アメリカでの経営-リーダーシップ12のポイント

以前に書いたアメリカでの人事に関してのアドバイスでも、アメリカで会社を経営する際には、スタッフを活用するために、リーダーにはかなり高いマネージメントスキルと、人を引きつけるリーダーシップが必要だという点に少し触れたが、今回はそのリーダーシップにフォーカスを当てて、具体的にはどのようなポイントが重要になってくるかという話。そのポイントの多くが、日本で経営する場合と違い点があるが、アメリカならではの内容も少なからずあると思われる。

会社とはすなわち人の集まりであり、その組織力とスタッフのモチベーションの高さにおいて、自ずと生み出される商品やサービスのクオリティーが左右される。例えば、Apple, Disney, Starbucks, Cola Cola, そしてZapposに至るまで、多くの人が憧れを抱く会社に共通しているのは、従業員がいきいきしているという事。優秀な人材を獲得する最善の策は、既存の従業員を大切にし、やる気をアップさせる事に他ならない。さも無ければ、新しい人材が見つからないだけではなく、今いるスタッフも近いうちに会社を去って行ってしまう。

人材の流動性の高いアメリカでは特に、経営者は会社の業績よりも、従業員のやる気アップ、労働環境の改善、自身のリーダースキルの向上に注力するのが良いと思われる。

下記は僕自身がアメリカで10年近くビジネス・経営経験を元に学んだ、アメリカでは欠く事の出来ない、リーダーシップスキルにおける12のポイントである。

1. クリアなビジョンを示す

経営者のヴィジョンが授業員にとっての道しるべとなるので、出来るだけ具体的なビジョンを持つのが良い。自分自身にとってはクリアだと思っていても、それがちゃんとスタッフにも伝わっているかを確認する。たまにはスタッフに直接会社のヴィジョンを聞いて、どのくらい理解してもらえてるかを調査したり、ベタな方法だが、紙に書いて皆が見える所に貼付けておくのも良い。

2. 従業員が働きやすい労働環境を提供する

経営者にとって難しいのは、従業員が仕事をする上で最大限働きやすい環境になっているかどうか。従業員の立場になって考えてみると,会社の環境が思った以上に仕事をしにくいことに気づかされる事がある。必要とされるツールや設備を始め、ガイドライン、上司からの明確な指示や理解、そしてクリエイティブな発想が出来る環境作りが経営者の仕事である。特にベンチャー企業は、待遇面で大企業と対抗するのが難しいので、どれだけ楽しくて働きやすい環境を提供できるかが勝負になる。僕が取った一つの方法としては、やりたいことができる会社づくりである。

3. 頻繁に、そして密にコミュニケーションを取る

コミニュケーションはリーダーシップの基本。ミーティング、電話、メール、チャット等様々な方法を活用し、スタッフの気持ちを理解し、何か不都合があれば即座に対応する。また、各従業員がいつでも経営者に気軽に話しかけやすい環境を作るのが重要。例えば、毎週金曜日の4時から5時の間に相談タイムを設けて、従業員が自由に好きな事を経営者に相談できる時間を構築するのも良い。また、頻繁にスタッフとコミュニケーションを取る事により、会社の目指す方向性や経営者からスタッフに期待する事柄等をざっくばらんに話し合う事も出来る。アメリカの場合、真剣な話の間にも下らないジョークを挟む事により、より円滑に本音で語り合えるという事もお忘れなく。

4. 各従業員に会社への貢献を実感させる

会社に対しての”つながり”をあまり感じていない従業員からは、高いパフォーマンスを期待する事は出来ない。ワンマン社長の強いカリスマ性だけではスタッフは動かず、彼らが事業の企画から意思決定までの各プロセスに於いて、十分貢献できる環境を作り、会社の成功に対して貢献している事を感じられる職場作りが重要。それにより、それぞれのスタッフが自分が任されている仕事が少なからず会社の隆盛に影響する事が意識できるようになる。単純な雑用でも、仕事のクオリティーレベル次第で業績に影響する事を気づいてもらう。例えばインターンでも重要なタスクを任せ、会社にとっての必要性を認知させる。

5. 軸をぶらさない

時代や市場の変化に合わせて、細かな調整は行ったとしても、会社や事業の主軸となる方向性を決めたらなら、それはぶらさない。利益追求を目指すあまり基本的方針を頻繁に変えていると、従業員には困惑し、不安を招いてしまう。一度ゴールを設定したのであれば、出来る限り軸はぶらさない。万が一大きな軌道修正が必要になった場合は、その理由を具体的に分かりやすく説明し、十分な理解を得られてから実行に移す。

6. 気まぐれなやさしさと感謝

日常的に従業員に感謝の意を伝える事も重要。特に形式張る事無く、気軽に背中をたたいてあげるだけでも、そのスタッフに取っては大切な瞬間かもしれない。従業員が正しい事をしているのを見かけたのであれば、即座に褒め、困っている事があれば、助けを差し伸べる。人間として当然のような事が、オフィス内では意外と出来ていない事もある。

7. 成功に導く

誰もが成功を望んでいる中で、多くのスタッフは成功へのアドバイスを欲している。細かな仕事内容に目を向け、より良い結果を導きだす為のフィードバックを与え、結果を出す為のコツを教える。年次査定ではサイクルが長過ぎるので、小さな評価でも良いので、出来れば毎日の様にリアルタイムで感想を伝える。

8. 何事にもフェアに

以前のポスト-アメリカでの人事に関してのアドバイス-でも少し触れたが、アメリカでは上司のアンフェアな決断や扱いが命取りになる。もし決断の際に様々なファクターが原因で迷ったとしたならば、なにがフェアであるかを指針にするのが良いと思う。相手の立場も十分考え、自分の良心に従い、誠意に元づく判断が長期的には会社にも、従業員にとっても利益をもたらす。

9. 期待している事を伝える

上司から期待されていれば、スタッフのパフォーマンスは自ずと向上する。逆にどんなに分かりやすい指示、ゴール設定をしても、頻繁に進行具合を確認し、仕事内容に対して期待をしている事が伝わらなければ、良い結果を望むのは難しい。

10. 部下を信頼する

スタッフの仕事内容を尊重し、部下を信頼する事で、彼らからの信頼も得られる。アメリカの職場で、上司への不満No.1は信頼関係の欠如である。

11. 過ちを素直に認める

経営者やマネージャーと言えども、ミスや失敗は月もの。しかしながら、立場上なかなか素直に認めることが困難に感じる時もある。しかし、スタッフや部下に対して、自分のミスをしっかりと認め、謝罪する事により、より一層の信頼関係を構築する事が出来る。特に上下関係の概念がゆるいアメリカでは、立場関係なく切磋琢磨できるのがメリット。

12. 楽しい職場を作る

仕事場だからといって、楽しく出来ない理由は無い。堅苦しい雰囲気で生真面目に仕事をさせる必要は無い。仕事は楽しく、笑いの多い職場の方が雰囲気が活性化され、新しいアイディアも出やすくなる。職場のテンションが上がれば、難しいプロジェクトでもアドレナリンの力を借りて乗り切る事が出来る。

 

以上がアメリカで会社を経営してきた経験を元に学んだリーダーシップのポイント。会社のカルチャーを決めるのは経営者であり、そのカルチャー次第では優秀な才能を最大限活かす事も、殺してしまう事もある。スタッフのやる気をアップさせる事さえ出来れば、”働いてみたい会社”として憧れの企業を作る事も夢ではない。全ては経営者の手腕次第である。

 

筆者: Brandon K. Hill @BrandonKHill

Posted 383 days ago
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