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  • Brandon K. Hill

    Brandon K. Hill

    CEO of btrax, Inc

    CEO of btrax, Inc - Design Mentor to Startup Weekend - Contributor to TechCrunch Japan - Guest Speaker at UC Berkeley Asia Business Conference - Guest Speaker at Social Media Week Tokyo - Guest Speaker at 500Startups Japan Day

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  • Mar 23, 2011

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ついにIPO-ビジネスSNS LinkedInの裏側

昨今のFacebookブームで、日本でもアメリカ発のソーシャルメディアサービスに対してより注目が集まっているが、こちら (アメリカ)と日本国内で最も注目度における温度差があるのが、LinkedIn (リンクトイン)であろう。2011年早々にソーシャルメディアサービスの会社としては、アメリカで初めてのIPO申請をしたLinkedIn. 世界的にはかなりメジャーで、多くのユーザーが登録しているサービスであるが、その性格上日本ではかなり馴染みが薄い。

実は登録ユーザー数を見ると、日本は先進国の中では最下位(約30万人強)である。その一方で、アメリカを始めとした海外では主に多くのプロフェッショナルが、転職やパートナー探し等の目的で利用するケースが多い。また、ユーザーのデモグラフィーや、サービスのビジネス的価値、登録ユーザーの実に40%弱が年収10万ドル以上である、といった統計を考えても、現在大変注目されている企業である。

先日LinkedIn本社でのセミナーに参加。その数日後、営業マンがオフィスまで一押しサービスを説明しにきてくれたので、その体験談も含め、LinkedInの裏側を探る。

LinkedInとは?

そもそもLinkedInとはどんなサービスなのか?恐らく、日本で使っている方はかなり稀だと思われる。実際、僕自身の日本の友人でLinkedInプロフィールを持っている方はあまり多く無い。その一方で、現在までに200以上の国々にて約1億人のユーザーをを獲得し、2009年から2010年末に掛けてのユーザー数も倍増、実に平均一秒につきユーザーが1人増えている。アメリカではFacebookに次ぐメジャーなSNSと言える。

よくビジネスSNSと表現されるが、用途としては主に仕事探し及び人材探しに活用される事が多く、ユーザーは自分の学歴、職歴や技術をプロフィールに記載する事で、キャリアアップに役立てているケースが多い。言い換えるとオンライン履歴書であり、ユーザーのプロフェッショナルとしての経歴が中心になっている点から考えても、やはりビジネス向けSNSとしてのポジションが確立している。また、MixiやFacebookに見られるような、日記の更新やステータスのアップデート等はあまり頻繁に行われない代わりに、新規コネクション構築、役職変更や転職した場合等にステータス更新が表示されるのも面白い。

linkedin-search

LinkedIn上では他のSNSにも増してコネクションの数が非常に重要な意味をなし、合計コネクション数及び誰と繋がっているか、等でそのユーザーの価値が決まると言っても過言ではない。LinkedInでは繋がりに対して、1st, 2nd, 3rd, Outside of networkと言った概念が適用される。ユーザーから見て直接の知り合いが1st level connectionとされ、知り合いの知り合いが2nd, その知り合いが3rd, それ以外がoutside of networkになる。ベーシックプランでは、直接メッセージが送れるのは2ndまでで、ネットワーク外のユーザーは検索画面に実名が表示されない。従って、コネクションの数及び知り合いの多い人と繋がっている事により、将来的により多くの人と知り合える可能性が高まる。

また、プロフィール上に他のユーザーからの”推薦状”を表記する事も可能で、以前の上司や取引先の人からお勧めの文章を書いてもらうことで、そのユーザーの価値がアップする。ちなみに僕自身もスタッフを採用する際には必ずLinkedIn上でのプロフィール、コネクション数、推薦状をチェックする。

LinkedInの歴史と主な統計

LinkedInは2003年に元PayPalのExec. Vice Presidentを勤めていたReid Hoffmanが、GoogleやYahoo!への投資会社として有名なSequoia Capitalから出資を受けスタート。現在までに複数のVCファームより1億ドル以上の出資を受けている。最近はかなりの急ペースで成長を続けており、2009年と2010年の数字を見ても、売り上げ、利益ともに倍以上の成長を見せている。

LinkedInの売り上げ及び利益:

  • 2010年1月-9月期売上高: 約1.6億ドル
  • 2009年売上高: 約8千万ドル
  • 2010年1月-9月期純利益(課税後): 約1千万ドル
  • 2009年純利益(課税後) : 約-340万ドル
  • 保有キャッシュ総額(2009年末): 約9千万ドル
  • 保有総資産(2009年末): 約2億ドル

有料サービスにおける売り上げの内訳:

  • 求人リスティング: 全体売り上げの41%
  • 広告: 全体売り上げの32%
  • プレミアムアカウント: 全体売り上げの27%

トラフィック等に関する統計:

  • 登録ユーザー数: 約1億 (2011年3月現在)
  • ユニークビジター数: 約6千500万 (2010年10月-12月平均)
  • ページビュー: 約55 億 (2010年10月-12月平均)
  • 従業員数: 約1,000人 (2011年3月現在)

LinkedInの主な株主と所有株比率:

  • Reid Hoffman and Michelle Yee: 21.4%
  • Sequoia Capital: 18.9%
  • Greylock Partners: 15.8%
  • Bessemer Venture Partners: 5.1%
  • Jeffrey Winer, CEO: 4.1%
  • Steven Sordello, CFO: 1.1%
  • Dipchand “Deep” Nishar, VP Product & User Experience 1.1%

 

驚異のRecruiter Platform

先日、シリコンバレー・マウンテンビューにあるLInkedInの本社から、”LInkedInを活用したリクルーティング方法” に関するイベントへの招待状が届いた。普段より使っているサービスであると同時に、優秀な人材発掘に関して日々アンテナを張っている事もあり、早速行ってみる事にした。

まず行ってみて驚いたのが、オフィスの場所である。フリーウェイの出口がGoogleと同じであるだけではなく、ビルの場所もGoogleの真横。一通りGoogleキャンパスを走り抜けた後、最後にある建物がLinkedIn本社である。現在約1,000の従業員を収容するこの建物は、近いうちにIPOを目指している会社らしく、大先輩の真横に存在する。

セミナーのテーマは、どのようにして特殊なバックグラウンドを持った人材を見つけ出すか。そして、世の中にはどれだけ多くの消極的就職希望者が存在するかといった内容であった。LinkedInを活用すると、短時間で見つけにくい人材を簡単に発掘できるし、意外とみんな転職を考えていますよ。的な説明がメイン。

その数日後、営業マンから新サービスについての説明を行いたいので、アポイントを取りたいとの連絡が入った。アメリカではこのような営業活動はかなり稀であり、Webサービス会社が行うのは前代未聞であったが、面白そうなので話を聞いてみる事に。そこで紹介されたのが、Recruiter Platformと呼ばれるプラン。表にはあまり紹介されていない、企業の人事課や経営者向けのプランで、申し込むと通常のページとは全く違った内容の管理画面へのアクセス権がもらえるのだが、これが凄い。

簡単に言うと、まるでLinkedInのシステム管理社員が使うような内容で、全ユーザーの情報が細かな項目で検索可能になっている。最大の利用目的はやはり人材発掘であり、特に通常では見つけにくいようなタイプの経歴のユーザーを一瞬にして見つける事が可能だ。検索のパラメーターはキーワード、技術レベル、役職レベル、学歴レベル、経験レベル、ロケーション、大学名、企業名等まで詳細設定が可能で、一瞬にして求めるタイプのユーザーにたどり着けるといった、かなり反則技とも言える内容。

このプランは年間$8,200で、該当するユーザーに一斉にメッセージ送信が出来るオプションが年間$1,200で提供される。一瞬高いと思ったが、得られる機能や効率性を考えると、既存のリクルーターやヘッドハンティング業者を利用するよりもかなりお得な事に気づく。実際に目の前で若干意地悪なバックグラウンドのユーザー検索に対して8人もの候補者を、一瞬にして表示したのにはあっぱれであった。

LinkedIn Recruiter

LinkedIn vs Facebook

先日のLinkedIn本社でのセミナーにて、同社広報が曰く、”Facebookは時間潰しのツール、LinkedInは時間を節約する為のツール。” であるらしい。同じSNSでも、LIとFBでは目指しているベクトルが180度違う。LinkedInにはその利用目的に必要の無い機能は一切搭載されてないと言っても良い。例えば写真はプロフィールの一枚しかアップできないし、日記機能も無い。また、ゲームやバーチャルギフト等の遊び機能はもってのほかである。Facebookが随時変化するソーシャルグラフを意味無く楽しむ事がメインとするのであれば、LinkedInユーザーははっきりとした目的があり、最小限の時間でその目的を達成する為に利用するケースが多い。

利用するユーザーのデモグラフィーを見てみても、Facebookは学生や若者を中心としているのに対し、LinkedInは高学歴高収入のプロフェッショナルがメインである。アメリカで日常生活していても、仕事で知り合った相手に対してLinkedInのリクエストは出しやすいが、Facebook上には少々プライベートなコンテンツが多いので、滅多に繋がらない。恐らくLinkedInの方がより、”オフィシャル” 感があるのが理由であろう。

 

まとめ

日本ではあまり知名度が無いLinkedInではあるが、やはりアメリカではその実用価値はかなり高いと言える。全体の98%以上のユーザーがプロフィールの”仕事のオファーに興味がある”欄を”Yes”にしている事からも、LinkedInを通しての転職活動は今後も盛んになる見込みである。実に、LinkedInを使った企業は平均8週間以内で最適な人材の獲得に成功しているといった結果が出ている。

その一方で、一般ユーザーがせっせと自分のプロフィールを構築している裏では、しっかりとLinkedInがそのデータを元に企業向けに価値を積み上げて行ってる事も忘れてはならない。”こういうのがあると面白いよね” で始まったFacebookとは対照的に、しっかりとしたビジネス・収益プランを元に構築された LinkedInは企業としてもかなりのやり手である。

日本では転職やキャリアアップに対してのアプローチがかなり特殊・閉鎖的であるため、大幅な普及はかなり難しいと思われるが、注目すべきサービスである事は間違いない。

なお、LinkedInに関してより詳しい統計を知りたい方はこちらの図が分かりやすいと思う。LinkedIn Over view

 

ちなみに筆者のLinkedInプロフィールはこちら

筆者: Brandon K. Hill / CEO, btrax, Inc.

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btraxはサンフランシスコを拠点とし、世界の市場をターゲットにデザインソリューションで3つのサービスを提供しています。

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