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  • Mar 17, 2014

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世界で最も注目を集めるコーポレートベンチャーキャピタル、Google Ventures

最近日本ではフジテレビやTBS等のテレビ局を初めとした大手企業がCVC(コーポレートベンチャーキャピタル)を立ち上げたことで話題になっていました。米国では古くからIntel CapitalをはじめとしたCVCが活発に活動をしており、ベンチャーエコシステムのなかで必要不可欠な存在となっています。そこで今回は後発でありながら、近年最も活発に投資を行い、最も尊敬されるCVCとなったGoogle Venturesについてご紹介します。またそれを踏まえた上で、少なからず日本のCVCにも参考になるような情報を伝えられればと考えております。

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Google Venturesとは?

Google Venturesは2009年にGoogleの経営企画部門から独立したCVCです。設立から4年ではありますが、現在では$1.2billion(1200億円)を運用し、225社の投資先を抱えています。

彼らの投資セクターは、コンシューマーインターネット、ソフトウェア、ハードウェア、クリーンテック、バイオ、ヘルスケア等、多岐にわたりますが、各セクターのなかでも特に目新しい技術やサービスに好んで出資しているようです。

投資ラウンドはシードからレイトまで全てのステージが対象となっています。ただし、シリーズA付近のスタートアップに投資していることが多いように思われます。

パートナーおよび従業員60名のほとんどがGoogle出身です。一方で、投資の意思決定はGoogle本体から独立しており、ファンドのリターンもGoogle Venturesの従業員にシェアされる仕組みになっています。

代表的な投資実績としては、UberNest 、Foundation MedicineRetailMeNotSilver Spring Networks等、大型ExitやIPOを成功させた事例が挙げられます。スタートアップ関係者にとって必須のサービスであるAngelListも積極的に支援しているようです。

どのような経緯で生まれたのか?

もともとGoogle Venturesができる前からもGoogleはスタートアップへの投資を行っていました。当時はGoogleの共同創業者であるSergey BrinおよびLarry Page、CEOのEric Schmidtの指揮のもとで、経営企画部門が投資およびその管理を担当していたようです。

Googleは2008年時点で50社のスタートアップへの投資を抱えていましたが、当時の経営企画部門のトップのDavid Drummondは、投資先の管理が上手く機能していないことに頭を悩ませていたそうです。そのような状況で、GoogleがSergey Brinの妻の勤務先であった23andMeに投資していたことが議論になり、David DrummondはGoogleの投資部門を純粋な投資リターンに集中できる環境にするべく、組織を独立させることを決めます。

そこからSergey BrinとDrummondは、当時自身のスタートアップをExitさせて世界中を放浪していたBill Marisをマネージングパートナーとして迎え入れ、2009年にGoogle Venturesを正式に立ち上げることになりました。Marisは今やシリコンバレーのVCで最も有名なパートナーの一人になっています。

Google Venturesは何がすごいのか?

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1. 純粋な投資リターンにこだわるカルチャー

CVCは親会社の戦略に即した投資活動を行うため、親会社の関心のある分野にのみ投資を行い、Exit先も親会社に不利にならない企業に売却しなければなりません。リターンの追求という意味ではそれが足かせとなってしまい、なかなかパフォーマンスの上がらないCVCも少なくないそうです。

一方で、Google VenturesはCVCでありながら、純粋な投資リターンを最優先にしており、通常のCVCでは考えられないのですが、Google Venturesは投資先企業をGoogleのライバルとなるDropboxFacebookTwitterYahoo等の企業に売却した実績があります。

スタートアップや大手VC等の業界関係者から、そうした彼らの投資家としての動き方を高く評価する声が聞こえてきます。

今でもGoogle本社でGoogle Venturesを管轄するDrummondは、「世界中のほとんどのイノベーションがGoogleの外で起きている」と発言しており、そのイノベーションの芽を見つけるためのあるべき姿として、”コーポレートベンチャーキャピタルらしくないベンチャーキャピタル”をGoogle Venturesに求めているようです。

2. 圧倒的なハンズオンチームの存在

Google Venturesでは、デザイン、プロダクト、採用、マーケティング&PR、技術、海外展開、オペレーション等、それぞれの分野の担当パートナーが分けられており、パートナーのほとんどはVC経験のないGoogle出身者です。彼らはGoogleで培った専門スキルやネットワークを投資先を育てるためにフル活用しています。

Andreessen HorowitzやSequoia Capital等の米国のトップクラスのVCでは、マネージャー以上の人数に関して、投資担当よりもバリューアップ/ハンズオン担当の方が3倍くらい多いのですが、人数だけみてもGoogle Venturesは同等以上の支援体制を持っています。

特にGoogle Venturesには、Google出身のトップクラスのデザイナーやエンジニアが多いため、デザインや技術面での支援に強みを持っているようです。個人的には特に彼らのデザインの機能に着目しておりますが、デザイナー達の支援の概要を理解する上ではこちらの記事が参考になると思います。

若いスタートアップにとっては、Googleのノウハウやネットワークにアクセスできるのは非常に魅力的であり、業界内でもハンズオンが得意な投資家として信頼を得ているようです。

彼らの投資基準とは?

Google VenturesのパートナーであるRich Miner(Androidの開発者として有名)は、こちらの記事のなかでスタートアップを見る際のポイントとして、下記の点を強調しています。もちろんGoogle本社とのシナジー等については言及されていません。

1. People first

創業者とチームメンバーのテクノロジーのバックグランドをなしに考えたとしても、一緒に働きたいと思えること。

2. Focus on three Ds: Design, design, design

デザインのエキスパートでなくても、創業者がUIやプロダクトの物理的なデザインについて深く理解していること。

3. Mobile chops

モバイルへの対応力があること。

4. Solve a real problem

誰かが本当に困っている課題に対して、解決策を提供するものであること。

5. Ability to make something

チームにプロダクトを実現する能力があること。

日本のCVCに対して言えること

1. 既存のVCよりも率先して新しい分野に投資を行い、その分野のマーケットの立ち上がりをリードすること。

2. 意思決定やインセンティブを親会社と独立させること。(従業員にも適切なインセンティブを与え、成果が出れば親会社以上の報酬が得られることを許容する)

3. 親会社から(もちろん社外からも)エース級の人材を送り込み、親会社の強みを活かした強力なハンズオン・バリューアップチームを構成すること。

いかがでしたでしょうか。今回の記事が少しでも日本のCVCの発展に貢献できれば幸いです。

 

参考文献:

原文: Google Ventures、世界で最も注目を集めるコーポレートベンチャーキャピタル

Endo Takafumi
遠藤 崇史 – Guest Contributor

東北大学大学院情報科学研究科を卒業後、日本政策投資銀行、ドリームインキュベータを経て、シリコンバレーを中心としたサンフランシスコベイエリアで、IT系スタートアップへの投資および事業支援に従事。

現在は起業準備中。米国スタートアップの最新情報を発信するブログ「Tech Babies」を運営。

 

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