Webのローカリゼーションとは単にWebコンテンツの語学翻訳ではない。効果的なローカリゼーションとは、ターゲットとなる市場の人々が好む配色やデザイン、さらに彼らにとって意味深な言葉を使うことが必要だ。日本語を他の言語に置き換えただけでは、Webページを訪れてくれた相手を引き止める効力はない。

SoCal のSalt Creek Beach
さらに、もう一つローカリゼーションを複雑にする「人の心象」、つまり、平たく言えば、「人が持つイメージ」という代物がある。例えばよく聞く話しだが、南カリフォルニアこそカリフォルニアだと、(制約の無い場合は)好んで住居を南にする日本人が多いという。彼らの頭には「カリフォルニアは椰子の木、太陽、海、そして、サーフィン」というイメージが出来上がっていて、そのイメージに合わないとどうも居心地が悪いらしい。
それも分からない訳でもない。なぜなら北と南カリフォルニアは全然、別物。Northern California をNoCal 、Southern Californiaを SoCalと略して呼ぶ。(リンク先の半ばあたりをご参照下さい。) The O.C.に代表されるSoCalはご存知のように、(ちょっと古いが)映画「ビッグウエンスデー」のイメージそのまま。きらきら白く輝くような金髪の日焼けしたサーファーたちが照り付ける太陽のもとサーフボード片手に、わくわくしながらビーチに向かって椰子の木の下を走っていく姿を頻繁に見ることができる。
一方、NoCalに椰子の木はそう多くないし、11月くらいからは寒くなり雨も降る。そんな中、金髪のサーファーの代わりに”Frisco”たちがアップルのパソコンを開いてマシンガンのような音を立ててキーボードをたたく。霧のサンフランシスコと「Nerd」のメッカ、シリコンバレーを中心とするNoCalは、前述のSoCalのイメージを強く持つ人にとっては、カリフォルニアとしては認識されにくいようだ。イメージなんて簡単に修正できると思ったら、甘い。「心象」は小さい頃から見たり聞いたりしたことの積み重ねが基になっているから、そう簡単に覆すことはできない。

NoCalのPalo Alto市
そうなると効果的なローカリゼーションには、自分がターゲットとする市場の人々の心象やイメージを把握して、それに沿ったサイトを作成することも含まれてくる。立ち上げたサイトが、もし相手のイメージと大きくかけ離れた場合、サイトの訪問者は誰ものれんを押して中を覘いてはくれない。そうなっては、現在流行りのSEOやSEM以前の問題となってしまう。ああ、ローカリゼーションも楽じゃない。
Photos by Yuka Ogino
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