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    Taro Inoue

    Taro Inoue is a Japanese born thinker-tinker tackling the integration of arts and sciences. The serendipity-motivated scientist/engineer now lives in Philadelphia, trying to promote green technology, and to create more sophisticated experiences in life. His interests lie in renewable energy, data analytics, scandinavia, fashion, and architecture.

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  • Jun 30, 2013

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【これからのハードウェアは装着型】注目のウェアラブルデバイス10選

2013年はウェアラブル(Wearable)元年と言われている。Google GlassやTelepathy Oneをはじめ、身につけられる様々なデバイスが次々に発表され、いよいよ本格的に市場に入っていくようだ。Apple社によるiWatchの発表がうわさされたり、連邦政府がプライバシー問題について言及するなど、アメリカ国内では大きな盛り上がりを見せている。2016年までには60億ドルのマーケットに成長すると見られており、テクノロジー系の企業はこぞって新しいデバイスの開発を進めている。現時点で実際にデバイスを使っている人はごく少数だが、その使用者のうちアメリカで82%、イギリスでは71%の人々が「生活にプラスに作用した」と答えている。では、いったいウェアラブルデバイスはどんなことができるのだろうか?どんな可能性を秘めているのだろうか?

Wearableって??

ウェアラブル = 身につけられるデバイス とは、メガネや時計、洋服など私たちが日ごろ身につけているものに、センサやカメラなど、コンピュータの一部が組み込まれたものである。

現在、馴染みのあるのはスマートフォンやコンピュータを使ったインターネット体験で、この場合私たちは「いまパソコンを使ってインターネットにつないでいる」という意識がある。一方でウェアラブル端末を用いると、このインターネット体験がより私たちの生活に深く浸透することになり「インターネットに接続しているとかコンピュータを使っているといった意識をすることなく、普段の生活の中で感覚的に情報のやり取りが行われることになる。世界中から集まる膨大なデータを利用し、ユーザーの生活スタイルに合った、本当に必要な情報を取り出すことが可能になる。

以下のリストは、現時点ですでに一般に発売されているものから、年内発売予定のもの、まだ発売が未定のものまで、ウェアラブルの注目デバイスを集めたものである。さまざまな方向に拡がるウェアラブルの可能性を感じていただければ幸いである。

注目のデバイス/サービス10選

1. Google Glass | Google – Mountain View, CA

googleglass

カテゴリ|オプティカル

ニーズ|次の時代を創る新しいデバイスのカタチ。統計によれば、私たちがスマートフォンを使うとき、その操作はほとんどがウェブ検索や写真/動画撮影、電話や音楽などに限られているという。これらの操作を指と画面を使った操作から、ユーザーの声で操作するようにすることで、より感覚的でスピーディな操作感を体験できる。

サービス概要|Google Glassはメガネ型の拡張現実コンピュータ。ユーザーの声に反応し、Googleウェブ検索をはじめ、内蔵されたカメラを使い写真や動画を撮影したり、天気や時間、乗換案内などの情報収集などができる。GPSも内蔵されている。iPhoneやAndroidスマートフォンを利用して設定などが行える。価格はエクスプローラープログラムで$1500(現在は終了)。量産されれば価格は下がると見られている。

今後の展望と課題|現代人には欠かせないインフラとなったGoogleの力が発揮されている。ここサンフランシスコ市内でも、ごく普通に着用している人が見かけられる。エクスプローラープログラムで戦略的にデータのフィードバック及び話題を集め、計算されたタイミングで一般販売されると見られる。盗聴や盗撮などプライバシー管理が問題となっており、ホワイトハウスでも取り上げられるなどアメリカ国内で既に話題を集めている。

Photo by XPRIZE Foundation | Flickr

2. Telepathy One | Telepathy – Shibuya, Tokyo

Telepathy

テゴリ|オプティカル

ニーズ|ユーザーが「シェアしたい」と感じてから、スマートフォンを使って実際にシェアできるまでには13もの”無駄な”ステップがあると考えたテレパシー社長の井口尊仁氏。伝えたい気持ちを感覚的に、瞬時に共有できるようテレパシー・ワンが考案された。

サービス概要|ディスプレイとカメラを搭載したデバイスで、目の前に5インチ程度の画面が映し出されているように見える。「Google Glassよりもスタイリッシュなデバイス」を目指しており、いわゆる”メガネ型”とは異なる美しいデザインが特徴。Bluetoothを使って他のデバイスとも接続でき、メールの受送信やSNSの更新確認、今見えているものの共有などができる。2013年冬(クリスマスシーズン)発売の予定。価格はGoogle Glassを下回ると予想されている。

今後の展望と課題|世界各地のイベントで登壇・ピッチを行うなどして、メディアを通して話題を集めている。Google Glassの対抗馬として注目されるが「Googleとは次の時代をともに創っていきたい」と井口氏。

3. JET | Recon Instruments – Vancouver, BC

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カテゴリ|オプティカル

ニーズ|よりアクティブなユーザーに対応したメガネ型デバイス。汗をかくような環境や激しい動きに対応した。

サービス概要|スポーツサングラス型のデバイスで全天候型。デュアルコアプロセッサ・WiFi・GPSに加え、高度計・加速度センサ・温度計などを内蔵している。またカメラやマイク、スピーカーなども搭載しており、重量は60グラム。2013年12月発売の予定で、$499で予約販売(パイロットエディション)が開始された(7月21日まで)。本格生産が開始した後は$599で正規版が出荷される予定。

今後の展望と課題Recon Instrumentsはスキー/スノーボードゴーグル用にスマートグラスの要素を搭載したSNOWと呼ばれるプロダクトで知られる。JETは基本的にその形がサングラス型に変化したものである。取り外し可能なバッテリーは6時間で、日中の使用を考慮するとやや短い。

4. Mio Alpha | Physical Enterprises Inc. – Vancouver, BC

Mio-Alpha

カテゴリ|スポーツ&フィットネス

ニーズ|スマートフォンやアプリを利用してフィットネスの管理をしやすくする

サービス概要|腕時計型のデバイスで、主要な機能はベーシックな3つ:時計・ストップウォッチ・心拍数計である。2つのボタンでシンプルな操作感。スマートフォンと接続して、EndomondoNike+RunningRunKeeperといった各種のフィットネスアプリと接続が可能(PE社が提供するネイティヴのアプリはない)。LEDと光学センサを用いて心拍をカウントする仕組み。バッテリは12〜14時間駆動。$199でAmazonなどで購入可能。

今後の展望と課題|現時点ではAndroidアプリ(Runtasticなど)との互換性には問題があるという。また液晶画面にはバックライトが内蔵されておらず、夕方以降のランニングでは画面が多少見にくくなるおそれがあるため、改善が求められる。

5. FuelBand | Nike – Beaverton, OR

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カテゴリ|スポーツ&フィットネス

ニーズ|毎日の運動を楽しくするしかけ。ナイキはNikeFuel(フューエル)という単位を発案し「1日2500フューエル分運動しましょう」といったぐあいにフィットネスの指標を作った。ゲーム感覚で気軽にフィットネスを体験してもらう取り組み。

サービス概要|ブレスレット型デバイスで、時間や運動量、カロリー消費量、歩数などが記録される。自身のコメントなども記録・シェアできる。時計よりも軽く、生活防水。端部はUSB端子となっており、コンピュータを介してデータのリンク及び充電ができる。万歩計では歩かないと計数されないが、FuelBandでは仕事中や家事・通勤中など様々な場面でフューエルが獲得でき、それを知人と比べたりソーシャルでアップしたりすることでモチベーションを創りだしている。日本語のサポートあり。7月下旬に日本でも発売予定(価格は2万円前後)。

今後の展望と課題Nike+キャンペーンの中の一つのアイテムで、他には腕時計やスマートフォンアプリ、iPodとのコラボなど色々なサービスが提案されている。シンプルで分かりやすいデザインとなっているが、生活防水なので水泳や風呂では外す必要があるという。

Photo by Peter Parkes | Flickr

6. Fitbit Flex | Fitbit Inc. – San Francisco, CA

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カテゴリ|スポーツ&フィットネス

ニーズ|毎日の健康管理(運動量から睡眠の質まで)をよりシンプルに、スマートに管理する。

サービス概要|Mio AlphaやFuelBandと同じようなブレスレット型のデバイスで、歩数や距離、カロリー消費量などが確認できるほか、眠っている間に睡眠の質(眠っている時間や夜中に目覚めた回数)も記録できる。目覚まし機能(バイブレーション)や防水機能も備えており、まさに朝から晩まで体調のデータを集めてくれる。既存のアプリケーション(LoseitRunkeeperEndomondomyfitnesspalなど)とも互換しており、ユーザーが使いやすいアプリを選択できる。コンピュータやスマートフォンとはWiFiやBluetoothを通して通信・同期する。価格は$99.95と、FuelBandに比べて買い求めやすくなっている。

今後の展望と課題Fitbit社はブレスレット型Flexの他にも、万歩計型ZipOne、体重計Ariaなど様々なカタチを提案しており、ユーザーの幅広いニーズや使い方にも対応している。一方、製品が壊れやすかったり、カスタマーサービスが遅いなど、サービスの質に課題が残されている。

7. Heapsylon | Sensoria – Redmond, WA

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カテゴリ|スポーツ&フィットネス

ニーズ|全米では2500万人がランナーとして日々のジョギングを楽しんでいると云われているが、そのうち60%の人々は何らかのケガを抱えているという。ランナーたちが、より手軽にフォームの改善や運動量の管理ができるよう発案された。

サービス概要|主にランナー向けのアンクレット型端末(足首につける)と靴下(スマートソックス)。靴下もデバイスの一部で、センサや導電性繊維などを用いているという(もちろん洗濯可能)。アンクレット端末には電池・加速度センサとBluetoothの機能が組み込まれ、スマートフォンとアクセスする。歩数・距離・スピードなどの他にも、足の体重バランスなども記録され「かかとに負担が大きな走り方」や「左足にバランスが偏っている」などといったことが把握できる。

今後の展望と課題StravaRunKeeperといった他のアプリケーションとパートナーシップを結び、よりよいサービスを模索している。APIをオープンにしデベロッパの参画も促している。医療向けのサービスも同時に提供されており、様々な利用価値が提案されている。

8. Pancreum | Pancreum LLC – Palo Alto, CA

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カテゴリ|ヘルスケア

ニーズ|血糖値の管理をより手軽でスマートに。コンピュータやスマートフォンと接続することで、リアルタイムのデータを活用しながら治療を行う。

サービス概要|Pancreus(膵臓)の役割(主に血糖値の管理)を助けるデバイスとして考案された。4つの部品からなるデバイスとスマートフォンで構成されるシステム。身体に装着するデバイスは、バッテリやCPUなどを搭載した心臓部に、3種の異なる機能を持ったそれぞれの部品を、症状に併せて組み合わせて使う。各部品はインスリンポンプ、グルコース(血糖値)モニタ、グルカゴン/コルチゾール/アドレナリンなど低血糖を防ぐ成分の投与 の役割を担っている。一般発売の日程は未定。

今後の展望と課題|さまざまな大会:Wearable Technologies Innovation Worldcupで優勝、DiabetesMine Challengeで優秀賞(Grand Prize)を獲得するなど、確かなアイディアで注目を集めている。

9. Melon | Melon – Los Angeles, CA

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カテゴリ|ヘルスケア

ニーズ|どのように集中力を高めるか、どんなときにリラックスできるか、夜はよく眠れているかなど、目では分かりにくく謎が多い脳の情報を、スマートフォンやコンピュータを使って手軽に視覚化でき、生活スタイルの改善につなげる。究極の「ライフハッキング」を目指した。

サービス概要|ヘッドバンド型のデバイスで、人間の脳波を読み取ることで、脳の活動や集中度などをデータとして取り出すことができる。バンドには3つの電極が組み込まれており、そのうち主に額に接する電極を通して前頭葉の信号を受ける。認知科学/コンピュータサイエンスを専攻していた2人と、電気工学を専攻したエンジニアが出会い、それぞれの専門を生かしたサービスを提供しようとこのアイディアが生まれた。USBから充電可能で、一回の充電で8時間持続。カラー(白/黒)やサイズ(S/M/L)の展開もある。これまでに、$80程度の資金援助に対してデバイスを提供するなど、小規模での生産・実際の利用が始まっている。価格や一般発売日などは未定。

今後の展望と課題|微弱な脳波信号の解析のためには大きなシステムが必要となる場合が多いが、Melon社はこれに関してNeuroSky社と提携し、技術の提供を受けている。Kickstarter(クラウドファンディングサイト)で資金を募った彼らは、60時間で約$290,000を調達するなど、様々な場所で資金獲得にも成功している。運動時にも装着・データ収集が可能であるとしているが、発汗時や激しい運動をすると測定の精度が落ちるとの懸念がある。

10. Digital Pain Relief | Thimble Bioelectronics – Mountain View, CA

Thimble

カテゴリ|ヘルスケア

ニーズ|身体の痛みを和らげるための治療・リハビリ法として、電気療法が広く用いられているが、こうした方法は小さな(テーブルトップ程度の大きさ)の機械を使って行われることが多い。Thimble社はこれをWearableにして、より簡単に治療が行えるようなデバイスを目指した。

サービス概要|電気的な刺激を送るパッチ。Bluetoothを通してスマートフォンとアクセス、アプリを使って痛みや治療法などの管理を行う。絆創膏と同じ要領でこのパッチを患部に貼ると、TENS(Transcutaneous Electrical Nerve Stimulation:経皮的末梢神経電気刺激)と呼ばれる電気的刺激を与え痛みを和らげる仕組み。iOSやAndroidデベロッパを集めアプリの開発に取り組んでいる。年内後半に発売予定。

今後の展望と課題|この手のデバイスはベルトや手に持って使う形で実用化されており、ニッチな市場を開拓できるか。また鎮痛作用について、TENSに代わりtDCS(Transcranial Direct Current Stimulation)と呼ばれる他の方法も提唱されており、より有効な方法を模索するなどさらなる進化が求められる。

新しいコミュニケーションのかたち

以上に10の例を挙げたが、現時点(2013年6月末)で一般市場に出ているのはブレスレット型の3つのみであり、まだ多くが試作・テスト機の段階である。年内にはいくつかのデバイスが本格的に市場に投入されると見られており、アプリの開発も追いついてこれから一層の盛り上がりを見せるだろう。

その一方で、以前から議論されている盗撮・盗聴などのプライバシーの問題や、人体(網膜など)への影響など、人々の生活に根付くまでにはいくつかの課題が残されている。また、これらのデバイスを使えば(特にメガネ型デバイスの場合)目の前の画面に注意が向くことから、目線が不自然になったり、誰もいないのに声で指令を送ったりするなど、人間らしい健全なコミュニケーションが失われる可能性がある。新しい世代における「人間らしさ」や「豊かな生活」の定義が問われることになるだろう。このように、技術以外の側面でも多くの課題は残されているが、研究開発の余地は十分に残されており、技術の破壊的イノベーションが期待される。

7月22-23日には、ここサンフランシスコでウェアラブルテクノロジーの国際会議(Wearable Technologies Conference)が予定されている。次々に生まれてくる新しいテクノロジーから今後も目が離せない。

 

ジェスチャーで画面をコントロール可能なMYOデバイスの紹介ビデオ:

文:井上 太郎

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