること
上記の目標を計る為の具体的な測定方法を定める。例えばFacebookのリーチ数、TwitterのRT数等、”ブランド認知度の向上”の測定方法を設定する。
3. Achievable– 現実に達成可能であること
設定する目標は現実的に達成可能でなければ意味が無い。例えば、”顧客満足度を100%にする” は恐らく達成不可能である。現実的に達成出来るゴールである必要がある
4. Realistic – 現実的に実行可能であること
大きな目標を設定しても、実際にそれを実現する為のリソースが足りない場合は、意味が無くなってしまう。ソーシャルメディアを活用した場合、リソースに加え、利用可能なツールやチャンネルを定め、実現可能なラインを定める。
5. Time-based – 締め切りが定められていること
ゴールを設定し、効果を測定する場合は、その測定時期を具体的な時間軸で想定し、締め切りを定める。”いつかは”ではなく、”いついつまでに達成する”かが重要である。
2. 具体的なゴールの種類を定める
ソーシャルメディアをビジネスに活用する場合、どうしても注目がソーシャルメディアマーケティングに集中しがちである。しかし、ソーシャルメディアを上手に活用する事で、実はマーケティング以外にも下記に代表されるような効果を期待する事が可能である。
- 認知度向上
- 見込み顧客獲得
- 購入率のアップ
- 営業支援
- カスタマーサポート
- 既存顧客の維持
- コスト削減
3. 細かな数字に注目する
次に設定したゴールをより細分化し、具体的な数字をKPIとして落とし込んでいく。例えばFacebookを活用した認知度向上であれば、下記の方法が考えられる。
- Facebook経由での新規ユーザーの流入率
- Facebook経由での新規ユーザーの平均ページビュー数
そして、この数字を設定する際には、必ず期間的な設定し、一定期間にじっくりと数字の変化をトラッキングする。
4. ソーシャルメディア経由での見込み顧客と購入を計る
ビジネスモデルによって、異なる方法での効果測定をする必要がある。例えばB2Bのビジネスであれば、資料請求の数や、お問い合わせの数など。B2Cであれば、ECサイトからの購入や、メルマガへの登録数、お友達の紹介数などが挙げられる。
そして、ソーシャルメディアを利用する場合は、上記のそれぞれのアクションに対してどのチャンネルの、どのキャンペーンから導いたかをトラック可能なコードを埋め込む必要がある。
5. コスト削減も大きな効果測定の一つ
マーケティングやビジネス戦略に関連するゴールは、どうしても売り上げや問い合わせの向上にフォーカスしがちである。しかしながら、ソーシャルメディアは、企業のコスト削減にも大きなメリットがある。
例えば、今までは電話によるカスタマーサポートを提供していた場合でも,その何割かをTwitterを活用して顧客とのやり取りをする事で、必要とされるリソースや、研修、そして労働時間の削減に伴う大幅なコスト削減を期待する事も可能になる。その際にも必ず具体的な結果を測定する必要がある。
6. 複数のチャンネルには一括管理ツールを活用
ソーシャルメディアを管理するうえで最も厄介なのが、複数のチャンネルと複数のキャンペーンを同時にマネージしなければいけない点である。最近では、FacebookとTwitterだけではなく、PinterestやYouTube, Instagramなど、ターゲット層ごとに異なるメディアチャンネルの活用が重要になってきている。
その一方で、担当者はそれぞれのチャンネルに対して異なるキェンペーンを実施し、それらの効果を継続的にトラックする事が求められる。そんな時は、複数のソーシャルチャンネルの一括管理を可能にするダッシュボード型のオンラインツールが役に立つ。
下記はアメリカの企業で一般的に利用されている代表的なソーシャル管理ツールの一例:
7. 具体的なROIを設定する
マーケティング施策を行う際にもっとも重要なキーワードはROI (Return On Investment) である。費やしたコストに対してのリターンを計る際に使われる言葉であるが、最終的な利益を図るのはソーシャルメディアに限らず、様々なマーケティング施策において困難を極める。
実際にいくら費やしたらいくらのリターンが生まれるか、はなかなか計りづらい。ソーシャルメディアからECサイトに誘導し売り上げに繋げる場合は比較的計りやすいが、それ以外は金銭的に具体的な数字を割り出すには、それぞれのゴールに対して金銭的価値設定が必要とされる。
例えば、1ユーザーが資料請求をしたら1万円の価値を生み出した、など。そうする事で費やしたコストを達成した数字から引くことで、実際のROIの計算が可能になる。
8. 必要であれば早いスピードで方向転換をする
ソーシャルメディアの最大のメリットの一つはその柔軟性にある。デジタルメディアを通じて、即座に方向転換が可能な当メディアは、なにかが上手くいかなかったときの方向転換 -ピボット- をしやすい。
一つの施策がユーザーに響いていなかったら、短時間ですぐにでも異なるキャンペーンを走らせる事が可能。その際にも必ず変更前と後での数字の変化をトラックすること。
9. トラックする数字は適材適所で
他の企業が採用しているからといって、おなじ項目の数字に注目する必要は無い。ソーシャルメディアに関連する数字としては、一般的に下記の項目が利用されている。
- FBいいね数
- ファン数
- ポストのシェア数
- コメント数
- リツイート数
- フォローワー数
- クリック率
上記の項目は広い範囲でソーシャルメディアの効果測定に用いられるが、特定のゴール設定を行ったキャンペーンにおいて、場合によってはその数字が少なくても具体的な結果を導く事で目的が達成出来る場合もある。
例えば、特定のユーザーにフォロー&リツイートしてもらう、特定のターゲット層からの問い合わせを増やすなど。ミクロとマクロの両方の側面からの効果測定&トラックが重要である。
10. バズらせることよりもコンバージョンにフォーカスする
ブログのエントリーや、新サービスのリリースキャンペーン等、ソーシャルメディア上で話題になることで、”バズ”っている状態になる。デジタルマーケティングにおいては、多くの人々が共通の話題で盛り上がる、このバズリが重要だと思われている。
しかしながら、実はものすごく話題になっていても、企業が求める効果を得られないケースも少なくは無い。原因は話題にしているユーザーが求めるターゲット層ではない事、
そして話題にしている内容がブランド認知度の向上、商品やサービスの購入、企業イメージアップなどの求める結果に直結していないのが原因である。
その一方で、あまり多くの人の間では話題になっていなくとも、求めるターゲット層がしっかりと反応してくれれば、その施策が”コンバート”した状態となり、ゴールが達成される場合もある。
施策をプラン&実行する際には、必ずコンバージョンにフォーカスする事が重要である。
筆者: Brandon K. Hill / CEO, btrax, Inc.
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