Facebookページを活用したブランド構築方法
以前にデザインが担うブランディング価値についてのポストをしたが、ヴィジュアルデザイン以外の効果的なブランド構築方法として、ここ最近はソーシャルメディアが大きく注目されている。そもそもブランドイメージとは、発信側が与える”印象”と受け取り側との”やり取り”を中心に構成される事を考えると、インタラクティブな要素の強いソーシャルメディアは後者において、大変効果の高いメディアであると言える。
数あるソーシャルメディアチャンネルの中でもFacebookはその特性上、バイラル性も高く、個人的な利用以外でも、企業が提供する商品やサービス、そしてその企業自体のブランド構築ツールとしての側面も見られる。特にアメリカでは既に多くの企業がFacebook Pageを通して顧客、そして潜在顧客へのブランド構築を行っており、ここ数年の間、複数の事例を研究する事でFacebookページを活用したブランド構築における幾つかの方法論が見えて来た。
Facebook Pageとは企業や提供商品、サービス、そして個人に対する”ファン”が集まるページで、ユーザーがそのページを”Like”する事で、ファンの数を増やす事が出来る (例: btrax社のファンページ) 。 ファンになったユーザーには、そのページ上で表示される新着情報や、キャンペーン、ユーザーとのやり取りが自身のステータス上に届けられ、企業側は効果的なブランディング展開が可能になる。実に全Facebookユーザーのうち、約51%がファンになっているページのブランドの商品やサービスを他のブランドより優先して購入すると答え、約60%が友達にそのブランドを勧めると答えている。(その他のFacebookに関する統計)
その一方で、ページを単純なファン数だけでは、ブランディング価値が低いのも事実である。自社のページを”Like”してもらう以上に、多くのユーザーをEngageさせる必要がある。Engageとは日本語にするとユーザーの”取り込み”であり、効果的なコンテンツ提供を通して、興味を引き、やり取りに参加させ、そのブランドに対しての取り込みを行う。Facebook Pageを利用してのEngageには下記の7つのプロセスが考えられる。(7 Steps of Engaging fans on Facebook)
Facebookを使ったファン取り込み (Engagement) への7つのステップ
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一方で、上記のようなプロセスを経てブランド構築をする際には、少しでもやり方を間違ってしまうと、逆効果も生み出してしまう。仮にページをLikeしていたとしても、興味を失ったファンは、Likeしていないユーザーと同等の価値しか望む事が出来ない。また、最悪の場合、kページを “Unlike” してしまう。最新のCMBによるユーザーアンケート統計によると、ブランドに興味を持たなくなったユーザーがFacebook Pageを “Unlike” する理由としては、1.ポストが頻繁過ぎる, 2.宣伝ポストが多過ぎる, 3. 同じようなコンテンツが多く、面白く無い 等が挙げられる。
上記の統計で分かる通り、ファンページ運営上、避けるべきポイントがある。例えばTwitterアカウントとFacebook Pageを同期しただけで、更新を全てTweetからの情報だけに頼るのは良く無い。また、ページを見に来るユーザーに対して何かしらの”特典”を提供する必要もある。もしユーザーの興味を起因に成功し、何かしらアクションを興してもらえれば、ステータス画面を通じその友達にもページの存在を知ってもらえる一つの要因となり、まさにソーシャルメディアが持つバイラル性を活用したブランディング戦略が展開される。
実例から見るファン獲得・エンゲージ方法
それでは、実際のケースを元に、Facebookを有効活用している企業が、どのようにしてユーザーをファンに転換し、その後アクティブなEngage戦略を行っているかを検証してみよう。
ポイント1: Facebook Pageがニュースソース以外の役割を果たす
繰り返し同じような情報ばかりが配信/記載されるだけのページだと、多くのユーザーが興味を失ってしまう。プラグインやアプリを活用して、ユーザーとのインタラクションを生み出すページ生成が必要になってくる。その辺を上手く展開しているのが、ファッションブランド: ideeliのFacebook Page (ファン数は20万弱)である。
彼らのページの運営戦略のポイントとしては:
- 頻繁にプロファイル画像を切り替え、フレッシュなコンテンツのイメージを提供している。
- 新しいユーザー獲得の為に、次々とプロモーションを行っている。最近では3つの旅行が当たるキャンペーンを行った。このようなプロモーションを実行、及び景品の宣伝を通して現在のファンの取り込みと新しいファンの獲得を行っている。
- 上記のようなプロモーションを定期的に行う事で、一度参加したユーザは他にもプロモーションが行われていないかを探すため、ページにある面白いアイテムを見て回り、また次のプロモーション情報を得る為に、頻繁にページに戻ってくる。
- ファンページのタブ機能を利用し、ランダムに複数のプラグインを表示することで、常にユーザーはページ上を長時間ブラウズし複数のタブを試す。特に、”Shoes”のタブに注目すると、掲載されているフラットシューズが “上品か派手か?” について自分の意見を投票出来る様になっている。即座に開票結果が表示される投票に加えて、その靴のボックスの右下のコメントプラグインを使ってもっと詳細なコメントを入力できる。自分が残したコメントは直接自分のニュースフィードでシェアされる。ソーシャルシェアを形成する最適な方法の例である。
- また、同タブで、コメントの右下のプラグインを介して小売商品クラブのメンバーになるように誘導し、同じページのヒット数を稼いでいる。
- 上記に加え、ideeliはシンプル且つクリエイティブな方法でeコマースの要素も実装した。一度に一種類だけ購入可能な靴の画像が表示されるローテーションエリアに購入ボタンを設置した。ideeliのFacebookファンページで過ごして いる間に、ユーザーは靴の写真をブラウズしながら、すべての写真を見ることができ、気が向いた時にその商品を購入する事も可能である。
- 最後に、RSSプラグインを利用して複数のタイプのコンテンツを表示している。例えば、芸能人のジェシカ・シンプソンからのコメントをフィーチャーし、ユーザーの興味を引く事に成功している。

ポイント2: ソーシャルシェアリングの創造
実に18%のユーザーが自分の好きなブランドを支持している事を友人に伝えたい事を理由に、Facebookに載っているブランドページのファンになっている (eMarketer)。このようなソーシャルシェアリングを後押しするためには、何をするべきであろうか?
- ユーザーにシェアできる何かを与える! ユーザーは何をシェアしたいのか? 面白いあるいはおかしなコンテンツ、ジョーク、漫画、写真、ビデオ。ビデオコンテンツに注目したinfinitiのFacebookのページでは、新しいモデルの4本のコマーシャルが掲載されている。それぞれにページ専用のFacebookの「シェア」ボタンが付いており、ユーザーのニュースフィードに直接ビデオを送れるようにデザインされている。ニュースフィードで自分の友達すべてもそのビデオを見ることが可能。

ポイント3: ブランド親和性の創造
8%のユーザーがFacebook経由で初めて知ったブランドのファンになっている。そして6%がファン専用コンテンツにアクセスしている (eMarketer)。自分のユーザーを内部関係者のVIPのようにもてなし、この関係を表現する環境を構築することは、ブランド親和性を創造するのに役立つ。ブランド親和性を創造するため、Facebookファンページ上でinfinitiが実際どのようにページを利用しているか見てみよう。
- infiniti JXコンセプトカーの8月公開に先立ち、infinitiはプロフィールのページに時間限定付きの回転型写真プラグインをインストールした。これにより、今までに見たことがないコンセプトカーの写真をそのページのファンだけに公開した。また、より一層の相乗効果を生み出す為に、ファンページ上で次の写真が追加される日時までのカウントダウンを表示し、ユーザーの期待をかき立てる事に成功した。

infinitiに加えて、 EA Sports SSXゲームのファンページにも、興味深いファン向けのファン専用コンテンツが利用されている。
- 自社のゲームファンのために、 EA Sportsは、別々の日に1度に1つづつ、ゲームキャラクターをフィーチャーしたコミックコンテンツを発表している。毎回のリリースにあわせてユーザーはファンページに訪れ、コミックを閲覧する。リリースされた各コミックはファンページの訪問者だけがアクセスできる専用コンテンツの一部にする事で、ファンが感じる優越感も強化した。

Facebookファンページ以外にファンとの交流を育むにはどうしたら良いだろうか? ページ上に他のソーシャルチャンネルを記載・表示し、ファンに他のオプションを与える事も重要である。
- infinitiの初期Welcomeページでも採用されいているように、Twitterからフィードインされたコンテンツを表示する。
- 同じくinifinitiのページでは、他のソーシャルチャンネルであるFlickr, YouTube, そしてTwitterへのリンクも記載する事で、ユーザーインタラクションの幅を広げている。
企業や商品/サービスにおけるブランド構築には、顧客に対するイメージ造りと、インタラクションから生まれる親和性の創造の両方が必要になってくる。優れたヴィジュアルデザインが前者を担う一方で、ブランド経験を提供するチャンネルは複数に及ぶ。その一方で、距離的な問題等で、直接ユーザーとのやり取りが困難である場合が、ソーシャルメディアがかなり威力を発揮する。特に日本から海外ユーザーに向けて正しいブランディング構築に於いては、Facebook pageを中心としたソーシャルキャンペーンを活用する事をお勧めする。
ちなみに、具体的なキャンペーン内容や、コンテンツ制作依頼に関してはこちらから。
筆者: Brandon K. Hill @BrandonKHill
