あなたの情熱が世界を動かす〜第三回ビジネス道場イベントレポートより〜

数えきれないほどのベンチャーを見てきたシリコンバレーのVCに会うとき。限られた時間の中で彼は一体あなたの何を見るのだろうか?

「我々が見ているのはentrepreneur(起業家)の『目』です。」

起業家の目というのは一体どういうことか。Fenox Venture Capital Anis Uzzaman氏はこう続ける。

「自分が持っている会社、自分が持っている技術に情熱や自信を持っていると、それは目で伝わるんです。」

現在シリコンバレーの多くのスタートアップで取り入れられている考え方がある。「リーン・スタートアップ」、その基本コンセプトは実際のアイデアをすぐモノにして、フィードバックを受

けながら方向性を調整していく、というもの。初期段階の会社においてプロダクトやビジネスモデルが完成されていないのは分かっていて、では壁にぶつかった時、彼/彼女は立ち上がれる情熱を持っているかどうか、それこそが重要だという。

今回Anis氏がそう語ったイベント、ビジネス道場は2012年4月24日、サンフランシスコSOMA地区にあるCitizenSpaceというコワーキングスペースでbtraxとGrobalBridgeHRの共催で行われた。イベントのテーマは「アメリカ式効果的なプレゼンテーションの技法」。

イベントの前半にbtrax, Inc. CEO Brandon K Hillが全体的なアメリカ式の効果的なプレゼンテーションについて、後半にAnis氏がVCの前でのプレゼンテーションについて語った。

ここで二人が共通して言っていたことを2つ紹介しよう。

1.自分を伝えるためにプレゼンテーション能力は非常に重要である。

Brandon: アメリカでビジネスを成功させる要素としてよく言われるのは「90%のコミュニケーション能力と10%の専門能力」。日本独特の「空気を読む」という文化はアメリカに存在しない。そこで自分をしっかり伝えないといくら自分が優秀だったりプロダクトが素晴らしくてもそれは相手に伝わらない。
Anis: 日本の技術はやはりものすごく高いレベルにある。実際、アメリカの会社を見てるときの感覚と日本の会社を見てるときの感覚って技術のレベルとかは差はあまり無く、では差

はどこにあるかというと日本の会社が世界レベルで自分達の持ってるものを表せてないだけ。

2.英語の心配は過度にいらない。

Brandon: アメリカ人でもプレゼンで使う英語は簡単でシンプルなものを使う。簡単な英語を、クリアに、ゆっくりと喋ること。また重要なポイントは3回繰り返すといい。また英語のなまりも個性の1つ。
Anis:我々VCとしては、「あなたがどれくらい英語が得意か」は関係ない。「私の気持ちをどういう風に伝えるか」というのが一番重要になってくる。そのための1つの方法がデモを作ること。

イベントではこれ以外にも多くの成功するプレゼンテーションの秘訣が紹介された。内容の詳細は今回のイベントの全文書き起こしUstreamの録画から見ることができる。

このイベント、ビジネス道場は今回で3度目。サンフランシスコ在住の起業家精神を持つ日本人に向けてのセミナーと参加者同士のネットワークづくりのために、という二つの目的で始まった。

今回は新しい企画として当日来場頂いた方に、Anis氏やBrandonの言う情熱—自分の思いをスケッチブックに書いて頂いた。

私が今回のビジネス道場で気付いたことは、もっと現状を良くしたい、と熱い情熱を持つ日本人の仲間がサンフランシスコにも日本にもたくさんいるということ。そしてこの情熱は何にも変えて持ち続けていくべきものであり、伝えようと言う意思があれば相手にきっと伝わる。

「私の気持ちを伝えたい」という情熱をどういう風に伝えるか、その方法を考えないといけない。」
(Anis氏のプレゼンテーションより)

実は今回のイベントは私がbtraxでインターンを始めて、初めて担当したイベントである。準備不足の点もあったかと思うが、来場頂いた全ての方、Ustreamでイベントを見てくださった方、プレゼンターのAnis氏、イベントチームメンバー、そして素晴らしい経験を与えてくれたbtraxに心から感謝したい。

 

〜迷ったら逃げろ〜 [起業家インタビュー] NEW PEOPLE 代表堀淵清治氏

迷ったら逃げろ。
これはNEW PEOPLE, Inc. CEO 堀淵清治氏が日本の若者へ送ったメッセージだ。

まずは直面していることから逃げろ、と言いたい。これを選ばなきゃという社会的プレッシャーや不安は確かにある。だけど、思い詰めることなんて何もない。とりあえず迷ったら逃げる。逃げられなくなったら腹をくくる。

そういう考えの方が、世界平和の役に立つと思うんだけどな。(笑)」と最後にお茶目に付け足す堀淵氏は筋金入りのヒッピーだった。早稲田大学法学部卒業後就活をせずにそのままアメリカへ飛び立ったまま、10年間事実上仕事をせず山にこもっていたという。しかしその後1985年に会社を立ち上げた彼こそが、日本が世界に誇るマンガという文化をアメリカ、そして世界へ広めた第一人者。彼は今、ここサンフランシスコでまた新たな挑戦を始めている。一起業家として、堀淵氏にこれまで、そして今後のビジョンを伺った。

自分の直感に従って「面白い」と思うことにトライし続けてきた結果が、日本とアメリカ、そして世界とを結ぶ「文化の架け橋」となった。(中略)我々ひとりひとりの直感は、きっと世界のどこかでつながっている。僕はそう信じている。
『萌えるアメリカ』P11)

なぜアメリカに来ようと思ったのでしょうか。

大学三年のときに友達と一ヶ月サンフランシスコを旅行。この全てを包み込むような雰囲気にすっかり惚れ込んでしまって、卒業と同時に渡米。なぜ日本で就職しなかったかというと、知らない誰かと机を並べて仕事をするのが嫌だった。

どのようにして日本のマンガをアメリカに持ってこようという発想を思いついたのでしょうか。

大学生時代、マンガは好きだったけどマンガオタク、という訳ではなかったんですよ。久々に一時帰国した際に読んだ大友克洋の『童夢』を読んで、日本のマンガはここまで進んでいるのか、と衝撃を受け、1985年、小学館のオーナーに会ってそのときふと「日本のマンガをアメリカでやったら面白いと思うんです。」と話したことから話が始まった。
ビジネスなんてほとんど何も知らなかったしマンガオタクでもなかったけど、逆に知らなかったことが良かったのかもしれない。

堀淵氏は1986年7月7日に小学館の出資を受けVIZ Communications, Inc.を設立。1999年のアメリカでのポケモンの大ヒットや、2002年にはアメリカ版週間少年ジャンプを販売開始。まさにアメリカにおけるマンガ/コミックス市場拡大を牽引してきた。

卒業と同時に渡米し、マンガオタクでもなくビジネスの知識もなかったという堀淵氏。金儲けやビジネスに興味が無く、自分のやりたいことを追い求めて気付いたら会社という形になって人が周りに集まっていた—多くの起業を志す人々は堀淵氏のように自分のやりたいこと、夢を追い求めて結果会社を作りたいと思い起業家となるのだろう。ではその後、世の中から求められて会社を大きくしていく必要がでたとき、どのようにその組織を大きくしていくのだろうか?

起業家、経営者として、どのように組織を大きくしていくのでしょうか。

できない。僕にも君にも。そもそもの発想が違うから無理なんだ。
そういったことを考えてくれるパートナーがいてくれれば大きくなる。逆に経営者はentrepreneurとしての最初のビジョンが何よりも重要。僕みたいに適当にやっていこうって人もいるけど、100人近く(の組織)になってくるといい加減なことは出来ないよね。(笑)だからHRが必要になってくる。

会社を大きくしていくこともなかなか勇気がいる。その辺はまあ、そうなったときに考える。とにかく自分の思い描くコーポレートカルチャーを作り守って行くこと、ビジネスパートナーとして会社のことをきちっと考えてくれる人、この2つが重要。
1987年に堀淵氏を含め4名でスタートした VIZ Communications, Inc.はその後2003年に小学館と集英社の合同出資を受けてVIZ, LLCに。2005年にはマルチメディアカンパニーとしてのブランドを確立するために小プロエンターテインメントと合併しVIZ Media, LLC.と改名。アメリカに日本のマンガが広がると同様に拡大していったVIZだが、現在堀淵氏の軸は出版業務から映画配給やイベント運営に移っている。
2009年、堀淵氏はサンフランシスコのジャパンタウンにNEW PEOPLE, Inc.という新しい会社、そして同名のビルを立ち上げた。

現在はマンガ出版の第一線からは退かれているとのことですが、どのようなことをされているのでしょうか。

ビル建てたからね、NEW PEOPLEの管理運営かな。(笑)あと映画の配給とポップカルチャーのお祭り、アメリカに進出してくる日本企業のお手伝いをしている。
特にビルに関するところでは、京都のデザイナーと100%made in Japan、失われつつある日本の伝統技術で『SOU・SOU』というブランドを作っている。例えば、地下足袋は放っておいたらなくなってしまうけど、スニーカー風にして・・・ゆっくりでいいからこれを世界中に売り出して行きたい。日本の伝統文化を守るためという民族主義的発想よりは、(日本の伝統文化は)純粋にかっこいい!っていう発想。かっこいいものを作りたい。

 そう語る堀淵氏は著書の中でも日本という国の魅力を以下のように述べている。

僕にとって日本の魅力とは、この国のおおらかさや曖昧さから生まれる美しい柔軟性だ。(中略)ではその(日本人らしい)オリジナリティとは何なのかとあらためて考えるとき、僕はやはり、アメリカへやってきたすぐの頃、ヒッピー文化を通じて精神世界や東洋思想に触れた際に思いがけず再開した「八百万の神々が住む国ニッポン」の美しい自然を思い起こす。(中略)それはつまり、世界はいつも我々とつながっているのだということを、古代から聖域として遺し伝えて来た国のオリジナリティだ。
『萌えるアメリカ』P244)

今後のビジョンについて詳しくお聞かせください。

日本の価値を世界に紹介する「文化ビジネス」を今後もっとやっていきたい。日本の知恵・ノウハウをもっとアメリカに、そして世界に伝えていきたい。ただこればっかりはなかなか一起業がビジネスとしてやることに限界を感じていて、本当は国がもっとお金を出してやっていく必要があるだろう。
具体的に今後やろうと思っていることは2つ。
1つは1年に1回行われるJ-POPサミットをもっと洗練させて大きくしていきたい。
あとは日本からアメリカに来たいと思っている若い人や会社へのコンサルティング。今、パワーはアジアに向いているけどアメリカは巨大な国で、ここで何か出来ることはないかなって来る人がたくさんいる。一緒にやれて、自分も面白くて、ビジネスも上手く行くと思うものをお手伝いしたい。
ただ、アメリカだから自由でいいでしょ、って思ってる人がいるけどそれは違う。どこでも人と人との基本の付き合いがあるから礼儀をつくすとか最低ラインの基本が無いとダメ。

今年で4回目となるJ-POP SUMMIT Festivalは「Cyberpop Overload!」をテーマに2012年8月25日、26日にサンフランシスコのジャパンタウンで開催される予定。詳しい情報はNEW PEOPLE, Inc.のwebサイトまで。

[イベント告知] 第二回ビジネス道場~Jazz Club「Yoshi’s」創設者 秋葉好江 氏~

businessdojo

3月30日に日本・東京にて、第4回SF New Tech Japan Nightセミファイナルが開催される。当日は全15社のユニークなスタートアップ企業が4月25日サンフランシスコにて開催される本戦行きをかけて火花を散らすことになるが、応募企業も回を経るごとに増加し、今回過去最高の応募総数となった。日本のスタートアップ企業の海外志向の高まりが伺える。

btrax社ではJapan Nightを通じて日本企業の海外進出を支援するとともに、実際に海外にてビジネスを展開する日本人の支援にも力を入れている。その取り組みのひとつが今回で2回目を迎える「BUSINESS Dojo(ビジネス道場)」である。

ビジネス道場は、サンフランシスコ・シリコンバレー地域の起業家精神を抱く日本人に向けて、志を同じくする同志たちと集まり、ビジネス知識および起業への意識を高めあうための機会を提供すべく始まった。起業家や専門家を1人フィーチャーし、自身の成功経験や失敗経験、起業において役立ったアプローチなど、米国で起業家として力を発揮するための貴重な情報を共有することを目的としている。

初回であった前回は、著名なコワーキングスペースであるCitizen Spaceにて、人事・異文化問題のスペシャリストとして知られるGlobalBridgeHR副社長Rochelle Kopp(ロッシェル・カップ)を招き、「シリコンバレーでの効果的な採用面接の進め方」についてのプレゼンテーションが行われた。そして、第2回となる今回は、Jazz Club「Yoshi’s」の創設者である秋葉好江氏をスピーカーに迎え、卓越したアーティストでありつつ、第一線で活躍する起業家でもある秋葉氏の起業家精神についてお話をいただく。

起業に向けた意識、知識の共有、ネットワーキングの貴重な機会である第2回ビジネス道場の参加チケットの購入はこちらから。

■イベント詳細

日時:3月27日(火)18:00~21:00

場所:Citizen Space (425 2nd ST #100, San Francisco, CA 94107)

■スケジュール

18:00 会場オープン

18:00~19:00 ネットワーキング

19:00~20:00 プレゼンテーション(秋葉好江氏)

20:00~21:00 ネットワーキング

■プレゼンテーションの内容

・サンフランシスコ近辺のベイエリアで、数多くの日本食レストランの経営者が存在する中、どうして秋葉氏は際立って成功しているのか?

・秋葉氏の起業家精神とは何か?

・長く成功し続ける秘訣とは何か?

■プレゼンター略歴

akiba
秋葉好江

ジャズクラブ「Yoshi’s」 創設者。神奈川県逗子出身。戦争孤児で私設の孤児の家で育つ。1963年に渡米。ワシントンDCからボルチモアを経て、1968年、カリフォルニア大学バークレー校にてアートとダンスを専攻。また、ミルズ大学大学院にてダンスセラピー、パフォーミングアーツを学ぶ。1972年に日本食レストラン「Yoshi’s」を開店。同店は現在、全米屈指のジャズスポットとしてオークランド、サンフランシスコで営業中。現在、お店の経営の傍ら自宅で子供を中心に茶道、禅、華道を教えている。2011年10月に講談社より「We can do it! みんな できるさ 戦災孤児が叶えたアメリカンドリーム 」を発売。

■主催者について

ビジネス道場は、btraxGlobalBridgeHRの共同プロジェクトとして運営されています。

btrax
btrax

btraxは、異文化ブランディングとウェブコンサルティングを手がける専門会社です。新興企業や新規ブランドのほか、世界的な大手企業や広告代理店の事業支援で豊富な実績を誇り、顧客は現在6カ国に広がっています。主なサービスには、ウェブデザインとウェブ開発、Eコマース、ソーシャルメディア、携帯メディア、ブランディング、ローカリゼーションなどがあります。

globalbridge
GlobalBridgeHR

GlobalBridgeHRは、人事コンサルティングとアドバイザリーサービスを総合的に手がけており、特に米国で事業展開する外国資本企業や外資系列企業のコンサルティングを得意としています。チーム形成のあらゆる段階にわたるサービスを提供しており、効果的に社員の能力を開発し、士気を高め、成果に報いるための人事管理インフラの策定を支援しています。

公式ウェブサイト: http://businessdojoevents.com/

Facebook Fan page: http://www.facebook.com/pages/Business-Dojo/349019371797090

多くの皆様のご来場を、心よりお待ち申し上げております。

[イベント告知] 第二回ビジネス道場~Jazz Club「Yoshi’s」創設者 秋葉好江 氏~

businessdojo

3月30日に日本・東京にて、第4回SF New Tech Japan Nightセミファイナルが開催される。当日は全15社のユニークなスタートアップ企業が4月25日サンフランシスコにて開催される本戦行きをかけて火花を散らすことになるが、応募企業も回を経るごとに増加し、今回過去最高の応募総数となった。日本のスタートアップ企業の海外志向の高まりが伺える。

btrax社ではJapan Nightを通じて日本企業の海外進出を支援するとともに、実際に海外にてビジネスを展開する日本人の支援にも力を入れている。その取り組みのひとつが今回で2回目を迎える「BUSINESS Dojo(ビジネス道場)」である。

ビジネス道場は、サンフランシスコ・シリコンバレー地域の起業家精神を抱く日本人に向けて、志を同じくする同志たちと集まり、ビジネス知識および起業への意識を高めあうための機会を提供すべく始まった。起業家や専門家を1人フィーチャーし、自身の成功経験や失敗経験、起業において役立ったアプローチなど、米国で起業家として力を発揮するための貴重な情報を共有することを目的としている。

初回であった前回は、著名なコワーキングスペースであるCitizen Spaceにて、人事・異文化問題のスペシャリストとして知られるGlobalBridgeHR副社長Rochelle Kopp(ロッシェル・カップ)を招き、「シリコンバレーでの効果的な採用面接の進め方」についてのプレゼンテーションが行われた。そして、第2回となる今回は、Jazz Club「Yoshi’s」の創設者である秋葉好江氏をスピーカーに迎え、卓越したアーティストでありつつ、第一線で活躍する起業家でもある秋葉氏の起業家精神についてお話をいただく。

チケットの購入はこちら

■イベント詳細
日時:3月27日(火)18:00~21:00
場所:Citizen Space (425 2nd ST #100, San Francisco, CA 94107)

■スケジュール
18:00 会場オープン
18:00~19:00 ネットワーキング
19:00~20:00 プレゼンテーション(秋葉好江氏)
20:00~21:00 ネットワーキング

■プレゼンテーションの内容
・サンフランシスコ近辺のベイエリアで、数多くの日本食レストランの経営者が存在する中、どうして秋葉氏は際立って成功しているのか?
・秋葉氏の起業家精神とは何か?
・長く成功し続ける秘訣とは何か?

■プレゼンター略歴
秋葉好江

ジャズクラブ「Yoshi’s」 創設者。神奈川県逗子出身。戦争孤児で私設の孤児の家で育つ。1963年に渡米。ワシントンDCからボルチモアを経て、1968年、カリフォルニア大学バークレー校にてアートとダンスを専攻。また、ミルズ大学大学院にてダンスセラピー、パフォーミングアーツを学ぶ。1972年に日本食レストラン「Yoshi’s」を開店。同店は現在、全米屈指のジャズスポットとしてオークランド、サンフランシスコで営業中。現在、お店の経営の傍ら自宅で子供を中心に茶道、禅、華道を教えている。2011年10月に講談社より「We can do it! みんな できるさ 戦災孤児が叶えたアメリカンドリーム 」を発売。

■主催者について
ビジネス道場は、btraxGlobalBridgeHRの共同プロジェクトとして運営されています。

btrax

btrax

btraxは、異文化ブランディングとウェブコンサルティングを手がける専門会社です。新興企業や新規ブランドのほか、世界的な大手企業や広告代理店の事業支援で豊富な実績を誇り、顧客は現在6カ国に広がっています。主なサービスには、ウェブデザインとウェブ開発、Eコマース、ソーシャルメディア、携帯メディア、ブランディング、ローカリゼーションなどがあります。

globalbridge

GlobalBridgeHR

GlobalBridgeHRは、人事コンサルティングとアドバイザリーサービスを総合的に手がけており、特に米国で事業展開する外国資本企業や外資系列企業のコンサルティングを得意としています。チーム形成のあらゆる段階にわたるサービスを提供しており、効果的に社員の能力を開発し、士気を高め、成果に報いるための人事管理インフラの策定を支援しています。

 

公式ウェブサイト: http://businessdojoevents.com/
Facebook Fan page: http://www.facebook.com/pages/Business-Dojo/349019371797090

多くの皆様のご来場を、心よりお待ち申し上げております。

 

米国のデザイン教育から学んだこと

はじめに

教授からのWhy? Why? Why?と立て続けに押し寄せる「どういったロジックを元に〜をデザインしたのか?」という質問の嵐に対して、学生達がBecause, Because, Becauseと素早く理論を構成して「何故なら〜だからです」というロジックを組み立て続ける。そんな米国大学で展開されるデザイン講義を目の辺りにしてきた僕は、「デザインとはこんなにも理論的なプロセスだったのか」という率直な実感を持っています。

デザインと聞くと、生まれ持った才能を存分に発揮して、クリエイティブに様々なものを生み出していくというイメージをお持ちの方も多いかも知れませんが、これは全くの誤解であると言えます。本来、デザインプロセスとは問題解決を前提としているため、地味な作業の連続であり、非常に理論的なプロセスで構成されています。

僕は日本で5年間、米国で3年間デザインの教育を受けましたが、実感として米国におけるデザイン教育の方が理論的な傾向は強いと感じています。そこで今回は、僕が一体どんなデザイン教育を米国大学で受け、何を感じてきたのかということをお伝えさせて頂きたいと思います。

1. デザインとアートの違い

“What is the difference between art and design?”(デザインとアートの違いとは何か?)この質問は、米国で初級デザインクラスを受ける学生達が、教授達から頻繁に投げかけられる問いの1つです。何故この質問がよく使わるのかというと、デザインを習い始めた学生の多くは、デザインとアートを混同しているためです。デザインとアートの間には、決定的な違いあります。それこそ”Design solves a problem, art is expression”(デザインとは問題解決であり、アートとは自己表現である。)というものです。

ここから言えることは、Why?をBecauseで説明出来なければ、それは明らかにデザインではないということなのです。何となく、個人的に好きだから、感覚で、といった理由を述べた時点でそれはアート(自己表現)であり、デザイン(問題解決)ではありません。それは言い換えると、問題と向き合い、それを解決する中で生まれたモノのみがデザインであるということでもあります。では一体どういった要素や原則を元に、デザイナー達はロジックを組み立てるのでしょうか。

2. デザインの基本要素と基本原則

僕が教わったデザインの教授は、7つのwhyに答えられない者はグラフィックデザイナーではないと常々口にしていました。何故ならデザインの基本要素は7つ存在していて、そのそれぞれに対してBecauseを考えるのは基本中の基本であるとされているからです。

下記が、デザインにおける7つのBasic Elements(基本要素)です:

  1. Line(線)
  2. Color (色)
  3. Shape (形)
  4. Space (空間)
  5. Form(フォーム)
  6. Value (明度)
  7. Texture(質感)

 

デザイナー達は何かを作る際にはこれらのデザインを構成する全ての要素に対してBecauseを考えていきます。また、デザインにおける6つのBasic Principal(基本原則)というものがあり、要素を組み合わせて全体構成を考える際に適応されます。

  1. Balance(バランス)
  2. Gradation(グラデーション)
  3. Repetition(反復)
  4. Contrast(コントラスト)
  5. Harmony(調和)
  6. Dominance(割合)

 

初級デザインのクラスでは、優れたデザイナーがデザインしたものを上記の要素にそれぞれ分解•分析して、なぜそれが優れたデザインなのかということを知り、説明出来るようになることから始まります。

ちなみにもう少し上のクラスになると、Why?→Becauseという1つの階層で終わるのではなく、Why?→Because→Why?→Because→Why?→Because→…をどんどん繰り返すようになります。これは一つの側面からWhyを問い続けることで、問題の本質まで思考を巡らせるためです。これを様々な側面から行うことで、理論をより強固なものにしていきます。

ここまで読むと、Whyに対するBecauseさえしっかりしていれば見た目はどうでもいいのか?という疑問が浮かんでくるかも知れませんが、実はデザインにおける「問題解決」と「見た目」は密接に関わっています。

4. 機能と形態は表裏一体

デザインは美的造形性に加えて、優れた機能性も同時に兼ね備えていることが必須です。ここで言う美的造形性とは見た目の美しさであり、機能性とは本来そのデザインが担う問題解決の手段を指します。

この文脈で、有名な建築家ルイス・サリヴァンが残した”form follows function”という考え方は現代に受け継がれ、芸術やデザインの分野に多大な影響を与えました。これは機能(問題解決)を追求することで形態(見た目)が自然に定まるとする考え方です。

現在プロダクトデザインで世界的な地位を築いたAppleの創設者であるスティーブ•ジョブズが残した下記の言葉もまた、そうした考え方を深く反映するものであったように感じています。

“デザインとは「どう見えるか(how it looks)」ではなく、「どう機能するか(how it works)」の問題である” — スティーブ・ジョブズ

ただしこれを機能が最も重要という意味で捉えてしまうと本来の意味を見失ってしまうかも知れません。機能と見た目は表裏一体。だからこそwhyを問うことが重要であり、それに答えることは見た目の美しさを洗練する行為でもあるのです。

5. デザインプロセス

ではもう少し広義でのデザインを考えた時、全体的にどういったプロセスで構成されているのかということをご紹介したいと思います。デザイン分野によって細かなステップは違うものの、僕の通っている大学では大まかに以下の5段階がデザインの基本フェーズとして教えられています。

a. Understand the problem(問題の理解)
b. Gather Information(情報収集)
c. Think by sketching and choose one (アイデアの拡散と収束)
d. Production(アイデアの具現化)
e. Refine (改良)

a. Understand the problem(問題の理解)

最初の段階では、まずクライアントが抱えている問題を洗い出します。多くの場合はヒアリングをすることから始め、デザインによって解決するべき問題が何になるのかを特定していきます。

この段階で、そのデザインが達成するべきゴールは何で、最終的に見たり使ったりするのは誰で、競合にはどんな相手が居て、デザインが最終的に置かれる環境設定は具体的にどんな具合で、伝えるべきメッセージは何で、どういったイメージを利用者に抱かせるべきで、どんな反応を得たいのかといったことを突き詰めて行きます。

b. Gather Information(情報収集)

問題を特定したら、次にその問題を解決するために必要な情報を収集するべくリサーチをしていきます。オンラインではWebサイトやデータベースを見ながらファクトを集めたり、オフラインでは必要とあればインタビューを設定して問題解決のキーとなる情報を持つ方へ直接話しを伺いに行ったりもします。また、何かを作る場合にはどんなリソースが利用可能で、どういった素材を使うことが出来るのかといったことも考えていきます。

c. Think by sketching and choose one (アイデアの拡散と収束)

「合計が10となる数式を求めなさい」という問題には、1+9、2+8、3+7…というように多くの求め方が存在するように、現実の世界でも1つの問題を解決するための道筋は数多く存在しています。

そこで、問題を特定し考えるために必要な情報が揃った後は、徹底的に解決方法の数を出すというプロセスを踏みます。このフェーズにおいて、IDEOという世界的に有名なデザインコンサルティング会社が行うブレインストーミングのフレームワークは非常に有名です。

1.Defer Judgement (批判を延長する)
2.Encourage Wild Ideas (突飛なアイデアを奨励)
3.Build on the Ideas of Others (他人のアイデアを再利用する)
4.Stay Focused on Topic (テーマにだけ集中する)
5.One Conversation at a Time (1度に1つの会話)
6.Be Visual (ビジュアル化する)
7.Go for Quantity (量を追求する)

彼等はこのフレームワークを元にブレストを行い、数多くの案を次々と出して行きます。最終的には壁一面がイラストや言葉で表現されたアイデアを書いたポストイットで埋め尽くされます。

こうしたブレインストーミングに限らず、様々な切り口を拡散する思考方法をラテラル思考(水平思考)と呼び、ロジカルな思考だけでは辿り着きづらいクリエイティブな解決案にまで思考幅を拡大させることを主な目的として利用されます。

また、僕の通っている大学では「考え尽くしたら思考をオフにしてリラックスする」という方法も推奨されています。人間の脳は、まったく関係のないことをしている時に特定の答えを閃きやすいという性質を利用したアイデア発想法とされています。

こうして拡散された数多くの案は、合評やフィードバックを経て収束され、選んだ案を元にデザインを作る段階へと入って行きます。

d. Production (アイデアの具現化)

「作りながら考えろ」というのはデザインを学ぶと必ず教わるやり方です。何かを作る時、頭や紙の上だけで考えてしまうとどうしても机上論になりがちなので、実際に作りながら進めるのが一番効果的であるということを伝えています。

1-3の段階で大まかなパズルのピースは出揃い、それらをどのようにはめ込み、組み立てるかといった一連の仮説やストーリーは出来ています。しかし、実際に作ってみないと分からない部分というのがどうしてもあるため、アイデアを具現化させながらさらに作りこんでいく必要があります。

この段階で、デザイナーはモックアップやプロトタイプと呼ばれる完成一歩手前となるダミーに落とし込んでいくのですが、設計図で見るデザインと、形になったデザインを見るのとでは感じ方に天と地ほどの差があります。

また人間の認知能力というのは非常に優れていて、僕たちはデザインを見た瞬間、無意識のうちに様々な情報を認識•識別しています。こうした認知のおかげで僕たちは「あっ、このデザイン何となく好きだな」と一瞬にして感じることが出来てしまいます。

“God is in the details.”(神は細部に宿る)という言葉がありますが、無意識の認知は細部にまで及び、例え1mmの違いですら時にデザイン全体へ大きな影響を及ぼすことすらあります。だからこそデザイナー達は1mm単位までしっかりディテールを追求し、細部が全体に及ぼす感覚までデザインするように心がけています。

こうして具現化され、ディテールまで作り込まれたデザインですが、デザインプロセスがここで終わることはありません。

e. Refine (改良)

完成されたように見えるデザインも、デザイナーやクライアントではなく、実際の利用者からは思いもしなかったようなフィードバックが返ってくることがあります。これは想定したデザインの機能と、実際に作用している機能との間にギャップがあるためです。

そうしたギャップを埋めより現実的で効果的なデザインにするために、様々なユーザーテストを行っていきます。こうして集計したフィードバックを元にして、余計な機能を削いだり、足りていない機能を加えたりして、バランスを改良していきます。

上記5段階をプロセスを経て、ようやくデザインは市場へと出ます。もちろんこのプロセスは単なる基本形であり、業種によって違いますし、プロジェクトによって変形したり、新しいプロセスを加えたりするので、デザインの大まかな流れとして認識して頂ければと思います。

7. Typography(タイポグラフィ)講義

タイポグラフィとは、活字を適切に配列することで、文字の体裁を整える技術です。例えば読者の方が今ご覧になっているこの文章も、一つ一つの文字が横や縦にスペースを保ちながら並べられることで読むことが出来ます。

文字と文字との間隔、センテンスごとの間隔、センテンス上下一行づつの間隔、これら全てには名前があり、グラフィックデザイナーはこれら全てのスペースを調節します。

一行に何文字を入れて、文字間隔はどれくらいに設定するべきなのかといった作業も、実は感覚ではなくて視認性を高めるために定められたルールが数多くあります。グラフィックデザイナーはこれらのルールを適応しながら、理論的に文字情報を配置していきます。

またタイポグラフィ講義では、デザインで使用してもOKなフォーマルなフォントリストが生徒に配布され、基本的にそれ意外のフォントを授業で利用することは推奨されません。理由はシンプルで、デザインに利用出来るような美しいフォントというのは実際には非常に限られていて、無料で配布されているようなフォントは視認性や実用性が非常に低いためです。

また、それぞれのフォントの組み合わせにも相性があり、どのフォントがどのフォントとマッチするのかという相性なども学びます。こうして学生達は様々なフォーマルなフォントと慣れ親しみ、どのようにデザインへと適応させるのかを具体的に学んでいきます。

ちなみに僕の大学のデザイン学生は、タイポグラフィのクラスをA, B, Cと3つ取らなければ卒業出来ません。これは視覚デザインにおいて文字情報が占める割合は非常に重く、タイポグラフィが出来ることはグラフィックデザイナー/Webデザイナーにとっては必須であるためです。

8. 中国系移民の教授から学んだ移民の可能性

僕は米国のデザイン講義を担当する教授から、デザインだけではなく英語を第二言語とする移民が秘める可能性についても学びました。

今でも思い出しますが、僕は留学当初、明らかに中国なまりで英語も不完全な中国系移民の教授が、数多くの人気デザインクラスを担当しているという事実に驚きを隠せませんでした。彼は中国から米国大学へ留学し、その後デザイナーとして働いた後に、米国の大学でデザイン教授として働き始めたのだそうです。

アジアからの大学留学生が、後に海外就職を果たし、米国で人気デザイン講義を掛け持って教えるまでになるという彼のストーリーは、留学生の僕にとっては感動的ですらありました。

そんな中国人教授が使う英語はシンプルにして明快であり、授業内容も中国と米国のデザイン事情を交えながら教えるという移民ならではの独自スタイルを確立しています。

特にカルフォルニアでは様々な文化背景をもった教授や生徒達が同じ教室で学びあうので、講義内容だけではなく彼等の文化や考え方を知り、自分のデザイン的な視野を広げることが出来ることも一つの魅力かも知れません。

9. 必修科目としての企業インターンシップ

僕は現在、大学のクラスとしてbtraxへインターンシップをさせて頂いています。多くのデザイン系学生にとってこの企業インターンシップは必修であり、取らないと卒業することが出来ません。

デザインのアカデミックインターンシップは様々ですが、実はその7-8割以上が無給であるとも言われています。こう書くと学生達を無給で働かせるのはひどいという声が聞こえてきそうですが、実はその逆であったりします。

米国のデザイン学生達は、むしろ無給でインターンシップ出来る企業を探します。それはネームバリューのある会社は無給、ネームバリューの無い会社は有給という常識が定着しているからです。

学生達は卒業後に就職する際、ネームバリューのある会社でのインターン経験をresumeに書く事で自らを売り込むことが出来ます。多くの学生にとってはインターンで報酬を得るよりも、卒業後に希望の会社へ就職することの方が重要であるため、無給インターンであっても経験を稼ぐためにどんどん応募します。また無給インターンで働いた後に、その会社から正社員としてのオファーが来ることも少なくありません。

また、企業もこの事を熟知しているため、ネームバリューのあるデザイン会社の多くはインターンを無給とします。それとは反対に、ネームバリューだけでは学生をインターンとして呼び込むことの出来ない企業は、その対価としてインターン生にお金を払うのです。

10. MBA & Designという新領域

ビジネスとデザイン。この二つにそれぞれ全く違ったイメージをお持ちの方も多いかも知れませんが、この記事を読んで、少しデザインに対する捉え方が変わったという方もいらっしゃるのではないでしょうか。実はデザインコンサルティングとビジネスコンサルティングは密接に関連していて、切っても切れない関係にあります。

また、様々なビジネス分野におけるデザインの重要性が高まってきている近年、デザインとビジネスの両軸を行うことの出来る人材需要も比例して高まってきています。

こうした背景も手伝い、最近はMBAとデザインを融合したコースを提供する海外大学院が徐々に増え始めています。そうした大学では、デザインプロセスからビジネス理論までを幅広く学び、最新の市場ニーズにあう知識や技術が習得できるように講義が設計されています。

僕はこうしたコースを提供する大学院に強い興味を持っているんですが、現在幸いにもこれらを実践的に学ぶ機会を得ています。というのも、btrax社はビジネスとデザインの融合を掲げているため、業務内容が非常に理論的かつクリエイティブです。もしbtrax社でのインターン内容も「米国のデザイン教育から学んだこと」に含めるとするのであれば、僕は今まさに「デザイン×ビジネス」を米国で直に学ぶ機会に恵まれていると言えます。

11. 終わりに

僕は日本と米国でデザイン観がどうしてこうも違うのだろうと留学して以来ずっと考えてきましたが、どうもお互いの国が持っている根深い文化背景に由来するところが大きいという結論で間違いないと考えています。

例えば言語一つとってみても、日本語は円を書くようなメッセージの伝え方をしますが、英語は直線的に物事を伝えます。文章の構成方法も違えば、コミニケーションの要所も全く違います。

こうした文化背景は、その土地に住む人々の思考方法に多大な影響を与えています。異なる考え方は、異なるモノを生み出します。インプットが違えばアウトプットが異なるのは必然であり、その結果として出来上がるデザインも全く違うものになっていきます。

今回は「米国のデザイン教育から学んだこと」という題で書かせて頂きましたが、僕は日本のデザイン教育から学んだことも沢山あります。どちらが良いというわけではなく、どちらにも長所と短所があり、それらをうまくバランスさせることが重要なのではないかと思うのです。

まだまだ実践していかなければいけないことが数多くありますが、日米それぞれから素晴らしい要素を学び、グローバルにデザインを展開させる上で何が重要なのかということを意識しながら、これからも真摯にデザインと向き合っていきたいと思う次第です。

togetterにも今回の記事内容をまとめました。多くの方から反響を頂いておりますので、こちらも同時にご覧になって頂ければ幸いです。

*追記:「スペシャルインタビューブランドン氏」に、btraxのCEOであるBrandonさんが下記のトピックで受けたインタビューが掲載されました。

  • 世界で勝負するために、日本が学ぶべきユニバーサルデザイン
  • 日本に足りない能力とは?
  • 今、世界に向けて
今どういった事が日本のwebデザインの現場に求められていて、どうやって国際化社会に対応していくべきなのかというソリューションが具体的に提示されています。今回の記事と併せて読まれると更に日米間の現状理解が深まると思われますので、是非ご覧になってみて頂ければ幸いです。

筆者: Masato Brian Miura @rami2929

米国進出において必要とされる要素とは 〜Grow! Inc. CEO一ツ木氏インタビューより〜


btraxはメインビジネスとして、米国進出を試みる日本企業をデザインやプロモーションの面でサポートしており、最近ではSF NewTech Japan Nightの主催によってスタートアップ企業の米国進出支援も行なっている。Japan Nightを行なう中で米国進出を目指す日本のスタートアップの数は徐々に増えてきている様に感じる。しかしながら、VISAや言語の壁、文化の違いなど障壁は多く、なかなかこちらにオフィスを構えて本格的にサービスを始めるという段階まで進んでいる企業は実際少ない。そんな中、第3回SF NewTech Japan Nightに出場したGrow! Inc.は、昨年米国での会社登記を済ませ、米国進出に向けて着々と準備を進めている。今回は、そんなGrow!のCEOである一ツ木氏に話を聞き,実際に米国進出までの道のりや今後の展望についてお話を聞かせていただいた。

インタビューでは、ビジネスやスタートアップに限らず,どんな場合においても必要な1つの原則を自身の経験を交えてお話しいただいたので、関連する動画の話と織りまぜながら共有したいと思う。

Grow! Inc.は、お気に入りのコンテンツにボタンを通じてチップを贈り、コンテンツ製作者を支援できるとともに、コンテンツを友人と共有できるソーシャル・チッピング・プラットフォームである。今現在日本では6000人以上のユーザを獲得し、計900万ページ上にGrow!ボタンが設置されている。

Grow!の始まりは、強い問題意識からであった。若い頃に音楽をやっていた一ツ木氏は、周囲のクリエイターたちがアルバイトをしながら生計を立てている事に疑問を感じ、長い間そんな友人たちを助けたいという想いを抱いていた。ネット業界で働き、そこで得た知識をもとに全てのクリエイターたちにファンがネット上で直接、少額で投資する事が出来る仕組みを共同創業者と共に思いついた。こういった経緯があり、「ファンとクリエイターの関係をインターネット上で創り上げたい」という強い目的意識からGrow!は誕生したのである。

WHYの大切さ

Simon Sinekの”How great leaders inspire action”というTEDの動画を見た事があるだろうか。4,177,227回の再生回数を誇る、TED内でも最も高くランクインしているStoryである。このプレゼンテーションの中で彼が力強く唱えている黄金のサークル理論をここで紹介したい。

通常、企業はみな、自分が「何を売っているか(WHAT)」「どんな風に売っているか(HOW)」を理解しており、多くの経営者は自身の事業について最も多くを語る。つまり、WHAT(何をするのか)-HOW(どうやってするのか)-WHY(なぜするのか)の順番で事業を決めているのである。しかしながら、時代を変革させ、人々の行動を変える偉大なる存在は、いつも根本にWHY(何故やるのか)をおいて事業を考えている。何が目的なのか、何のためにこの会社は存在するのか。何故顧客はその製品を買う必要があるのかを中心に考え、必ずWhy-How-Whatの内から外に物事を考える。それを指針として、一つ一つの行動をおこなっている企業や人間こそが、偉大なるリーダーとして人々の行動を変えることができるという話であった。

今回のGrow!の一ツ木氏の米国進出に関するインタビュー内容は、上記の話と強くリンクしていた。Grow!がいち早く米国への進出を行動に移すことが出来た理由、それこそがまさに”WHY”の存在なのである。米国進出をする目的、あえて難しい状況である米国で勝負する理由、それがしっかりと根底に有ることが、Grow!をここまで進めてきた原動力なのであると一ツ木氏は語っていた。

Grow!が米国進出をする理由

Grow!が米国進出をした理由は3つ有る。まず法律的に日本では個人間の金銭のやり取りが禁止されていることが一つにあげられる。お金を融通する機能を持つサービスは銀行の様な金融機関であると分類化され、その数を増やしてはならないとされているのである。反面、米国は金融機関の設立に規制がないため、Grow!の行なっている、個人から個人へオンライン上で直接送金することに関しては全く問題がない。

第2に市場規模。アメリカの寄付市場の規模は24兆円(日本の外食産業と同じ)であると見込まれており、毎年衰退することなく安定的に推移している。加えて、オンライン上の寄付に関しては、ここ4年で3倍に成長している。反対に日本での市場規模は30分の1の8000億円であり、そもそも寄付の文化が根付いていないというのが現実としてある。従って、米国においては、Grow!の提供するサービスであるオンライン上での個人からクリエイターへの寄付というシステムが日本より機能しやすいのである。

第3にチップ文化。米国に旅行されたことのある方はご存知だろうが、米国ではレストランやホテル、タクシーなどあらゆるサービス提供に対してチップを支払う文化がある。これは顧客が提示された金額に加えて、サービスを行なってくれた個人に対して支払われるものであり、個人間の直接的なお金のやり取りが概念として既に存在している。Grow!の提供するシステムはチップ文化という米国の文化背景に非常に上手く合致するため、日本よりも受け入れられやすいのである。

上記の3つの理由から、Grow!は米国で事業を行なうことを前提として考えていたため、サービス開始時から1Grow!=100円ではなく1Grow1=$1に設定している。このように「米国市場で勝負しなければいけない理由」があったことから、目標がぶれる事無く、挫折する事無く、米国での登記まで辿り着く事ができたのである。

今回のインタビューから我々が学んだのは、”Why(何故やるのか)”の存在であった。「何故」という理由付けがしっかりしていれば、方向性は絶対にぶれないし、ぶれた時もすぐに調整が出来る。そこが行動を起こせるか起こせないか、継続できるかできないかを分けるカギとなっている。会社の経営にしても、自分のキャリアにしても全て、”Why”が不可欠であり、その目的意識が自分を信じ続ける支えと成り,また周囲の人間にも強い影響を与えることができるのであろう。それは常に高尚なものでなくとも良い。最も大切なのは、自身の行動の理由、存在の理由を考えながら自分が何(What)をどうするか(How)を決定していくというプロセスを意識することだという教訓を、今回のGrow!一ツ木氏へのインタビューから得ることができた。

 

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SF New Tech Japan Nightサイト 一ツ木氏のインタビュー記事

 

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アメリカ就職において最も重要な8つの要素

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はじめに

僕は高校を一年で自主退学し、高専卒業後は「デザインとビジネスの着地点を見つける!」と米国留学のために威勢良く渡米しましたが、待ち構えていたのは悪戦苦闘を強いられるアメリカ流の洗礼の数々でした。

一番始めのセメスターは散々たる結果で、大学からは「成績不振が続けばすぐ強制退学にします」という通知書が届き(なんとか次のセメスターでオールAを取り挽回)、起きてから寝るまで行った勉強のストレスで体の節々が異常を訴え始めながら、米国大学のトイレで何度吐きそうになるまで悔し泣きをしたか、今となってはもう数えることが出来ません。

そんな苦悩の日々から約3年が経った今、僕はbtraxというWeb Consulting AgencyのCEOであるBranodonさんから一本釣り的に採用され、書類審査や従業員面接のプロセスを全て省略して頂き、日本人留学生にとって非常に困難と言われる海外インターン就職に卒業する数ヶ月も前から合格し、しかもロサンゼルスに住みながらサンフランシスコの会社へリモートで勤務しています。

申し遅れました、皆さん初めまして。今月からbtrax社でインターンをさせて頂く三浦雅人と申します。Web DesignとBusiness Development (in LA area)を担当させて頂いています。

僕は留学当初は右も左も分からずに模索し続けていたので、これからアメリカでの就職やインターンを希望される方々に少しでもお役に立ちたいと思っています。この場を借りてお伝えする「僕がアメリカでのインターン就職経験を通して得た8つの学び」が何かしら皆様のお役に立てば幸いです。

1. ソーシャルメディア活用が好機を掴む

それは突然でした。ある日Facebookを確認すると、「将来一緒に仕事する可能性についてお話したいので、一度お会いしませんか?」とのメッセージが。差出人は、btrax社のCEOであるBrandonさん。「まさか!」という言葉が、頭の中を走り抜けました。

というのも、その時の僕は米国大学卒業後にbtrax社のインターンへ申込むために着々と準備を進めており、その会社を経営する方から直接連絡が来るというのは文字通り「まさか」の展開だったわけです。

後から伺ってみると、Brandonさんは僕がブログに書いたデザインとビジネスに関する記事を読み、興味を持って連絡したとのことでした。僕がブログを書いていなければ、恐らくbtrax社と接点を持つのは数ヶ月も後に遅れていたことでしょう。あるいは僕がtwitterを利用していなければ、ブログ記事がBrandonさんまで届くことすら無かったのではないかと予想しています。

数十年前にSix degrees of separationと呼ばれる「全ての人は6人を介せば全て繋がる」という仮説が立てられましたが、最近は「ソーシャルメディア上では全ての人と3人を介することで繋がることが出来る」という仮説が発表され話題になりましたよね。

これだけ個人間の距離が緊密になっているアメリカ社会では、ネットワーキングは就職において非常に重要な要素です。アメリカで本当に重要な役職は求人に載ることすらなく、人づてを経て紹介されると言われるほどなので、ソーシャルメディアを使ったセルフブランディングを行っておいて損をすることはまずないかと思います。

また米国企業のの採用担当者は応募者のソーシャルメディアを検索して人間性を確認することも多いので、プライバシー設定や公開する写真の適切性なども考慮する必要があります。

就職活動におけるソーシャルメディア活用が凄いのは、書類面接や面接のプロセスを全て省いて、CEOの方や担当採用の方と直接お話を出来る機会を得るチャンスがあるというところかも知れません。

ただし、一般的には履歴書やカバーレターと呼ばれる手紙を企業に送るのが王道です。これも非常に大切なので、個人的な経験も含めて以下に続けて書いてみたいと思います。

2. 英文resumeとcover letterは自分をマーケッティングする道具

resumeとcover letterはセットで、この二つがないとアメリカ企業への就職はまず出来ないと言っても過言ではありません。resumeとは履歴書のことで、cover letterとは企業へ自分をアピールするための手紙のことです。どのように企業を知り、自分がどのような価値を提供することが出来るのかを伝えます。

もう少しこの書類の重要性を確かめるために、試しにAmazon.comで「cover letter」とタイプすると、何と1万5千冊を超える書籍が見つかります。この数字からも、米国でどれだけcover letterが重用視されているのかが伺えるかと思います。

また企業の視点に立ってみればすぐに分かりますが、魅力的な会社であればあるほど応募者が殺到するため、採用担当者が目を通すresumeやcover letterの量は膨大になります。よってここでの勝負は、いかに自分を的確にマーケティングする(売り込む)かという一点に尽きます。

個人的な感想として、日本人が他のアメリカ人の方達と同じ方法で戦っても多くのハンデを負う上にレッドオーシャンになってしまうので、「バイリンガルマーケット(例え英語がビジネスレベルでも)」+「アメリカ人達と渡り合うことの出来る技術スキル」+「誰にも負けない何か一つの分野に対する情熱」、という3つの軸を持って挑むのがベストだと考えています。

ちなみに普段から親しくさせてもらっているアメリカ人の知り合いの方は、非常に魅力的なcover letterを書き、送信した数秒後に携帯に電話が入り、当日に採用が決まるという離れ業を成し遂げてしまいました。後からその会社のCEOの方に聞いた話しですが、彼は友人のcover letterだけを見てすぐに連絡したいと思われたそうです。

では、どうすれば採用担当の方に強烈なアピールをすることが出来るのか。この問いに対する僕なりの答えを、次に書いていきたいと思います。

3. 会社に対して何が提供出来るかを考える

医者は患者を問診することによって症状を探り、適切な薬を処方することが出来ます。このプロセスは就職する時も同じことです。

自分が企業に何を提供(薬)出来る考える時、1人で考えてしまっては全く的外れな提案になってしまいます。それは、それぞれの会社によって求めている内容(症状)が全く異なるためです。

実際に企業が抱えている問題を知らなければ、何を自分から提供出来るのかを考えることは出来ません。相手の問題を解決するために自分は何が出来るのか?という発想が、エンゲージ率の高い提案には欠かせないのです。

そこでまずは、希望する会社の事を徹底的に調べる必要があります。実際に僕もbtrax社に関するリサーチから多くを学ばせて頂きました。どれくらい調べたかというと、CEOであるBrandonさんとの最初の対談で「何でそんなbtraxの企業秘密的なことまで知ってるんですか?」と言われるくらいです。ある時は友人から「君はbtraxのストーカーなの?」と言われたこともありました。

しかし、オンラインでの情報収集には限界があります。会社の事をちゃんと理解している人に会社が何を必要としているかを聞くのは非常に重要なので、インターンの方にお話を伺ってみたり、現在働いているスタッフの方からお話を聞くのも有効です。例外なく僕もやりました。アメリカではイベント等でCEOの方を直接あたってみると、意外と収穫があったりもします。

こうしてオンラインとオフラインの情報収集を終えた頃には、企業が抱える問題や、必要としているスキルが見えてきます。それらの情報を元に、自分が何を提供出来るのかをresumeやcover letterを通して情熱的に表現することが、「何だこいつは!?」と良い意味で思われるような、「外国人とか関係なくめっちゃ会ってみたい!」と感じてしまうような、そして「もう電話をかけずにはいられない!」というアクションを取ってしまうような、そんなインパクトを与えるきっかけになるのではないかと思うのです。

ソーシャルメディアを活用し、情報収集も十分にして、resumeやcover letterを出し終えて一安心、と思っていてはアメリカでの就職はやっていけません。企業とのコンタクト段階で必ず必要となる「攻めの姿勢」についても、詳しく見ていきましょう。

4. 待たない姿勢を保ち続ける

「待つな。」これは僕の大学が行う就活講義で、学生達へ一貫して伝えられるメッセージです。このたった3文字に、攻めの姿勢とは何かが簡潔に表現されています。これこそ、アメリカ就職で僕たちが保たなければいけないスタイルだと言えます。

この「待たない姿勢」を理解することは、アメリカの就職活動文化を正しく理解することでもあります。またそれは日本の就職活動と全く異なる側面でもあるため、日本の感覚だけで進めようとすると失敗する可能性が高いかも知れません。

では具体的に何が違うのでしょうか。僕は大学の講義で教授が教えていた内容が、非常に印象的で今でも忘れられません。教授はこんな例を挙げていました。

「resumeやcover letterを出し終え、social mediaも活用し、君達に希望の企業から連絡が来たとしよう。そして企業が君に興味を持っている旨を伝え、数日後に連絡するので待って欲しいと言ったとする。さて、君達が次に取るべき行動は何かな?」

日本の感覚で言うと、ここから指定日に合わせてinterviewへの準備を万端にしたりすると思うんですが、その解答は僕の予想とは180°反するものでした。教授はこう続けます。

「企業から数日待って欲しいと言われても、決して待ってはいけない。アグレッシブかつジェントルな態度で毎日電話を入れるべきだ。企業が君のことを少し煙たがるぐらいが丁度いい。この段階で何が起きているかと言えば、企業は候補者を数名に絞る過程で振るいをかけている。その大切な選別を、運に任せてはいけない。ありとあらゆる手段を使って、彼等に君の情熱を伝えなければいけない。もしも毎日積極的に電話をかけてくるような学生が居れば、向こうもどれだけ君がその会社で働きたいのかを感じ取るだろう。この世界では情熱も立派なスキルであるということを、決して忘れてはいけない。」

ちなみに僕がBrandonさんから初めて頂いたメッセージは「近いうちにLAに行く機会があると思うので、その際にお会いしませんか」というものでしたが、僕が返信したメッセージは「今週末にサンフランシスコでお会いさせて頂けないでしょうか」というものでした。

実際に企業とコンタクトを取り始めるシチュエーションは様々な場合が考えられますが、どんな場合であっても丁寧かつ積極的なコンタクトを取り続ける事で、他の候補者達から差別化を図ることが出来るかも知れません。特に学生のスキルというのは僅差である場合が多いので、最後に命運を分けるのは個人が持つ情熱であるように思います。

こうして企業とコンタクトを取り始めることが出来れば、その先に待ち構えているのは待ちに待った面接です。いわゆる愛を告白する場所です。ここでは、いかにより突っ込んで自分をアピールすることが出来るかというのが大切になっていきます。

5. 面接という名のプロポーズ

面接はcover letterでは表現しきれなかった、一歩踏み込んだ愛をプレゼンする場であると認識するといいかも知れません。しかし、やはりアメリカでの面接は非常に厳しいです。慣れない英語での受け答えは当然のことながら、大学で面接トレーニングを受けたアメリカ学生達とも争わなければいけません。

それでも、日本人である僕達にも徹底的に出来ることが一つだけあります。それは、準備です。いかに一歩踏み込んだプレゼンを出来るかは、どれだけ準備に時間を費やしたかに比例すると思います。そしてそれは必ず、面接官へと伝わります。

皆さんは、アメリカ流のプロポーズを見たことがあるでしょうか?

このプロポーズには、一体どれだけの知力、費用、労力、時間が費やされているのでしょうか。彼は一体、どれだけの愛を持ってして彼女にプロポーズしたのでしょう。この15分のプロポーズに、一体どれだけの努力が必要とされたのでしょうか。

これは企業面接でのプレゼンに似ています。もちろん職種によって何をプレゼンするかは異なりますが、「相手が何を望み、それに対して自分が何を提供できるのか」を徹底的に考えるという原則は同じなのです。

相手の趣味趣向を知らずに告白しても、振られるのが関の山。それを踏まえて入念に準備してから、上記動画の彼のように準備万端でベストを尽くすと、Luck(運)が後からついて来るかも知れません。

6. 会社に大きな貢献が出来ないのであればインターンは採用されない

少なからず僕は最大限に貢献しようと、足りない頭を日々ひねっています。アメリカ学生の友人達もみんなどうやって企業に貢献するか、インターンをしながら必死に考えています。この不況で就職先がないアメリカの学生も多いという高倍率競争なので、まさに毎日が命がけです。

例として僕は場合は「btraxのオフィシャルwebサイトを新規事業内容に沿ってデザインし直す」というインターン採用試験を、Brandonさんと初めて会ったその日に期限付きで手渡されました。

上手くいけばインターン採用かつデザインも実際に利用されるという非常にやりがいのある課題だった反面、下手なデザインを提出するようであればインターン不採用という事実も事前にハッキリと伝えて頂きました。

アメリカではインターンに任せられる仕事の責任範囲が、正社員となにも変わらないことが多いです。そうした背景も手伝ってインターン採用は非常に厳しく行われ、個人の実力が重用視されます。

採用試験の結果、嬉しいことに僕のデザインは現在のbtraxのオフィシャルウェブサイトとして反映されています。企業の鏡でもあるオフィシャルサイトをインターンのデザインから採用するわけですから、言い換えればそれだけ責任とやりがいのある仕事をインターンに任せることの出来る環境が整っているということでもあります。

さて、採用のオファーを頂いた後は、どうやって自分という存在をアメリカの会社で主張していくかというプロセスが大切になっていきます。

7. ユニークに自分の存在感を出す

自己主張が当然のアメリカでは、自分の色を積極的に出さないと中々サバイバルしていけないという印象があります。まるで大学の授業で積極的に発言する生徒が高く評価される社会を反映するかのように、企業でも存在感を出しながら価値を貢献出来る人材が求められます。

個人的で率直な感想として、btraxで働いている方達は非常に優秀で、僕のような新米が何をどう貢献出来るのか探すのだけでも一苦労です。そこで、自分がどうすればユニークに自分の存在感を出すことが出来るのかということを、この2ヶ月間ずっと自問自答してきました。

btraxの事業活動を大まかに二分するとデザインとマーケティングとなります。僕はデザインとビジネスを何年も同時に勉強してきましたし、この二つの事業の間を円滑に繋ぐべく、両サイド的ポジションとして自分をアピールしていこうと決めていました。

結果的にデザインとマーケティングチームのどちらにも参加させて頂ける運びとなりましたし、今こうしてブログを書いているのも、文章を書くのが好きなので何か記事を書かせて下さいと僕から提案させて頂いたのが始まりです。

例え意見が採用されなくても、特に失うものは何もありませんし、アメリカではプラスに評価される可能性もあります。却下されることを恐れて発言しないくらいなら、何度断られてもいいので自分が出来ることを提案し続けた方が自分の存在感を出せるように思います。

8. 自分の将来のビジョンを持つ

今まで歩んで来た自分の短い人生を振り返ると、強烈にやりたいと思った事に対して突き進むことで、先にある予想もしていなかったような景色が次々と見えてくるという経験の連続だったように思います。

どうせ明日死ぬかもしれず、数十年しか続かない人生であれば、周りの声に耳を貸さずに、自分の心の奥深くにある声に耳を傾け、その欲求へ素直に従う生き方もいいと思うんです。

人生は誰もが平等に1度きり。それなら今、1秒づつ過ぎ去って行くこの瞬間に、時間を忘れて無我夢中になってしまう自分の大好きなことを思いきりやらずして、他に何をしろというのでしょうか。

僕はあるビジョンをもってアメリカへ留学しましたが、それは今でも色褪せることなく自分の中で育ち続けています。その想いがなければ、こうしてbtraxで働くという機会に恵まれることも無かったのではないかと思います。

高校受験に失敗した時に、親父からさりげなく渡された手紙を、今でも読み返すことがあります。寡黙で、いつも行動で道を示そうとする親父が、珍しく僕に書いた手紙の一文には、こう綴られています。

「人生は山あり谷ありです。
いつも順調に進まないのが人生です。
今、希望がかなわなくとも、再挑戦は可能です。
雅人が希望する方向を見失わないで頑張って行けば道は開けます。
まだ15歳です。焦らず、腐らず、一歩一歩進んでください。」

その優しさに対して、全く答えることの出来ない自分の不甲斐なさに、悔しさで一杯になったことも沢山ありました。それでも自分の進むべき道を見極めるべく、この手紙を何度も読み返しながら、どう人生を歩んでいくべきなのかを考え続けてきました。

幾度となく折れそうになっても、諦めずに続けて結果が、自分をこの新しいスタートラインに立たせてくれているんだと思っています。

また留学をサポートし続けてくれた家族や友人達が居なければ、ここまで歩いてくることは不可能であったように思うので、これから行動をもって感謝を示し続けていこうと考えています。

アメリカでの就職は大変のこともあるかと思いますが、アナタの選択を、そして自分の信じた道を、たとえ前が見えずとも突き進んでみて下さい。その先にはきっと、明るくて眩しい景色が、アナタを待ち続けていると、僕は思います。

P.S. togetterにも今回の記事内容をまとめました。多くの方から反響を頂いておりますので、こちらも同時にご覧になって頂ければ幸いです。

 

筆者: Masato Brian Miura @rami2929